2026/07/07
人材育成OKRの目標設定の方法は?具体例を交えて個人・チームの立て方を解説

OKRは、組織から個人までの目標を連動させ、チーム全体を同じ方向へ導く強力なフレームワークです。しかし、立て方の基本を押さえていないと、せっかくのOKRも形だけのものになってしまいます。
本記事では、OKRの目標設定の方法や具体的な手順をわかりやすくまとめました。さらに、個人・チーム・組織それぞれのOKRの立て方を、具体例や注意点とともに紹介しています。
OKRの目標設定の方法や具体例を知りたかった方は、ぜひ本記事を役立ててください。
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OKRとは?
OKR (Objectives and Key Results)とは、「目標(Objectives)」と、その達成度を測る「達成指標(Key Results)」をセットで設定し、組織・チーム・個人の取り組みを管理するフレームワークです。
1つの目標に対して数個の成果指標を紐づけるのが基本で、全社から個人までを同じ方向に向かわせられる点が特徴です。
目標管理の手法としてはMBOやKPIもありますが、OKRは高い目標への挑戦を促し、組織全体の方向性を揃えることに重きを置く点で性格が異なります。
OKRの目標設定が重要な理由
OKRによる目標設定には、単に目標を管理する以上の効果があります。OKRの目標設定が組織にとって重要とされる理由を詳しく見ていきましょう。
- 組織全体の目標と個人の行動が連動する
- 優先順位が明確になる
- 挑戦的な目標が成長を促す
組織全体の目標と個人の行動が連動する
OKRの大きな特徴は、全社の目標から各部署、チーム、個人の目標までを一本の線でつなげられる点です。上位の目標を起点に下位のOKRを設定していくことで、一人ひとりの日々の業務が組織全体の目標達成にどう貢献しているのかが明確になります。
自分の仕事の意味や位置づけが見えると、チームメンバーは納得感を持って取り組めるようになり、組織としても足並みをそろえて同じ方向に進めます。
優先順位が明確になる
OKRでは設定する目標の数をあえて絞り込むため、最も注力すべきことが自然と明確になります。あれもこれもと手を広げて成果が分散してしまう状態を防ぎ、限られた時間や人員といったリソースを重要な目標に集中できます。
また、目標が明文化されていることで、新しい業務が発生したときにも「これはOKR達成に貢献するか」という判断軸が生まれるでしょう。
挑戦的な目標が成長を促す
OKRでは、確実に達成できる目標ではなく、あえて少し高めの挑戦的な目標を掲げることが推奨されます。100%の達成が前提ではないため、メンバーは失敗を恐れず大きな目標に向かってチャレンジできます。
現状の延長線上にとどまらない背伸びした目標設定が、組織のポテンシャルを引き出し、これまでにない成果を生み出す原動力になるのです。
OKRの目標設定における4つの基本原則
OKRは、ただ目標と達成指標を決めれば良いわけではありません。効果を発揮させるには、いくつかおさえておくべき原則があります。
OKRを設定する際に意識したい、4つの基本原則を紹介します。
- ①目標(O)は定性的かつ挑戦的に
- ②達成指標(KR)は定量的に設定する
- ③目標の数を絞り込む
- ④全社で共有して透明性を保つ
①目標(O)は定性的かつ挑戦的に
目標(O)は、チームや個人が「どこを目指すのか」を示す定性的な目標です。数値ではなく言葉で表現し、メンバーが読んだときにワクワクし、目指す方向をイメージできるような魅力的な表現が理想とされます。
さらに、簡単に達成できる無難な内容ではなく、少し背伸びが必要な挑戦的な目標を掲げる点も重要です。現状の延長ではない高い目標を言語化することで、メンバーのモチベーションを引き出し、組織を前進させる推進力となります。
②達成指標(KR)は定量的に設定する
達成指標(KR)は、目標の達成度を測るための具体的な成果指標です。「頑張る」「強化する」といった曖昧な表現ではなく、数値で測定できる形にすることが原則です。
たとえば「問い合わせ件数を月100件に増やす」のように、誰が見ても達成・未達を判断できる基準を設けましょう。1つの目標につき2〜5個程度に絞り、達成基準は60〜70%を目安にした挑戦的な水準に設定すると、ストレッチの効いた運用がしやすくなります。
③目標の数を絞り込む
OKRでは、設定する目標の数をあえて少なく保つことが大切です。目標が多すぎると注力すべきポイントが分散し、結局どれも中途半端な結果に終わってしまいます。
一般的には、1つの期間で目標(O)は1〜3個、それぞれに紐づく達成指標(KR)は2〜5個程度が目安です。数を絞ることで「いま本当に重要なことは何か」が明確になり、限られたリソースを集中投下できます。
④全社で共有して透明性を保つ
OKRは経営層〜現場まで、誰もが互いの目標を見られる状態にしておくことが原則です。全員のOKRをオープンにすることで、各自の目標がどうつながっているのかが可視化され、部署を越えた連携や協力が生まれやすくなります。
また、上位の目標が見えていれば、メンバーは自分の業務が組織全体にどう貢献するのかを理解したうえで動けます。透明性の確保は、組織の一体感を高め、OKRを形骸化させないための土台となるのです。
OKRの基本的な設定方法
OKRは、思いつきで立てるのではなく、一定の手順に沿って設定することで効果を発揮します。OKRの基本的な設定方法を4つのステップに分けて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
- Step1:上位のOKRを確認する
- Step2:目標(O)を設定する
- Step3:達成指標(KR)に分解する
- Step4:定期的に振り返って見直す
Step1:上位のOKRを確認する
OKRを設定する際は、まず自分より上位のOKRを確認することから始めましょう。組織のOKRはチームへ、チームのOKRは個人へと段階的に連動させるため、上位の目標を把握していないと方向性のずれた目標を立ててしまいます。
個人であれば所属チームのOKRを、チームであれば全社のOKRを確認し、「上位の目標達成に自分たちは何で貢献できるか」という視点を持つことが、後のステップの土台になります。
Step2:目標(O)を設定する
上位のOKRを踏まえ、自分たちが目指す目標(O)を設定します。この期間で達成したい状態を、メンバーがワクワクするような定性的な言葉で表現するのがポイントです。
数値は次のステップで扱うため、ここでは「何を実現したいのか」という方向性に集中します。簡単に達成できる無難な内容ではなく、少し背伸びの必要な挑戦的な目標を1〜3個程度掲げることで、チームの力を最大限に引き出せます。
Step3:達成指標(KR)に分解する
設定した目標(O)に対して、達成指標(KR)を分解します。「目標が達成された状態とは、具体的にどんな数値で表せるか?」を考え、2〜5個程度の指標に落とし込みましょう。
達成指標は誰が見ても判断できるよう定量的にし、達成基準は60〜70%を目安にした挑戦的な水準に設定します。さらに、各KRを達成するために何をするのか、具体的な行動レベルまで考えておくと実行に移しやすくなります。
Step4:定期的に振り返って見直す
OKRは設定して終わりではなく、定期的に振り返ることで効果を発揮するものです。
週次や月次で進捗を確認し、達成度や課題を共有することで、軌道修正やメンバー間の連携がしやすくなります。そして四半期などの区切りでは、結果を評価し、次のOKRへと学びを引き継ぎます。
未達だった場合もその原因を分析し、目標設定や進め方の改善につなげることが大切です。
【具体例】組織のOKRの立て方
組織のOKRは、すべてのOKRの起点となる最上位の目標です。
経営層が中心となり、「会社として、この期間で何を達成するのか」を全社の方向性として示します。組織OKRが明確であればこそ、チームや個人がそこに連動した目標を立てられます。ここでは、ある人材紹介会社を例に見てみましょう。
組織のOKRの具体例とポイント
目標(O):求職者・企業の双方から選ばれる人材紹介会社になる
最上位の目標は、売上などの単一指標だけでなく、事業の健全性を多角的に捉えることがポイントです。人材紹介ビジネスは「求職者」と「企業」の両方がそろって成り立つため、片方に偏らない指標設計を意識しましょう。
成約数(規模)、求職者満足度(質)、リピート率(企業からの信頼)、売上高(収益)と、複数の角度から成果を捉えることで、バランスの取れた成長を目指せます。
組織のOKRを立てるときの注意点
組織のOKRは影響範囲が大きいため、現場の納得感を欠くと一気に形骸化します。トップダウンで一方的に決めるのではなく、各部門の責任者を巻き込みながら設定すると、後のチーム・個人OKRへの落とし込みがスムーズになります。
また、欲張って目標を増やしすぎると全社のリソースが分散するため、1〜3個に絞り込みましょう。
【具体例】チームのOKRの立て方
チームのOKRは、組織のOKRを受けて「自分たちのチームは、何で全社の目標達成に貢献するのか」を表したものです。組織のOKRの達成指標(KR)の一部を、チームが担う目標(O)として引き受けるイメージを持つと立てやすくなります。
ここでは、企業側を担当する法人営業チームを例に見てみましょう。先ほどの組織OKRにあった「成約数」と「企業のリピート率」に貢献する想定です。
チームのOKRの具体例とポイント
目標(O):企業に「またお願いしたい」と思われる採用支援の実現
チームの目標は、上位の組織OKRとつながっているかを必ず確認します。以下の具体例では「求人案件を増やし、マッチング精度を高める」ことが、全社の「成約数」と「リピート率」の向上に直結しています。
新規開拓(取引社数)と既存深耕(1社あたり成約数)の両輪で、組織が掲げる成約数とリピート率の目標を下支えする構成です。
チームのOKRを立てるときの注意点
チームOKRでありがちな失敗が、達成指標(KR)がタスクになってしまうことです。
たとえば「企業に100件アプローチする」はタスクであり成果ではありません。「アプローチの結果どうなったか(取引社数・成約数など)」を指標に据えましょう。
また、求職者側を担当するチームとの連携が必要な目標は、関係するチームと事前にすり合わせておくと、部署間の足並みがそろいます。
【具体例】個人のOKRの立て方
個人のOKRは、所属するチームのOKRを受けて、「一人ひとりが、チームの目標達成に何で貢献するのか」を表したものです。自分の役割や強みを踏まえ、チームOKRの一部を担う形で設定します。
職種によって貢献の仕方は異なるため、2つの職種の具体例を紹介します。
個人のOKRの具体例とポイント
目標(O):担当企業の採用成功を導くパートナーになる
法人営業チームの一員として、担当する企業との関係構築を通じて「取引社数」と「成約数」に貢献するケースです。
目標(O):求職者の理想のキャリアを実現するアドバイザーになる
キャリアアドバイザーとして、求職者の支援を通じて「成約数」と「求職者満足度」に貢献するケースです。
個人のOKRを立てるときの注意点
個人のOKRは、必ずチームのOKRとの紐づきを意識して設定します。チームの目標と無関係な、自分のやりたいことだけを並べた目標にならないよう注意しましょう。
一方で、上から割り当てるのではなく、本人が主体的に設定することも大切です。「チームへの貢献」と「自身の成長・納得感」を両立できると、モチベーション高く取り組めます。
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まとめ
本記事では、OKRの目標設定の方法や手順、具体例、注意点について解説しました。
OKRは、組織・チーム・個人の目標を連動させ、全員を同じ方向へ導くフレームワークです。効果を発揮させるには、目標(O)を挑戦的に、達成指標(KR)を定量的に設定し、目標を絞り込んだうえで全社に共有することが大切です。
そして上位の目標から順に落とし込み、定期的な振り返りを重ねていきましょう。まずは自分やチームの目標を、今回紹介した具体例を参考に書き出してみることから始めてみてください。
































