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休職者が多い会社・職場の特徴は?休職率の平均や再休職の対策も解説

働く人々の心身の健康に対する関心が高まる中、職場内で休職者が増加していることが問題視されています。復職後しばらくして再び休職に至る従業員も珍しくなく、職場環境の改善が急務となっている企業は少なくありません。

本記事では、休職者が多い会社・職場の特徴について解説しています。休職率の計算方法や平均、改善に向けた取り組みの例をはじめ、再休職を防止するための対策についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

休職者の続出でお困りの際は、本記事を役立てて従業員が安心して働ける環境作りを目指しましょう。

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休職率とは?計算方法や平均について

休職者が多い会社・職場の特徴の前に、まずは休職率について以下の項目から詳しく見ていきましょう。

  • 休職率=就業者数における休職者の割合
  • 休職率の計算方法
  • 休職率の平均

休職率=就業者数における休職者の割合

休職率とは、就業者における休職している従業員の割合を示す指標です。休職率は従業員の健康状態や職場環境、労働条件などに影響を受けるため、企業の経営状態や労働環境の健全性を評価する上で重要なデータとなります。

特に、長期間の病気やメンタルヘルスの問題で休職するケースが増加している昨今、休職率を定期的に把握することは、社員の働きやすさや組織全体の健康状態を確認するための重要な指標となるのです。

休職率の計算方法

休職率の計算方法は、特定の期間における休職者数を全従業員数で割り、100を掛けてパーセンテージで表します。

  • 休職率 = 休職者数 ÷ 全従業員数 × 100(%)

例えば、ある企業で100人の従業員がいて、そのうち5人が休職している場合、休職率は5%です。この計算を通じて、企業はどれだけの割合の従業員が休職しているかを明確に把握することができます。

休職率の平均

一般的に休職率の平均は0.6〜1%前後と言われています。ただし、業種や企業規模などで平均休職率は変動するため注意が必要です。

産業・業種別の平均休職率

厚生労働省が実施した「メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者または退職した労働者の状況」に関する調査において、産業別の休業者数の割合は以下の通りです。

産業メンタルヘルス不調による連続1か月以上の休業者数
農業,林業(林業に限る。)0.3%
鉱業,採石業,砂利採取業0.4%
建設業0.4%
製造業0.7%
電気・ガス・熱供給・水道業0.8%
情報通信業1.3%
運輸業,郵便業0.4%
卸売業,小売業0.4%
金融業,保険業1.0%
不動産業,物品賃貸業0.4%
学術研究,専門・技術サービス業1.1%
宿泊業,飲食サービス業0.4%
生活関連サービス業,娯楽業0.3%
教育,学習支援業0.6%
医療,福祉0.6%
複合サービス事業0.7%
サービス業(他に分類されないもの)0.4%

参考:令和5年「労働安全衛生調査(実態調査) 」の概況

大企業の休職率

厚生労働省が令和6年に発表した調査結果では、大企業(事業所規模1,000人以上)のメンタルヘルス不調による連続1か月以上の休業者の割合は1.0%です。

また、休職者の割合を公開している大企業は以下の通りです。

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休職者が多い会社・職場が直面する問題

休職者が続出してしまうと、企業は様々な問題に直面することとなります。具体的な問題としては、以下のようなものが考えられるでしょう。

  • 生産性の低下と業績への悪影響
  • 職場環境の悪化と離職率の増加
  • 企業のイメージダウンと人材採用の難航

生産性の低下と業績への悪影響

休職者が続出すると従業員一人ひとりの負担が増え、業務の進行に遅延が発生します。特に、専門性の高い職種やプロジェクト単位で進める業務では、特定のメンバーが休職するしわ寄せで生産性が大幅に低下してしまうでしょう。

また、残された従業員がカバーしなければならないため業務負担が増し、さらに新たな休職者を生む悪循環に陥る可能性もあります。このような状況が続くと企業の業績に深刻な影響を及ぼし、納期遅延やクライアントの信頼喪失といった問題に発展する恐れがあります。

職場環境の悪化と離職率の増加

休職者が多い状況を放置すると他の従業員への負担が増し、職場全体の雰囲気が悪化してしまうものです。過剰な業務量やストレスを抱える従業員はモチベーションが低下し、結果としてチームの連携が崩れることもあります。

他の従業員も次第に疲弊し、最終的に休職や離職を選択する従業員が増加するという悪循環に陥る恐れもあるでしょう。離職率が高まれば、企業は新たな人材の採用や育成に多大なコストと時間を費やす必要があり、結果的に企業の競争力が低下します。

企業のイメージダウンと人材採用の難航

休職者が多い会社・職場は、社内外にネガティブな印象を与えます。

近年では、企業に対する口コミや評価がインターネット上で簡単に共有されるものです。職場環境が悪い企業としての評判が広がると、求職者がその会社を避ける傾向が強まってしまいます。

また、優秀な人材を惹きつける力が弱まり、結果として採用が難航し、企業の成長に必要な人材確保が困難になります。

休職者が多い会社・職場の特徴は?

休職者が多い会社・職場には、共通するいくつかの特徴があります。具体的には、以下のような特徴が挙げられます。

  • 職場内の人間関係が悪い
  • 長時間労働や休日出勤が常態化している
  • 職場内のコミュニケーションが不足している
  • 休職者が復職してからのケアが不十分

各特徴について詳しく解説しますので、自社が当てはまっていないかチェックしておきましょう。

職場内の人間関係が悪い

職場内の人間関係が悪いと、従業員は孤立感やストレスを感じやすくなり、心理的な負担が増加します。上司や部下との関係がぎくしゃくしていると、ストレスの原因になります。

また、いじめやパワハラが横行するような職場では、精神的に追い込まれ、結果として休職に至るケースも少なくありません。人間関係が悪い職場環境は、チームワークの低下や職場全体の士気にも悪影響を及ぼし、長期的には休職者の増加につながるリスクが高いと言えます。

長時間労働や休日出勤が常態化している

長時間労働や休日出勤が当たり前になっている職場では、従業員の心身に大きな負担がかかります。慢性的な疲労やストレスが蓄積した結果、うつ等のメンタルヘルスの問題で休職に至るケースは珍しくありません。

また、家族との時間や自己啓発の時間が取れないことで、生活の質が低下し、最終的に休職という形で表面化することがあります。過重労働が常態化している職場では、適切な労働時間の管理と業務量の見直しが急務です。

職場内のコミュニケーションが不足している

職場内でのコミュニケーションが不足していると、従業員間での情報共有や連携がうまくいかず、業務の進行に支障が出ることがあります。問題が発生した際に相談や報告が遅れて事態が悪化し、プレッシャーに耐えきれず休職となる従業員も少なくありません。

また、コミュニケーションが希薄な職場では、個々の従業員が孤立感を感じやすく、心理的な負担が増すことがあります。このような状況が続くと、従業員のストレスレベルが上がり、最終的にメンタルヘルスの問題や休職につながるケースが増加します。

休職者が復職してからのケアが不十分

休職者が復職した後に適切なケアが行われない職場では、再び休職に至るケースが多く見られます。復職直後は、業務のペースや環境に慣れるまで時間がかかるため、無理のない形での業務復帰が必要です。

しかし、十分なフォローがないまま以前の業務量や責任を課されると、再び過度な負担がかかって心身の不調を再発させるリスクが高まります。復職後のケアには、上司や同僚のサポートはもちろん、段階的な業務復帰やメンタルヘルスケアの充実が求められます。

休職者が多い会社・職場の改善に向けた対策・施策例

もしも自社の休職者が多い場合、早急な対策や改善に向けた取り組みが求められます。一般的な休職率改善のための対策や施策をご紹介しますので、ぜひお役立てください。

  • メンタルヘルスケアの充実化
  • 労働時間の適正化と業務負担の見直し
  • タレントマネジメントの実施
  • 社内コミュニケーションの活性化
  • 復職支援プログラムの導入

メンタルヘルスケアの充実化

従業員のメンタルヘルスを守るため、定期的なストレスチェックやカウンセリングの提供を積極的に行うことは有効です。メンタルヘルスケアを充実させることで、早期にストレスや精神的な不調に対応でき、休職や離職といった深刻な問題に発展する前に適切な対策を講じることが可能になるでしょう。

さらに、メンタルヘルスに関する研修やセミナーを実施し、従業員が精神的健康の重要性を理解することで、職場全体のメンタルヘルスの向上が期待できます。また、従業員が悩みを相談しやすい環境を整備することも重要です。

労働時間の適正化と業務負担の見直し

長時間労働や過度な業務負担を防ぐためには、労働時間の適正な管理と業務配分の見直しが不可欠です。残業時間を抑えるために労働時間の管理システムを導入したり、業務効率化を図るためのツールやプロセスを改善する施策を進めましょう。

また、従業員一人ひとりの業務量を適切に評価し、必要に応じてタスクの分担や再調整を行うことで、無理のない働き方を実現することも重要です。適正な労働時間の確保は、従業員の健康維持と生産性の向上、ひいては休職の予防につながります。

タレントマネジメントの実施

タレントマネジメントとは、従業員一人ひとりのスキルや強みを把握し、最大限に活かす施策です。

適切な人材配置やキャリアパスの構築により、従業員が自身の能力を発揮しやすい環境を整えることが可能になります。タレントマネジメントを実施することで、仕事への満足度やモチベーションが向上し、休職や離職の防止につながるでしょう。

また、定期的なスキルアップの機会を提供し、個々の成長をサポートすることで、企業全体の競争力を高めることができます。

社内コミュニケーションの活性化

職場のコミュニケーション不足は、業務効率の低下や人間関係の悪化を招くため、積極的なコミュニケーションの促進が重要になります。チームビルディングの活動や定期的なミーティングの開催、意見を自由に交換できる場の設置などを通じて、従業員同士の交流を深めることが必要です。

また、上司と部下のコミュニケーションも活性化させることで、問題の早期発見や解決が期待できます。良好なコミュニケーション環境は、従業員の心理的な安心感を高め、休職者の減少に寄与します。

復職支援プログラムの導入

休職者がスムーズに職場復帰できるよう、復職支援プログラムの導入は非常に有効です。休職から復帰したものの、しばらくして再び休職せざるを得なくなる人は珍しくありません。

復職者が再び精神的・身体的に負担を感じないよう、上司や同僚がサポート体制を整える必要があります。また、復職後すぐにフルタイムで業務をこなすのではなく、段階的に負担を増やしていく”リハビリ勤務”などの柔軟な働き方を提供することも有効でしょう。

さらに、定期的な面談やカウンセリングを行い、復職後も長期的にケアすることで、再休職のリスクを減らすことができます。

再休職を防ぐには休職原因の分析が重要

再休職を防ぐためには、休職に至った原因を的確に分析し、根本的な解決策を講じることが不可欠です。

まず、休職した従業員との面談を通じて、ストレスの要因や業務負担、人間関係のトラブル、健康状態など、個々の具体的な休職理由をしっかりと把握する必要があります。必要に応じて、全従業員に向けた社内アンケートを実施して現場の声を収集することも有効です。

面談やアンケートを通じて収集した休職者全体のデータを分析することで、特定の部署や業務に問題が集中していないか、全体の傾向を把握することが可能になります。こうした分析を踏まえた改善策を実施することで、再休職のリスクを効果的に減らすことができるでしょう。

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まとめ

本記事では、休職者が多い会社・職場の特徴をはじめ、休職率の平均、改善に向けた取り組みの例、再休職を防止するための対策についても解説しました。

休職者が多い職場には、長時間労働やコミュニケーション不足、メンタルヘルスケアの不備など、様々な問題が存在します。これらの問題を放置すると、しわ寄せに伴う業績の低下や従業員の離職、企業イメージの悪化といったリスクが高まります。

休職対策として、適正な労働環境の整備や復職支援プログラムの導入、メンタルヘルスケアの充実が求められます。また、休職原因の分析と改善策の実施は、再休職を防ぐために非常に重要です。

従業員の健康を守り、働きやすい職場環境を整えることが、企業の持続的な発展につながるでしょう。

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この記事を書いた人

AME&Company編集部

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