2026/08/03
人材育成OJT期間中の面談で聞くことは?質問例や進め方のコツ、よくある課題も解説

新入社員の育成を担うOJTでは、日々の業務指導と並行して面談の場を設けることが一般的です。しかし、いざ担当になると「何を聞けばいいのかわからない」「毎回同じ話題になってしまう」と悩んでしまうことは少なくありません。
本記事では、OJT期間中の面談の種類と実施すべきタイミングを整理したうえで、そのまま使える質問例と避けたいNG質問、面談を有意義な時間にするための進め方のコツを解説します。新入社員との面談の進め方に悩んでいたOJTトレーナーはもちろん、OJTの運用に課題を感じていた方もぜひ参考にしてください。
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OJTで行う面談の種類と目的
OJT期間中に行われる面談は、一種類ではありません。「OJT面談」という呼び方が使われることもありますが、明確に定義された用語ではなく、実際には実施者も目的も異なる複数の面談が混在しています。
まずは代表的な4つのパターンに分けて、それぞれの役割を整理しておきましょう。
- ①OJTトレーナー×新入社員の面談
- ②人事担当者×新入社員の面談
- ③OJTトレーナー×上司の面談
- ④上司×OJTトレーナー×新入社員の三者面談
①OJTトレーナー×新入社員の面談
OJT期間中の面談として最も一般的なのが、指導役であるOJTトレーナーと新入社員がマンツーマンで行う面談です。週1回〜月1回程度の頻度で、業務の進捗確認や課題の把握、次の目標設定などを行います。
日々の業務のなかで最も距離が近い相手との面談であるため、細部にまで踏み込んだ具体的なやり取りができる点が特徴です。一方で、関係性が近いからこそ雑談や進捗報告だけで終わりやすく、意識的に振り返りの時間を設けることが求められます。
②人事担当者×新入社員の面談
人事担当者が新入社員と直接行う面談で、一般的にはフォローアップ面談と呼ばれます。入社1か月後、3か月後、6か月後など節目のタイミングで実施され、配属先での適応状況や職場に対する不安・不満を把握することが主な目的です。
現場のOJTトレーナーには話しづらい人間関係の悩みや、キャリアに関する迷いを拾える点が最大の役割といえます。離職の兆候を早期に察知する機能も担うため、現場任せにせず人事が主体的に設計する必要があります。
③OJTトレーナー×上司の面談
新入社員を指導するOJTトレーナーと、その上司との間で行う面談です。月1回〜四半期に1回程度、新入社員の育成状況を共有するとともに、トレーナー自身が抱える負担や指導上の悩みを確認します。
見落とされやすい面談ですが、OJTトレーナーの多くは通常業務と並行して指導を担っており、支援がないまま孤立すると育成の質が大きく低下します。新入社員だけでなく、教える側を支える仕組みとして位置づけることが重要です。
④上司×OJTトレーナー×新入社員の三者面談
上司・OJTトレーナー・新入社員の三者が同席して行う面談です。OJT開始時の目標設定や期末の振り返りなど、節目のタイミングに限定して実施されるのが一般的です。
三者の認識を一度に揃えられるため、OJTトレーナーと上司で期待水準が食い違うといったズレを防げます。ただし新入社員にとっては複数の評価者に囲まれる場となり、緊張から本音が出にくくなります。
OJTで面談を実施すべきタイミング
OJT期間中の面談は、必要に応じて実施するだけでは十分な効果を得られません。開始前・期間中・終了時では面談の目的が大きく異なり、それぞれに適した内容を設計しておく必要があります。
いつ・何を確認すべきかを整理して、面談が形骸化するのを防ぎましょう。
- 面談を行う頻度の目安
- OJT開始前|目標と期待値のすり合わせ
- OJT期間中|進捗や状態の定期確認
- OJT終了時|振り返りと次の目標設定
面談を行う頻度の目安
面談の頻度に決まった正解はありませんが、目安としては配属直後は週1回、業務に慣れてきた時期は隔週から月1回程度が一般的です。所要時間は15分〜30分程度でも十分機能します。
重要なのは1回あたりの長さよりも、間隔を空けすぎないことです。月1回でも実施していれば軌道修正が効きますが、四半期に1回では問題の発見が遅れます。
OJT開始前|目標と期待値のすり合わせ
OJTを始める前の面談では、育成の目標と期待値をすり合わせます。どのような状態を目指し、いつまでに何ができるようになってほしいのかを具体的に伝えたうえで、新入社員本人の希望や不安も併せて確認します。
認識を揃えておかないと、その後の面談が場当たり的な進捗確認に終始し、指導する側とされる側で評価の基準がずれる原因になります。育成計画を共有し、面談の頻度や進め方についてもこの段階で伝えておくと、以降の運用がスムーズになります。
OJT期間中|進捗や状態の定期確認
OJTが始まってからは、定期的に面談の場を設けて進捗と状態の両方を確認します。担当業務の習得度やつまずいている点といった業務面に加え、疲労の度合いや職場の人間関係など、本人のコンディションにも目を向けることが大切です。
間隔が空きすぎると問題の発見が遅れ、気づいたときには本人が離職を考えていたという事態にもなりかねません。短時間でも定期的に実施し、日々の業務のなかでは言い出しにくいことを話せる場として機能させます。
OJT終了時|振り返りと次の目標設定
OJT期間の終了時には、開始前に設定した目標がどこまで達成できたかを振り返ります。
重要なのは、達成度を評価するだけの場で終わらせないことです。この期間でできるようになったことを本人の言葉で語ってもらい、成長を実感してもらったうえで、次の目標へとつなげます。
課題が残った点についても、本人の努力不足として片づけるのではなく、次の期間でどのように克服していくかを一緒に考える姿勢が求められます。
OJTで面談を行う際によくある課題
OJT期間中の面談は多くの企業で実施されていますが、期待した効果が得られていないという声も少なくありません。担当者が個人で工夫するだけでは解決しにくく、仕組みとして手当てが必要な課題も含まれます。
現場で実際に起こりやすい5つの課題を取り上げ、それぞれどこに原因があるのかを解説します。
- 何を話せばいいかわからない
- 雑談や進捗報告だけで終わってしまう
- 新入社員が本音を話してくれない
- 面談の質にばらつきが出る
- 面談の記録が残らない
何を話せばいいかわからない
初めてOJTトレーナーを任された社員に多いのが、面談で何を話せばよいのかわからないという悩みです。進め方を教わる機会がないまま担当になるケースは珍しくなく、結果として毎回「困っていることはないか」と尋ねるだけの場になりがちです。
同じ質問が繰り返されると新入社員側も答えに窮し、面談そのものが負担になっていきます。そのため、時期に応じて聞くべきことをあらかじめ整理しておくことが有効です。
雑談や進捗報告だけで終わってしまう
面談は実施しているものの、近況の共有や業務の進捗確認だけで終わってしまうケースです。場の雰囲気は和やかでも、振り返りや次の目標設定にまで至らなければ、育成の機会としては十分に機能していません。
日々の業務では扱わないテーマを意識的に取り上げ、面談ならではの時間として設計することが求められます。
新入社員が本音を話してくれない
OJTトレーナーが問いかけても「大丈夫です」「特にありません」といった返答しか返ってこない、という課題もよく聞かれます。新入社員にとってOJTトレーナーは評価に関わる存在でもあり、否定的な受け止めをされることを懸念して、本音を伝えづらいのは自然なことです。
沈黙が続くと質問を重ねてしまいがちですが、かえって萎縮させる結果になりかねません。
面談の質にばらつきが出る
同じ時期に配属された新入社員でも、誰が指導を担当するかによって成長の度合いに差が生じることがあります。面談の頻度や踏み込む深さがOJTトレーナー個人の裁量に委ねられているためで、指導経験や本人の忙しさによって内容が左右されます。
育成の質が属人化している状態といえます。確認すべき項目をあらかじめ共通化し、誰が担当しても一定の水準を保てる状態にしておくことが必要です。
面談の記録が残らない
面談の内容がOJTトレーナー個人の手元にしか残っていない、あるいは記録自体を取っていないというケースです。記録がなければ、半年後の評価時にどのような成長があったのかを具体的に振り返れません。
担当者の異動によって、それまでの経緯がわからなくなることもあります。面談を単発の対話で終わらせず、育成の履歴として蓄積していくためには、記録の形式と保管方法を組織として決めておく必要があります。
OJT期間中の面談で聞くことは?質問例
OJT期間中の面談で聞くべきことは、業務の進捗だけではありません。困りごと、コンディション、成長実感、今後の目標といった複数の視点から確認することで、育成の場として機能します。
実務でそのまま使える質問例を紹介しますので、時期や状況に応じて取捨選択してください。
- 業務の進捗や習得状況に関する質問
- 困りごとを引き出す質問
- 職場環境に関する質問
- 振り返りと成長実感を促す質問
- 今後の目標に関する質問
業務の進捗や習得状況に関する質問
面談の導入として最も入りやすいのが、業務の進捗に関する質問です。事実を確認する内容が中心となるため、新入社員も答えやすく、その後の対話の土台になります。
ポイントは、業務を具体的に特定して聞くことです。担当した業務名や期間を限定することで、具体的な状況が見えてきます。
困りごとを引き出す質問
「困っていることはありませんか?」と聞いても、多くの場合「特にありません」と返ってきます。新入社員にとっては、何が問題なのかを自分で判断できる段階になく、そもそも困りごととして言語化できていないためです。
質問の範囲を狭め、期間や業務を限定して聞くと具体的な事実が出てきやすくなります。また、本人の能力を問う形ではなく、業務の進め方や環境に焦点を当てた聞き方にすることで、答える心理的な負担を減らせます。
職場環境に関する質問
業務面だけでなく、コンディションや人間関係の状況を確認することも面談の重要な役割です。
ただし、私生活に踏み込みすぎると詮索と受け取られかねません。答えたくないことは話さなくてよいと伝えておくことで、かえって率直な回答が得られる場合もあります。
人間関係については個人を評価する形にならないよう、聞き方に配慮しましょう。
振り返りと成長実感を促す質問
新入社員は日々の業務に追われ、自分がどれだけ成長したかに気づきにくい状態にあります。トレーナーの側から「成長したね」と伝えることも大切ですが、本人の言葉で語ってもらう方が実感につながります。
できるようになったことを具体的に思い出してもらい、その要因まで掘り下げると、次の業務にも応用できる学びになります。うまくいかなかった経験についても、失敗として終わらせず、何を学んだかという視点で振り返ってもらいましょう。
今後の目標に関する質問
面談の締めくくりとして、次に何を目指すかを確認します。
OJTトレーナーが一方的に目標を設定してしまうと、やらされ感につながります。本人に考えてもらったうえで、必要に応じて水準を調整する進め方が望ましいでしょう。
直近1か月程度の短期目標と、半年から1年先を見据えた中期的な視点の両方を扱うと、日々の業務と将来像がつながります。目標達成に向けて周囲がどう支援できるかまで確認しておくと、次回の面談での振り返りがしやすくなります。
OJT期間中の面談で聞いてはいけないNG質問例
- 抽象的で答えづらい質問
- 詰問や評価と受け取られる質問
- プライベートに踏み込みすぎる質問
抽象的で答えづらい質問
面談で最も多いのが、質問の範囲が広すぎて答えようがないケースです。「最近どう?」と聞かれても、何について答えればよいのか判断できず、無難な返答に落ち着いてしまいます。
「大丈夫?」と聞かれれば、多くの新入社員は「大丈夫です」と答えます。本人が問題を認識していない場合もあるため、範囲を絞って具体的に答えられる形に置き換えることが重要です。
詰問や評価と受け取られる質問
原因を確認するつもりの質問が、責任を追及しているように伝わることがあります。「なぜ」で始まる問いかけは、事実確認の意図であっても、受け手には非難として届きやすい表現です。
また、同期や他のメンバーと比較する言い方も、本人の意欲を損ないます。面談は評価を伝える場ではなく状況を把握する場である以上、原因ではなく次の行動に焦点を当てた聞き方に切り替えることが有効です。
プライベートに踏み込みすぎる質問
信頼関係を築こうとする意図から、私生活の話題に触れる場面もあります。しかし、交際状況や家族構成、住まいなどに関する質問は、本人が答えたくないと感じても断りにくく、ハラスメントと受け取られる可能性があります。
特に採用や配置に関わる立場からの質問は、慎重に扱うべき領域です。コンディションを確認する目的であれば、私生活の内容そのものではなく、業務への影響という観点から尋ねる形に置き換えられます。
OJT期間中の面談の進め方のコツ
同じ質問を投げかけても、面談の進め方によって得られる答えは大きく変わります。特に新入社員にとっては、上司や先輩と一対一で話す機会そのものに緊張が伴います。
有意義な面談にするために意識したい、進め方のポイントを見ていきましょう。
- 事前にテーマを共有しておく
- 話しやすい場と雰囲気をつくる
- OJTトレーナーが話しすぎないよう意識する
- 面談内容を記録して次回につなげる
事前にテーマを共有しておく
面談の日時だけを伝えて当日を迎えると、新入社員は何を話す場なのかわからないまま臨むことになります。身構えたまま始まるため、その場で考えながら答えることになり、表面的なやり取りに終わりがちです。
少なくとも数日前には、当日話したいテーマを簡単に伝えておきましょう。業務の進捗を振り返りたいのか、今後の目標を一緒に考えたいのかがわかれば、本人も事前に整理して臨めます。
面談シートを事前に共有し、記入したうえで参加してもらう方法も有効です。
話しやすい場と雰囲気をつくる
まず場所は、周囲に会話が聞こえない環境を選びましょう。執務スペースで行うと、本人が周囲を気にして踏み込んだ話ができません。
開始時には、この場が評価のためではなく状況を把握し支援するためのものであることを、あらためて言葉で伝えてください。冒頭からいきなり本題に入らず、業務の合間の様子や体調に軽く触れてから進めると、自然に会話が始まります。
OJTトレーナーが話しすぎないよう意識する
面談後に「よい話ができた」と感じるとき、実際にはOJTトレーナーばかりが話していたというケースは少なくありません。相手のためを思って助言や自身の経験を伝えるうちに、気づけば説明の場になっているパターンです。
目安として、話す割合はOJTトレーナーが3割、新入社員が7割程度を意識してください。相手が考えている途中で言葉を挟まず、沈黙が続いても数秒待つことが大切です。
助言は相手の話を最後まで聞いたうえで、必要な場面に絞って伝えましょう。
面談内容を記録して次回につなげる
面談は一度きりの対話ではなく、積み重ねることで育成の効果が高まります。そのためには、話した内容を記録に残すことが欠かせません。
確認した進捗、本人が挙げた課題、次回までの目標を書き留めておけば、次の面談の冒頭で前回の内容を振り返るところから始められます。記録があることで、半年後の評価の際にも具体的な成長の過程を示せるようになります。
個人のメモとして手元に残すのではなく、記録する項目をあらかじめ決めておくことが重要です。
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まとめ
本記事では、OJT期間中の面談の種類や、実施すべきタイミング、そのまま使える質問例と避けたいNG質問、面談を有意義な時間にするための進め方のコツについて解説しました。
OJT期間中の面談を有意義な時間にするには、聞くべきことをあらかじめ整理しておくことが欠かせません。業務の進捗だけでなく、困りごとやコンディション、成長実感や今後の目標まで、複数の視点から確認することで育成の場として機能します。
あわせて、答えにくい質問や詰問と受け取られる聞き方を避け、話しやすい場を整えることも重要です。面談の内容を記録し、次回につなげていくことで、一度きりの対話ではなく育成の積み重ねになります。































