2025/02/12
離職対策若手や新卒の休職が多い職場の特徴は?原因や対策、復職後のケアも解説

近年、若手や新卒社員の休職が増加しており、多くの企業がその対応に悩んでいます。慣れない環境や業務の負担、職場の人間関係など、さまざまな要因が重なり、心身の不調を引き起こしてしまうケースが少なくありません。
本記事では、若手や新卒社員の休職が増える原因と対策について解説しています。若手や新卒社員の休職が多い職場の特徴や予防するための施策例、復職後のケアについてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
若手や新卒が休職する原因は?
休職する原因は人によって様々ですが、特に若手で多いものとしてはどのようなものが考えられるのでしょうか?
厚生労働省が発表した『令和5年 労働安全衛生法(実態調査)の概況』における、若手(20歳未満及び20〜29歳)が仕事や職業生活に関することでストレスを感じた内容は以下のとおりです。
20歳未満 | 20〜29歳 | |
---|---|---|
仕事の量 | 14.9% | 38.1% |
仕事の質 | 5.1% | 24.3% |
対人関係 (セクハラ・パワハラを含む) | 33.3% | 25.1% |
役割・地位の変化等 (昇進・昇格、配置転換等) | 7.3% | 13.3% |
仕事の失敗、責任の発生等 | 83.9% | 48.6% |
顧客、取引先等からのクレーム | 11.8% | 23.6% |
事故や災害の体験 | 3.3% | 0.9% |
雇用の安定性 | 2.9% | 8.4% |
会社の将来性 | 7.1% | 23.4% |
その他の事柄 | 30.8% | 12.3% |
※各数値は「強い不安、悩み、ストレスと感じる事柄がある」労働者を100とした割合
両年齢層で最も多いのが「仕事の失敗、責任の発生等」であり、次点で20歳未満では「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」、20〜29歳では「仕事の量」に対してストレスを感じている割合が多いことがわかります。
一口に若手と言っても、ストレスを感じる要因は様々であるため、休職を予防するには組織が抱える課題に合わせた適切なアプローチが求められるでしょう。
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無料ダウンロード若手や新卒の休職が多い職場の特徴
若手や新卒の休職が多い原因は、職場環境に原因がある可能性もあります。どのような職場が若手や新卒の休職が多いのか、よくある特徴について詳しく見ていきましょう。
- 過度な業務負担とプレッシャー
- 若手へのサポート体制が不十分
- ワークライフバランスが欠如している
- コミュニケーションの不足
過度な業務負担とプレッシャー
若手や新卒社員は、業務に慣れていないことや経験不足から、過度な負担を感じることがよくあります。
特に、大きな責任を早期に負わされる場合や、納期が迫るプロジェクトに追われることが多いと、プレッシャーが重くのしかかります。次第に精神的・肉体的な負担が増し、休職を余儀なくされるケースが増えることとなるのです。
若手へのサポート体制が不十分
若手や新卒社員が仕事に取り組む上で、適切なサポートが欠かせません。しかし、サポート体制が不十分だと不安や孤独を感じやすく、ストレスが溜まりやすいです。
上司や先輩からのフィードバックが少なく、研修やOJTが不十分な環境では自己肯定感が低下しやすく、仕事に対するモチベーションも下がります。
ワークライフバランスが欠如している
若手や新卒社員が休職に至る原因の一つに、ワークライフバランスの欠如があります。
長時間労働や休日出勤が常態化している職場では、仕事とプライベートの切り替えが難しく、心身の健康が損なわれることがあります。
コミュニケーションの不足
職場でのコミュニケーション不足が、若手や新卒社員にとって大きな負担となることは珍しくありません。上司や同僚との意思疎通がうまくいかないと、仕事の進行がスムーズにいかず、孤立感や不安感が増すことがあります。
また、人間関係のトラブルや職場の風通しの悪さも、精神的な負担を引き起こします。円滑なコミュニケーションがないと、休職を選ばざるを得ない状況に陥ることもあるでしょう。
若手や新卒の度重なる休職が企業に与える影響
若手や新卒の休職が多い職場環境を改善しない場合、企業は様々なリスクを抱えることとなります。具体的にどのような影響があるのか、詳しく見ていきましょう。
- 生産性の低下と業務の停滞
- チームの士気が低下する
- 採用や育成コストの増加
- 企業のイメージダウン
生産性の低下と業務の停滞
若手や新卒社員の度重なる休職は、企業の生産性に大きな影響を与えます。休職した社員の業務を他の社員がカバーすることになり、業務の負担が集中するため、効率的な作業が難しくなるものです。
また、休職者の仕事が滞ることで、プロジェクトの進行が遅れたり、納期に間に合わなかったりする可能性も高くなります。次第に企業全体のパフォーマンスが低下し、長期的には業務の停滞を招くこととなるでしょう。
チームの士気が低下する
休職する若手や新卒社員が多いと、チームの士気の低下にもつながります。他のメンバーが休職者の業務を補填しなければならない場合、負担を感じる社員が増え、モチベーションが下がることもあるでしょう。
休職が頻発することで、チーム内での協力や信頼感にも影響が及び、働きやすい環境づくりが難しくなります。社員同士の関係も悪化していき、結果として業務の効率も低下します。
採用や育成コストの増加
若手や新卒社員の休職が続くと、企業は新たな人材を補填する必要があるため、採用活動や研修にかかるコストが増加します。
また、社員の離職や休職による採用や育成の手間が増えることで、時間とリソースが無駄に消費されることになります。特に新卒社員の定着率が低い場合、企業は戦略的な人材管理を見直す必要があり、費用面でも大きな負担となるでしょう。
企業のイメージダウン
度重なる休職が続く企業は、外部からの評価に悪影響を及ぼすことがあります。特に、企業文化や労働環境に問題があると見なされると、求職者から敬遠される原因となり、優秀な人材を採用するのが難しくなるため注意が必要です。
また、社員の健康管理に問題があると認識されることで、企業の社会的評価やイメージも低下します。
若手や新卒の休職が多い職場で取り組みたい対策
先述の通り、若手や新卒の休職が多い状態を改善するには、その職場環境が抱える課題に合わせたアプローチが必要です。もしも具体的な対策や施策が思い浮かばない場合は、以下の取り組みを参考にしてください。
- 業務負担の適正化と段階的な成長支援
- メンター制度やサポート体制の強化
- 円滑なコミュニケーションと職場環境の改善
- ワークライフバランスを考慮した働き方改革
業務負担の適正化と段階的な成長支援
若手や新卒社員に過度な業務負担をかけることは、休職の大きな要因となります。そのため、業務量を適正化し、段階的に成長できる環境を整えることが重要です。
例えば、新人には基本的な業務から始めてもらい、経験を積むごとに徐々に難易度の高い仕事を任せるようにすることで、プレッシャーを軽減できます。また、スキルアップのための研修を実施し、仕事に対する自信を持たせることで、精神的な負担を減らすことができるでしょう。
メンター制度やサポート体制の強化
若手社員が安心して働ける環境を整えるためには、メンター制度やサポート体制の強化が効果的です。先輩社員がメンターとして定期的に面談を行い、不安や悩みを聞くことで、精神的な支えとなります。
また、社内の相談窓口を設けることで、業務の悩みだけでなく、メンタル面の問題にも対応できる環境をつくることが重要です。適切なサポート体制を構築することで、若手社員の早期離職や休職を防ぐことができます。
円滑なコミュニケーションと職場環境の改善
職場でのコミュニケーション不足は、ストレスや孤立感を生む原因となります。そのため、上司や先輩が積極的に声をかけ、相談しやすい雰囲気を作ることが大切です。
また、定期的な1on1ミーティングを実施し、若手社員の悩みや意見を聞く機会を設けるのも効果的です。さらに、職場の雰囲気を良くするために、チームビルディングのイベントや社内交流の場を増やすことで、心理的安全性の高い環境を作ることができます。
ワークライフバランスを考慮した働き方改革
長時間労働や休日出勤が常態化している職場では、若手や新卒社員が心身ともに疲弊しやすくなります。そのため、適切な労働時間の管理を徹底し、残業を減らすための業務効率化を進めることが重要です。
リモートワークやフレックスタイム制度を導入し、柔軟な働き方を推進することも有効です。さらに、有給休暇を取得しやすい環境を整えることで、社員がリフレッシュできる時間を確保し、長期的に健康的に働ける職場づくりを目指すことが求められます。
休職した若手や新卒の復職後のケアについて
一度休職した若手や新卒は、復職後のケアが欠かせません。復職後のケアが不十分だと、再度休職したり離職してしまうリスクが増加してしまいます。
休職した若手や新卒に対して、復職後はどのようなケアをすべきなのかポイントを見ていきましょう。
- スムーズな復職をサポートするための準備
- 復職後の段階的な職場復帰支援
- 長期的なフォローアップ
スムーズな復職をサポートするための準備
休職した若手や新卒社員がスムーズに復職できるよう、事前の準備と計画が重要です。復職前に上司や人事担当者が本人と面談を行い、不安や希望をヒアリングしたうえで適切な復職プランを考案しましょう。
また、復職直後に無理なく業務に慣れられるよう、リハビリ出勤や短時間勤務を検討するのも有効です。さらに、復職後のサポート体制について事前に共有し、安心して職場に戻れる環境を整えることも欠かせません。
復職後の段階的な職場復帰支援
復職直後に過度な業務を与えると、再び体調を崩してしまう可能性があります。そのため、復職後は業務量を調整し、段階的に負担を増やしていくことが重要です。
最初は簡単な業務から始め、徐々に通常の業務に戻れるようにサポートすることで、無理なく職場復帰が可能になります。また、業務負担だけでなく、精神的な負担も軽減するために定期的なフォローアップを実施し、必要に応じて業務内容の調整を行うことが求められます。
長期的なフォローアップ
復職後のケアは短期的なものではなく、長期的なフォローアップが不可欠です。定期的に面談を実施し、心身の状態を確認することで、再発のリスクを減らすことができます。
また、職場のメンタルヘルス対策を強化し、相談窓口の設置やカウンセリングの提供など、安心して働ける環境を整えることも重要です。さらに、周囲の理解を深めるための研修を実施し、職場全体で復職者を支える文化を醸成することが、持続的な復職支援につながるでしょう。
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まとめ
本記事では、若手や新卒社員の休職が増える原因と対策、休職が多い職場の特徴、復職後のケアについて解説しました。
若手や新卒社員の休職は、本人だけでなく企業にとっても大きな課題となります。過度な業務負担やサポート不足、職場のコミュニケーションの問題などが主な要因となるため、職場環境の改善や働きやすい制度の導入が重要です。
休職者が復職しやすい仕組みを整え、長期的なフォローアップを行うことで、再発を防ぎながら社員の定着率を高めることができます。企業全体で休職問題に取り組み、誰もが安心して働ける環境を築くことが、持続的な成長につながるでしょう。