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心理的安全性の測定方法は?7つの質問やアンケート以外の測り方も解説

「自社の心理的安全性は高いのだろうか?」と気になっても、測り方が分からず悩む方は少なくありません。心理的安全性は目に見えにくいものですが、適切な方法を使えば、数値や具体的なサインとして客観的に把握できます。

本記事では、心理的安全性の代表的な測定方法である「7つの質問」をはじめ、アンケート以外の測り方、測定結果の分析方法、実施時の注意点までをわかりやすく解説します。自社やチームの心理的安全性を正しく把握し、改善の第一歩を踏み出すための参考にしてください。

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心理的安全性とは?意味を簡単に

心理的安全性とは、組織やチームの中で自分の意見や疑問、ミスなどを率直に発言しても、罰せられたり否定されたりしないと感じられる状態を指します。ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授が提唱した概念で、成果を生むチームに共通する最も重要な要素として注目を集めました。

ただし、心理的安全性は単に居心地の良い「仲良し集団」を意味するわけではありません。メンバーが安心して本音を出せるからこそ、高い目標に向けて健全に意見をぶつけ合える土台となるのが、心理的安全性です。

心理的安全性を測定するメリット

心理的安全性は目に見えにくく、つい感覚で判断してしまいがちです。しかし、あえて測定することで現状を正しく把握でき、効果的な改善にもつなげられます。

心理的安全性を測定する主なメリットについて整理しておきましょう。

  • 職場の現状を客観的に可視化できる
  • 改善すべき課題が明確になる
  • 施策の効果を定点観測で検証できる

職場の現状を客観的に可視化できる

心理的安全性は「なんとなく雰囲気が良い・悪い」といった感覚で語られがちで、人によって捉え方も異なるものです。アンケートや質問項目を使って測定すれば、その状態を数値として客観的に把握でき、メンバーや経営層の間で共通認識を持てるようになります。

また、得られたスコアは改善活動の出発点となる基準値(ベースライン)にもなります。まず現状を正しく可視化することが、心理的安全性を高める取り組みの第一歩といえるでしょう。

改善すべき課題が明確になる

測定結果を細かく見ていくと、組織全体をぼんやり眺めているだけでは気づけなかった課題が浮かび上がります。例えば「ミスを報告しにくい」「反対意見を言いづらい」など、どの観点に弱さがあるのかを具体的に特定可能です。

さらに部署やチームごとに比較すれば、優先的に支援すべき箇所も見えてきます。漠然と「職場を良くしよう」と考えるのではなく、的を絞った効果的な施策を打てる点が、測定する大きなメリットです。

施策の効果を定点観測で検証できる

心理的安全性を高める取り組みは、一度実施して終わりではありません。定期的に測定を繰り返すことで、施策の前後でスコアがどう変化したかを比較でき、その取り組みが本当に効果を上げているかを検証できます。

測定を継続することで、勘や思い込みに頼らず、データにもとづいた改善サイクルを回せるようになります。

心理的安全性の測定方法:7つの質問

心理的安全性を測る代表的な方法が、エドモンドソン教授が考案した7つの質問です。どのようなアンケートなのか、質問項目と回答方法について詳しく見ていきましょう。

7つの質問のアンケート調査項目

各メンバーに以下の質問へ「全くそう思わない」〜「強くそう思う」までの7段階などで回答してもらい、その平均点や合計点からチームの状態を把握します。

  1. チーム内でミスをすると、責められることが多い
  2. チームのメンバー同士で、課題や難しい問題を指摘し合える
  3. チームのメンバーは、異なる考えの人を受け入れないことがある
  4. 今のチームなら、安心してリスクを取ることができる
  5. チームのメンバーには、助けを求めにくい
  6. チーム内には、意図的に他者の足を引っ張る人はいない
  7. チームで働く中で、自分のスキルや才能が活かされ、評価されていると感じる

匿名で回答できるようにすると、より本音に近い結果が得られます。

回答・採点時に注意したい「逆転項目」

7つの質問のうち、1・3・5は「責められる」「受け入れない」「助けを求めにくい」といった否定的な表現で書かれた逆転項目です。これらの逆転項目は「そう思わない」と回答するほど心理的安全性が高いことを意味するため、集計時には点数を反転させて扱う必要があります。

表現の向きを取り違えると結果を誤って解釈してしまうため、下表で整理しておきましょう。

質問番号表現の向き心理的安全性が高いと判断できる回答
2・4・6・7肯定的な質問「そう思う」と回答するほど高い
1・3・5否定的な質問(逆転項目)「そう思わない」と回答するほど高い

心理的安全性の測定方法:アンケート以外の測り方

アンケート調査は手軽に定量化できる一方で、回答者が本音を書きにくいといった限界もあります。そこで併せて取り入れたいのが、日常の様子から状態を読み取るアプローチです。

アンケート調査以外で心理的安全性を測る、4つの方法をご紹介します。

  • 1on1や面談での対話から把握する
  • 会議でのメンバーの様子を観察する
  • 問題の報告状況から読み取る
  • 既存データを活用する

1on1や面談での対話から把握する

上司と部下がマンツーマンで行う1on1ミーティングは、心理的安全性を把握する有効な機会です。会議の場では言いにくい不安や不満、業務上の悩みなどを率直に話せているかどうかは、関係性の安全度を映し出します。

メンバーが当たり障りのない報告に終始したり、本音を避けたりする場合は、安心して話せる状態になっていない可能性があります。逆に、失敗やうまくいっていないことを自分から打ち明けられているなら、良い兆候といえるでしょう。

会議でのメンバーの様子を観察する

日常の会議は、チームの心理的安全性が表れやすい場です。特定の人ばかりが話していないか、若手や立場の弱いメンバーが発言できているか、反対意見や疑問が自然に出てくるかといった点に注目しましょう。

誰も異論を唱えず沈黙が多い会議は、一見スムーズに見えても、本音を言いにくい空気がある証拠かもしれません。発言量の偏りや質問・反論の出やすさを意識して観察することで、アンケートでは見えにくいリアルな状態を掴めます。

問題の報告状況から読み取る

意外に思えるかもしれませんが、心理的安全性が高いチームほど、ミスやトラブルが多く報告される傾向があります。これは問題が増えているのではなく、隠さずに共有できる風土が育っている証拠です。

逆に報告がほとんど上がってこない場合、問題が起きていないのではなく、「言ったら責められる」と感じて表面化していないだけ、というケースが少なくありません。エドモンドソン教授の研究もこの点を示しており、報告の量や上がり方は心理的安全性を測る有力なサインになります。

既存データを活用する

新たに測定の仕組みを用意しなくても、すでに社内にあるデータから状態を推し量ることが可能です。例えば離職率や欠勤率が高い、特定のチームだけ人が定着しないといった傾向は、心理的安全性の低さを示唆している場合があります。

また、定期的に実施しているエンゲージメント調査やストレスチェックの結果も、間接的な手がかりになります。これらの既存指標は単独で断定できるものではありませんが、ほかの方法と組み合わせることで、より立体的に現状を把握できるのです。

心理的安全性の測定結果の分析方法

心理的安全性は、測定して数値を出すだけでは意味がありません。その結果をどう分析するかで、次に打つべき施策の精度が大きく変わります。

測定結果を正しく分析し、改善につなげるための視点について解説します。

  • 全体のスコアから現状のレベルを把握する
  • 質問項目ごとに分析して弱点を特定する
  • 属性ごとに比較して課題のありかを探る
  • 経年で比較し、施策の効果を検証する
  • 定量/定性データを組み合わせて解釈する

全体のスコアから現状のレベルを把握する

分析の第一歩は、測定で得られた点数を平均値や合計値にまとめ、チーム全体の状態を大まかに掴むことです。

ただし、心理的安全性には「何点以上なら安全」といった絶対的な基準が存在しません。そのため、調査で公表されている一般的な目安や、自社の過去データと照らし合わせ、相対的に「高いのか低いのか」を判断することが大切です。

一回限りの数値で良し悪しを決めつけず、比較できる基準を持っておくことを意識しましょう。

質問項目ごとに分析して弱点を特定する

全体スコアだけを見ていると「なんとなく低い」で終わってしまいがちです。そこで、質問項目ごとにスコアを分解して見ていきましょう。

例えば「ミスを報告しにくい」の点数だけが極端に低ければ、失敗を共有しづらい風土に課題があると分かります。「助けを求めにくい」が低ければ、相談しづらさが問題かもしれません。

このように設問単位で弱点を特定すれば、どの側面を重点的に改善すべきかが具体的に見えてきます。

属性ごとに比較して課題のありかを探る

同じ会社でも、心理的安全性の状態は部署やチームによって大きく異なります。そこで、組織全体を一括で見るのではなく、チーム・役職・年代・勤続年数といった属性ごとに分けて比較してみましょう。

例えば「若手だけスコアが低い」「特定の部署だけ突出して低い」といった偏りが見えてくれば、優先的に手を打つべき対象が明確になります。平均だけを見ていると見逃してしまう課題を、属性別の分析であぶり出すことができます。

経年で比較し、施策の効果を検証する

心理的安全性の測定は、一度きりで終わらせず定期的に繰り返すことに価値があります。複数回の結果を時系列で並べると、取り組みの前後でスコアがどう変化したかが見え、施策が効果を上げているかどうかを検証できます。

順調に数値が伸びていれば取り組みは正しい方向にあると判断でき、変化がない、あるいは下がっている場合は、アプローチそのものを見直すきっかけになります。

定量/定性データを組み合わせて解釈する

アンケートのスコアは、あくまで現状を映す一面にすぎません。スコアの背景にある「なぜそうなっているのか」を理解するには、対話で得た定性データを組み合わせることが欠かせません。

例えば、アンケートで低い数値が出た原因を、1on1ミーティングでの対話や会議での様子といった観察から補って解釈します。数字と現場の実感を照らし合わせることで、表面的な点数に振り回されず、より的確で納得感のある改善策につなげられます。

心理的安全性を測定する際の注意点

心理的安全性の測定は、進め方を誤ると正確な結果が得られないばかりか、かえってメンバーの信頼を損なうこともあります。せっかくの測定を無駄にしないために、押さえておきたい注意点を見ていきましょう。

  • 匿名性を確保し、本音を引き出す
  • 測定の目的を事前に共有する
  • 結果を評価や処遇に結びつけない
  • 回答バイアスに注意する

匿名性を確保し、本音を引き出す

心理的安全性の測定で最も重要なのが、匿名性の確保です。

誰が何と答えたかが分かる状態では、メンバーは不利益を恐れて本音を書けず、当たり障りのない回答に偏ってしまいます。回答者個人が特定されない仕組みを整えたうえで、「個人を特定する目的ではない」と明確に伝えましょう。

特に少人数のチームでは、属性の組み合わせから個人が推測されやすいため、集計の単位や設問にも配慮が必要です。安心して答えられる環境こそが、正確な測定の土台になります。

測定の目的を事前に共有する

何のために測定するのかを伝えないまま実施すると、メンバーは警戒して回答が歪んでしまいます。そうならないよう、調査の前に目的をきちんと共有しておきましょう。

「職場をより良くするための現状把握であ」と明確に伝えることで、メンバーは安心して協力でき、より実態に近い結果が得られます。目的の共有は、回答の質を左右する大切なステップです。

結果を評価や処遇に結びつけない

測定結果を人事評価や昇進・賞与の判断材料に使うのは避けるべきです。スコアが評価に直結すると分かれば、メンバーは実態より良く見せようと取り繕い、管理職も自部署を良く見せようと圧力をかけかねません。

その結果、数値は実態から離れ、率直に物を言える風土という本来の目的とは正反対の状況を招きます。

回答バイアスに注意する

測定で得られたスコアを、そのまま実態と捉えすぎないことも大切です。

心理的安全性がもともと低い職場では、たとえ匿名であっても不安が残り、本音が出にくくなります。その結果、実際よりも良い数値が出てしまうことがあります。

スコアが高いからといって安心せず、1on1ミーティングや日常の観察で得た実感と照らし合わせ、数字の裏側にある状態を読み取る姿勢が必要です。

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まとめ

本記事では、心理的安全性の代表的な測定方法をはじめ、アンケート以外の測り方、測定結果の分析方法、実施時の注意点までを解説しました。

心理的安全性は、7つの質問によるアンケートだけでなく、1on1や会議での観察、ミスの報告状況など、さまざまな方法で測ることができます。大切なのは測って終わりにせず、匿名性の確保といった注意点を守りながら結果を正しく分析し、改善につなげることです。

まずは自社の現状を可視化することが、より良いチームづくりの第一歩になるでしょう。

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この記事を書いた人

AME&Company編集部

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