2024/09/03
人材育成エンゲージメントサーベイとは?意味や質問項目の例、注意点も解説
企業が従業員の満足度やエンゲージメントを把握し、効果的な改善策を講じるためには、エンゲージメントサーベイの実施が不可欠です。しかし、「具体的にどのような調査をするのかわからない…」「何を質問するべきか迷ってしまう…」という方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、エンゲージメントサーベイについて詳しく解説しています。エンゲージメントサーベイの意味や目的、期待できる効果、質問項目の例、実施する際の注意点も解説していますので、ぜひお役立てください。
エンゲージメントサーベイの効果的な活用法を理解し、より良い職場環境の構築に役立てましょう。
エンゲージメントサーベイとは?意味や違いについて解説
まずはエンゲージメントサーベイとは何なのか、次の3つから掘り下げていきましょう。
- エンゲージメントサーベイの意味
- 従業員満足度調査との違い
- パルスサーベイとの違い
エンゲージメントサーベイの意味
エンゲージメントサーベイとは、組織に対する従業員のエンゲージメント(仕事への情熱や会社への帰属意識)を測定するためのアンケート調査です。この調査を通じて、従業員の満足度やモチベーション、会社に対する信頼感などを把握し、企業の課題や強みを明らかにします。
エンゲージメントサーベイの結果は、組織の健康状態を示す重要な指標であり、従業員の意見を反映した改善策を講じるための基礎資料となります。結果を分析して有効に活用すれば、離職率の低下や生産性を向上につながるでしょう。
従業員満足度調査との違い
従業員満足度調査は従業員の仕事に対する満足度や福利厚生、職場環境に対する意見を収集するために行われる調査です。エンゲージメントサーベイと従業員満足度調査の違いは、調査の焦点と目的にあります。
従業員満足度調査は主に、従業員がどれだけ職場に満足しているかを把握し、物理的な職場環境や待遇の改善に役立てることが目的です。一方、エンゲージメントサーベイは、従業員の情熱や会社への帰属意識、モチベーションなど、心理的な側面に焦点を当てています。
パルスサーベイとの違い
パルスサーベイとは、簡易的な調査を短期間で繰り返して、従業員エンゲージメントや満足度の変化を迅速に把握するための調査です。エンゲージメントサーベイとパルスサーベイの主な違いは、調査の頻度と深さにあります。
エンゲージメントサーベイは、通常、年単位などの長期間で実施され、従業員のエンゲージメントの全体像を把握することを目的としています。一方でパルスサーベイは、月に1回や四半期ごとなど短いスパンで実施され、従業員のエンゲージメントの変動を迅速にキャッチするためのものです。
パルスサーベイは短い間隔でのフォローアップを重視しているため、日々の改善に役立つ一方、エンゲージメントサーベイは、組織全体の長期的な戦略や施策の検討に用いられることが多いです。
エンゲージメントサーベイを実施する目的
エンゲージメントサーベイを実施する際、目的を明確にすることが重要です。主な目的としては以下のようなものが挙げられます。
- 組織課題の把握
- 改善策の立案と継続的な実行
- 従業員の意見を反映した企業文化の強化
組織課題の把握
エンゲージメントサーベイの目的として、まず組織内の課題を明確に把握することが挙げられるでしょう。従業員が抱える不満やストレスの要因を把握し、どの部門やチームで特に問題が発生しているかを特定できます。
また、エンゲージメントサーベイは、従業員のモチベーション低下や離職意向の兆候を早期に察知する手段としても有効です。これにより、組織は潜在的な問題を未然に防ぎ、労働環境の改善に向けた適切な対応を行うことが可能となります。
改善策の立案と継続的な実行
エンゲージメントサーベイで得られたデータを基に、具体的な改善策を立案して実行に移すことができます。サーベイの結果は従業員のニーズや組織内の課題を反映しており、これを基にした改善策は効果的である可能性が高いといえるでしょう。
また、エンゲージメントサーベイは定期的に実施されることが一般的であり、改善策の効果を継続的にモニタリングし、必要に応じて修正や追加の対応を行うことができます。結果的に、組織のエンゲージメント向上に繋がるのです。
従業員の意見を反映した企業文化の強化
従業員の意見や感情を組織の意思決定に反映させることも、エンゲージメントサーベイの目的の一つとなります。従業員のフィードバックを基に企業文化を強化し、より従業員にとって働きやすい環境を作り上げることが可能です。
エンゲージメントサーベイを通じて、従業員が会社の価値観やビジョンに共感しやすくなり、企業全体のエンゲージメントが向上します。さらに、従業員が自分の意見が尊重されていると感じることで、会社への帰属意識が高まり、組織全体の結束力が強化されます。
離職率計算エクセルテンプレート
従業員人数、離職者数などを入力することで年間の離職率を簡易に計算することができます。
無料ダウンロードエンゲージメントサーベイに期待できる効果
エンゲージメントサーベイを実施し、調査結果を基に適切な対策を講じることで様々な効果が期待できます。企業にとっての代表的な効果としては、以下のようなものが考えられるでしょう。
主な効果 | 補足 |
---|---|
離職率の低下 | 従業員の不満や問題を早期に把握し、適切な対策を講じることで、離職率を低下させることができます。従業員が会社に満足し、エンゲージメントが高まることで、長期的な定着が期待されます。 |
生産性の向上 | 従業員のエンゲージメントが向上すると、仕事に対するモチベーションが高まり、結果として生産性が向上します。サーベイの結果を基にした改善策が従業員の効率的な働き方を促進します。 |
組織の一体感の強化 | エンゲージメントサーベイは、従業員が組織の一員としての帰属意識を感じやすくするための重要な手段です。サーベイ結果を基にした施策により、組織全体の一体感や結束力が強化されます。 |
従業員の満足度向上 | 従業員の意見を組織に反映させ、働きやすい環境を作り出すことができます。これにより、従業員の満足度が向上し、企業に対する信頼感が高まります。 |
エンゲージメントサーベイの質問項目の例
エンゲージメントサーベイを実施する際、どのような項目について質問するべきか迷う方も多いでしょう。質問項目の例をご紹介しますので、自社でエンゲージメントサーベイを実施する際の参考にしてください。
- 仕事に対する満足度を測る質問例
- 労働条件や待遇に関する質問例
- 職場内の人間関係に関する質問例
- キャリア形成や人事評価に関する質問例
- 職場環境に関する質問例
仕事に対する満足度を測る質問例
エンゲージメントサーベイでまず注目されるのが、従業員が日々の仕事にどれだけ満足しているかを測る質問です。
仕事に対する満足度は、従業員のモチベーションやパフォーマンスに直結するため、重要な指標となります。従業員が自身の役割や仕事の意義をどう捉えているかを調査し、必要なサポートや調整を行うことで、従業員のエンゲージメントを高めることが可能です。
労働条件や待遇に関する質問例
労働条件や待遇は、従業員のエンゲージメントに直接的な影響を与える重要な要素です。
従業員が現在の労働条件や待遇にどれだけ満足しているかを評価する質問を設けることで、適切な対策を講じることができます。適切な労働条件を整えることで、従業員のエンゲージメントが向上し、長期的な定着が期待されます。
職場内の人間関係に関する質問例
職場内の人間関係は、従業員のエンゲージメントに大きな影響を与える要素です。
良好な人間関係は、働きやすい環境を作り出し、モチベーションを高める要因となります。調査結果を基に、チームビルディング活動やコミュニケーションの改善策を講じることで、職場環境の向上に繋げることができます。
キャリア形成や人事評価に関する質問例
キャリア形成や評価は、従業員が自身の将来をどのように見据えているかを把握するための重要な指標です。
質問を通じて、従業員がキャリアパスや人事評価システムに対してどのように感じているかを評価します。この情報を基に、従業員のキャリアニーズに応じた支援や人事評価制度の見直しを行い、エンゲージメントを高めることが可能です。
職場環境に関する質問例
職場環境は、従業員のエンゲージメントに大きく影響を与える要素です。
快適で支援的な環境は、従業員がより集中して業務に取り組むことを促進します。従業員の職場環境に対する満足度を評価することで、働きやすい環境作りに役立てることができるでしょう。
エンゲージメントサーベイを実施する際の注意点
エンゲージメントサーベイを実施する際、いくつかの注意事項があります。自社で調査をする際は、以下の項目に注意してください。
- 従業員への説明と理解
- 質問項目の適切な選定とバランス
- 個人特定を避けるための匿名性の確保
- 結果の分析とフィードバックのタイミング
- 継続的な実施と改善
従業員への説明と理解
エンゲージメントサーベイを実施する際には、従業員に対してその目的や意義を明確に説明し、理解を得ることが重要です。サーベイの結果がどのように活用されるのか、従業員にどのような利益があるのかを伝えることで参加率が向上し、正直なフィードバックが得やすくなります。
例えば、サーベイを実施する理由や期待する成果、結果をどのように改善策に反映させるのかを説明し、従業員の協力を得ることが成功の鍵となります。また、サーベイ実施後に結果をどのように共有し、対応策を講じるのかについても情報を提供し、信頼関係を築くことも重要です。
質問項目の適切な選定とバランス
エンゲージメントサーベイの質問項目は、従業員のエンゲージメントを正確に評価できるように、適切に選定しバランスよく配置するように注意しましょう。
質問が多すぎると回答者が疲れたり、重要なポイントが見落とされたりする可能性があります。逆に少なすぎると、十分な情報が得られない可能性があるのです。
一般的には、仕事の満足度、職場環境、上司との関係、キャリアの成長など、主要な要素をカバーする質問を含めることが推奨されます。また、質問の形式も多様にし、定量的な評価と定性的なコメントの両方を取り入れることで、より具体的なインサイトを得ることができます。
個人特定を避けるための匿名性の確保
エンゲージメントサーベイの信頼性を高めるためには、回答者の匿名性を確保することが不可欠です。個人が特定される可能性がある場合、従業員が正直なフィードバックを提供することに躊躇するかもしれません。
サーベイの設計段階で、匿名性を保つための仕組みを導入し、回答が誰のものであるかが特定できないようにする必要があります。これには、サーベイのプラットフォームの選定やデータ管理の方法に気を配り、個人情報が漏れないようにすることが含まれます。
また、サーベイの開始時に匿名性の重要性について従業員に説明し、安心して参加できる環境を提供することも大切です。
結果の分析とフィードバックのタイミング
サーベイの結果を適切に分析し、タイムリーにフィードバックを提供することは、エンゲージメントの向上に直結するでしょう。
結果が得られた後は迅速に分析を行い、具体的な課題や改善点を抽出します。その後、フィードバックを従業員に対してわかりやすく共有し、どのようなアクションプランが策定されるのかを説明しましょう。
結果の分析とフィードバックのタイミングが遅れると、従業員の関心や信頼が失われる可能性があります。適切なタイミングでフィードバックを行い、その後の改善活動に繋げることで、従業員のエンゲージメントを高めることが可能です。
継続的な実施と改善
エンゲージメントサーベイは一度実施するだけではなく、継続的に行うことが重要です。定期的にサーベイを実施することで、従業員のエンゲージメントの変化を追跡し、長期的なトレンドを把握することができます。
継続的な実施は、従業員に対して企業の改善への真摯な取り組みを示し、信頼関係を強化するためにも効果的です。また、サーベイの頻度や内容は、組織の状況や従業員のニーズに応じて調整することが推奨されます。
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まとめ
本記事では、エンゲージメントサーベイの意味や目的、期待できる効果、質問項目の例、実施する際の注意点について解説しました。
エンゲージメントサーベイは、従業員のモチベーションや職場環境の改善に向けた貴重な情報を提供するツールです。サーベイを実施することで、組織内の課題を把握し、具体的な改善策を立案することが可能になります。
質問項目の選定や匿名性の確保、フィードバックのタイミングなどに注意を払い、従業員への説明をしっかりと行うことが成功の鍵です。また、サーベイは一度限りではなく、継続的に実施することで、効果的な改善とエンゲージメントの向上を実現できます。
適切な実施と分析を通じて、企業は従業員の満足度を高め、より良い働きやすい環境を作り出すことができるでしょう。