2026/07/01
人材育成【企業側】派遣社員との面談で使える質問例集|聞いてはいけないNG質問も解説

派遣社員との面談は、限られた時間のなかで業務内容をすり合わせ、お互いの認識を合わせる大切な機会です。しかし、いざ進めようとすると「何を聞けば人柄や適性がわかるのか」「うっかり聞いてはいけない質問をしてしまわないか」と悩む担当者も少なくありません。
本記事では、派遣社員との面談で使える質問例をまとめました。企業側が聞いてはいけないNG質問例、派遣社員からの逆質問例と回答のコツ、面談を成功させるためのポイントも解説しています。
派遣社員の受け入れや定着をスムーズに進めたい企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。
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派遣社員への『面接』は原則禁止
派遣社員を受け入れる際、派遣先企業が事前に面接を行うことは、労働者派遣法第26条6項により原則禁止されています。派遣社員と雇用契約を結ぶのは派遣元(派遣会社)であり、派遣先には「誰を派遣するか」を選ぶ権限がないためです。
そのため、事前面接のほか、履歴書の提出要請や年齢・性別を限定した依頼といった「特定目的行為」も認められていません。実際の現場では、面接の代わりに業務内容や職場環境を確認する「面談(顔合わせ)を行うのが一般的です。
ただし、直接雇用を前提とする紹介予定派遣は例外で、事前の面接を実施できます。
企業が派遣社員に対して行う面談の種類
派遣社員との面談にはいくつか種類があり、タイミングと目的が異なります。代表的なものは以下のように整理されます。
| 面談の種類 | 実施タイミング | 主な目的 |
|---|---|---|
| 顔合わせ(事前面談) | 就業開始前 | 業務内容・職場環境の説明と相互確認 |
| 定期面談(フォロー面談) | 就業中(月1回等) | 業務状況の把握、困りごとの早期発見 |
| 契約更新面談 | 契約満了前 | 更新意向の確認、条件のすり合わせ |
| 相談・苦情対応の面談 | 随時 | トラブルや不安への対応 |
派遣社員との面談は、就業前の顔合わせ(事前面談)だけではありません。就業開始後も、業務状況を確認する定期面談や、契約満了前の更新面談など、目的に応じてさまざまな場面で行われます。
いずれも選考が目的ではなく、業務の円滑な遂行や派遣社員が安心して働ける環境づくりを目的としている点が、直接雇用の面接との大きな違いです。
派遣社員との面談で使える質問例集
派遣社員との面談では、業務をスムーズに進め、ミスマッチを防ぐための質問が欠かせません。ただし、選考や特定につながる質問は避ける必要があります。
派遣社員との面談で使える質問例をカテゴリ別に紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- 業務スキルを確認する質問
- 業務内容の理解度を確認する質問
- 就業条件・勤務スタイルを確認する質問
- キャリアの方向性を聞く質問
- 職場環境に関する質問
業務スキルを確認する質問
担当してもらう業務を任せられるか、不安なく就業をスタートできるかを確認するための質問です。合否を判断するためではなく、保有スキルと業務内容のミスマッチを防ぐ目的で聞きましょう。
業務内容の理解度を確認する質問
任せる業務のイメージが、企業側と派遣社員側でずれていないかをすり合わせる質問です。認識の違いは就業後のトラブルにつながりやすいため、面談の段階で丁寧に確認しておきます。
就業条件・勤務スタイルを確認する質問
勤務日数や時間、通勤など、就業を継続するうえで欠かせない条件面を確認する質問です。条件のミスマッチは早期離職の原因になりやすいため、事前のすり合わせが重要です。
キャリアの方向性を聞く質問
長く活躍してもらうために、本人の希望や得意分野を把握する質問です。得意・不得意を踏まえて業務を任せることで、双方にとって納得感のある就業につながります。
職場環境に関する質問
チームに馴染みやすいか、配慮すべき点はないかを確認する質問です。働きやすい環境を整えることは、派遣社員の定着やパフォーマンスの向上にもつながります。
企業が派遣社員に聞いてはいけないNG質問例
派遣社員との面談では、聞いてはいけない質問もいくつかあります。面談でうっかり聞いてしまいがちなNG質問を紹介しますので、しっかりと押さえておきましょう。
- 選考・特定につながる質問
- 本人に責任のない事項に関する質問
- プライバシーに関する質問
選考・特定につながる質問
派遣先企業には、誰を派遣するかを選ぶ権限がありません。そのため、派遣社員を選考・特定する目的と受け取られる質問は避ける必要があります。
以下のような質問は、特定目的行為に該当するおそれがあるため注意しましょう。
- なぜこの仕事に応募したのですか?(志望動機)
- これまでの派遣先での評価はどうでしたか?
- 履歴書や職務経歴書を提出してもらえますか?
本人に責任のない事項に関する質問
本籍や出身地、家族構成など、本人の努力では変えることのできない事柄に関する質問は、公正な採用選考の観点から避けるべきとされています。業務とは無関係であり、差別につながりかねないため、面談で触れないよう注意が必要です。
- ご家族はどのようなお仕事をされていますか?
- どのような家庭環境で育ちましたか?
- 持ち家ですか、賃貸ですか?
プライバシーに関する質問
思想・信条や宗教は、本来自由であるべき事項であり、質問してはいけません。また、結婚・出産の予定や病歴といった業務に関係のない個人情報も、プライバシーや男女雇用機会均等法の観点から避ける必要があります。
- 支持している政党や宗教はありますか?
- 尊敬する人物は誰ですか?
- 結婚や出産の予定はありますか?
派遣社員との面談でよくある逆質問例
派遣社員との面談では、企業から質問するだけでなく、派遣社員から逆に質問を受ける場面もあります。あらかじめよく聞かれる質問とその回答を準備しておくことで、当日スムーズに対応でき、派遣社員の不安を和らげることにもつながります。
よくある逆質問をテーマ別に見ていきましょう。
- 業務内容に関する逆質問
- 職場環境に関する逆質問
- 勤務に関する逆質問
- 契約や更新に関する逆質問
業務内容に関する逆質問
実際にどのような仕事を任されるのか、就業後のイメージを具体的にするための質問です。業務のミスマッチを防ぐためにも、派遣社員が最も気にするポイントといえます。
逆質問への回答のポイント
実際の業務内容を、できるだけ具体的に伝えましょう。良い面だけでなく、忙しい時期や大変な部分も正直に共有することで、派遣後の「思っていたのと違う」というギャップを防げます。
職場環境に関する逆質問
一緒に働くメンバーや部署の雰囲気など、職場に馴染めるかどうかに関わる質問です。安心して働けるかを判断する材料になるため、丁寧に答えることが大切です。
逆質問への回答のポイント
人数や雰囲気を具体的に伝えると、入職後のイメージが湧きやすくなります。サポート体制や相談先を明確にしておくと、派遣社員の不安を和らげることができます。
勤務に関する逆質問
残業や休暇、服装など、日々の働き方の実態に関わる質問です。就業条件のミスマッチは早期離職につながりやすいため、事実を正確に伝えましょう。
逆質問への回答のポイント
残業や休暇の取得状況は、実態に即して伝えることが重要です。曖昧にせず正直に答えることで、入職後のトラブルや認識のズレを防げます。
契約や更新に関する逆質問
契約期間や更新の見込みなど、就業の継続性に関わる質問です。派遣社員にとって生活に直結する関心事のため、わかる範囲で誠実に答えましょう。
逆質問への回答のポイント
更新の可能性は、確約はできなくても判断基準や見通しを伝えると親切です。なお、更新や契約に関する最終的な調整は派遣会社を通じて行う点も押さえておきましょう。
派遣社員との面談の基本的な流れ
派遣社員との面談は、あらかじめ全体の流れを把握しておくことで、当日スムーズに進行できます。それぞれのステップで行うことを、事前に整理しておきましょう。
- 会社・業務の説明
- 条件の確認
- 質疑応答
- 面談後の対応
①会社・業務の説明
面談は、派遣先企業・派遣社員・派遣会社の担当者による三者で行うのが基本です。
あいさつと自己紹介を済ませたら、まずは企業側から会社の概要や配属先の部署について説明します。続いて、実際に任せる業務の内容や1日の仕事の流れ、使用するツールなどを具体的に伝えましょう。
ここで業務イメージを正しく共有しておくことが、就業後のミスマッチを防ぐうえで重要です。
②条件の確認
会社・業務の説明に続いて、就業にあたっての条件をすり合わせます。勤務時間や休憩のとり方、就業場所、残業の有無、服装に関する決まりなど、日々の働き方に直結する項目を具体的に確認しましょう。
条件面の認識がずれていると、就業後のトラブルや早期離職につながりかねません。あわせて、実際に働く職場の様子を見てもらう職場見学を行うのもこのタイミングです。
③質疑応答
業務や条件の説明を終えたら、相互に確認し合う質疑応答の時間を設けます。
企業側からは、保有スキルや業務の理解度などを確認しますが、これは合否を判断する選考ではなく、ミスマッチを防ぐための確認である点を意識しましょう。志望動機やプライバシーに関わる質問は、特定目的行為やNG質問に当たるため避けてください。
続いて、派遣社員からの逆質問を受け付けます。職場環境や勤務に関する疑問に丁寧に答えることで、不安を和らげ、安心して就業に踏み出してもらうことができます。
④面談後の対応
面談が終わったあとの対応にも注意が必要です。
派遣先企業には派遣社員を選考する権限がないため、就業の可否や条件に関する最終的な調整は、派遣先が直接行うのではなく、派遣会社を通じて進めます。面談を受けて気になった点や確認したいことがあれば、派遣会社の担当者に伝え、間に入って調整してもらいましょう。
なお、派遣社員を直接「お断り」する、複数の候補者から選ぶといった行為は特定目的行為に該当します。最後まで選考と受け取られない対応を心がけることが大切です。
派遣社員との面談を成功させるポイント
派遣社員との面談は、進め方次第で就業後のミスマッチや早期離職を防ぐ重要な機会になります。とはいえ、選考の場ではないという前提を踏まえつつ、限られた時間で相互理解を深めるには、いくつかの工夫が必要です。
派遣社員との面談を成功させるために、押さえておきたいポイントを紹介します。
- 選考の場ではないことを意識する
- 派遣社員が話しやすい雰囲気をつくる
- 派遣会社の担当者と連携する
選考の場ではないことを意識する
派遣社員との面談を成功させるうえで最も大切なのは、面談が選考の場ではないと意識することです。
派遣先企業には誰を派遣するかを選ぶ権限がなく、面談はあくまで業務内容をすり合わせ、相互理解を深めるための場です。志望動機を尋ねたり、複数の候補者を比較したりする行為は、特定目的行為に該当するおそれがあります。
「良い人材を選ぶ」のではなく、「就業後にミスマッチなく働いてもらう」という視点を持つことが、適切な面談につながります。担当者全員でこの前提を共有しておきましょう。
派遣社員が話しやすい雰囲気をつくる
面談では、派遣社員が話しやすい雰囲気をつくることも大切です。緊張したままでは、疑問や不安があっても口に出せず、認識のズレに気づけないまま就業が始まってしまいます。
まずは企業側からあいさつや自己紹介を丁寧に行い、和やかな雰囲気で進めましょう。一方的に説明するだけでなく、相手の話にしっかり耳を傾ける姿勢も重要です。
派遣社員が安心して質問や相談をできる場をつくることで、本音でのすり合わせが可能になり、結果として就業後のミスマッチや早期離職を防ぐことにつながります。
派遣会社の担当者と連携する
派遣社員との面談は、派遣会社の担当者との連携が欠かせません。
面談前に業務内容や求めるスキルを正確に共有しておくことで、企業の希望に合った人材の派遣につながります。当日は派遣会社の担当者にも同席してもらい、特定目的行為を防ぐ役割を担ってもらいましょう。
また、面談後に就業条件を調整したい場合や、気になる点があった場合も、派遣先が直接対応するのではなく、派遣会社を通じて進めるのが基本です。
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まとめ
本記事では、派遣社員との面談で使える質問例をまとめました。
派遣社員との面談は、選考の場ではなく、業務内容や条件をすり合わせて相互理解を深めるための機会です。スキルや就業条件、職場環境などをカテゴリ別に確認することで、就業後のミスマッチを防げます。
一方で、志望動機やプライバシーに関わる質問は、特定目的行為やNG質問に該当するため注意が必要です。面談の流れを押さえ、派遣会社の担当者と連携しながら進めることで、派遣社員に安心して長く活躍してもらえる受け入れにつながるでしょう。
































