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【成功事例あり】タレントマネジメントとは?導入手順や目的もわかりやすく解説

労働市場の流動化や働き方の多様化に伴い、近年では多くの企業がタレントマネジメントに取り組んでいます。しかし、具体的な目的や取り組み方はわからないという方も少なくないでしょう。

本記事では、タレントマネジメントの意味や目的をはじめ、導入手順やメリットについて解説しています。導入する際の注意点や成功した企業の事例も紹介していますので、ぜひお役立てください。

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タレントマネジメントとは?意味や違いをわかりやすく解説

まずはタレントマネジメントについて、以下の3つからわかりやすく解説していきます。

  • タレントマネジメント=人材を管理する人事戦略全般
  • タレントマネジメントが重要な理由
  • 従来の人材管理との違い

タレントマネジメント=人材を管理する人事戦略全般

タレントマネジメントとは、企業が従業員一人ひとりのスキルや才能を最大限に引き出し、組織全体の成長を図るための人事戦略です。採用や育成、評価、配置、昇進など人材に関わる全ての人事戦略がタレントマネジメントと言えるでしょう。

タレントマネジメントの対象となるのは正社員だけでなく、パートやアルバイトなど組織に属する全ての従業員です。2010年代から日本で普及し始め、近年では「タレマネ」「TM」と略されより一層注目を集めています。

タレントマネジメントが重要な理由

現代のビジネスシーンでは、優秀な人材を確保し、長期的に活躍してもらうことは企業の競争力を左右する重要な要素となっています。特に人手不足が深刻化する昨今では、限られた人材を適材適所に配置し、競争力を高めていくことが求められるでしょう。

タレントマネジメントを導入して従業員一人ひとりの強みを引き出し、適材適所に配置することで、長期的な組織の安定と発展に寄与します。

従来の人材管理との違い

従来の人材管理は、主に労働力の確保や従業員の勤怠管理に焦点を当てていました。しかし、タレントマネジメントはその範囲を大きく超えています。

タレントマネジメントの最大の特徴は、個々の従業員の長所やキャリアパスを重視し、個別の成長計画を策定する点です。また、従業員一人ひとりの才能を最大限に引き出すための戦略的な投資が行われ、リーダーシップ開発やスキル向上を目的としたプログラムが提供されます。

さらに、企業全体の目標達成に向け、従業員の能力をどのように活用するかという長期的な視点が重視される点も、従来の管理方法と大きく異なります。

タレントマネジメントの目的

タレントマネジメントを導入する目的は企業によって様々ですが、代表的なものとして以下の3つが挙げられるでしょう。

  • 企業成長に向けた人材活用の最適化
  • 従業員エンゲージメントの向上と定着促進
  • リーダーシップ開発と次世代リーダーの育成

何ためにタレントマネジメントを実施するのか把握するためにも、それぞれ詳しく見ていきましょう。

企業成長に向けた人材活用の最適化

タレントマネジメントの主な目的のひとつが、企業成長に向けた人材活用の最適化です。

企業は適材適所に従業員を配置し、それぞれのスキルや才能に合わせた役割を与えることで、生産性と効率を向上させる効果が期待できます。また、個々の従業員のキャリアプランに基づいた育成やスキル向上の機会を提供することで、従業員のモチベーションを高め、企業の戦略目標に貢献できる人材を育成できるでしょう。

これにより、企業は長期的な成長を実現するための競争力を持ち続けることができます。

従業員エンゲージメントの向上と定着促進

タレントマネジメントは、従業員エンゲージメントを向上させ、定着を促進するためにも重要な役割を果たすのです。

エンゲージメントの高い従業員は、企業のビジョンや目標に強く共感し、自ら積極的に行動する傾向があります。個々の従業員のニーズや目標を理解し、それに応じたサポートを提供することで、従業員が自身のキャリアに満足して企業に長く貢献することを促します。

結果として、離職率の低下や企業内の知識の蓄積が実現され、組織全体のパフォーマンス向上につながるでしょう。

リーダーシップ開発と次世代リーダーの育成

リーダーシップ開発は、タレントマネジメントにおける重要な目的であり、次世代リーダーの育成は企業の持続的な成長に欠かせません。

タレントマネジメントでは、従業員の中からリーダー候補を見極め、その能力を磨くための教育やトレーニングプログラムを提供します。リーダーシップの育成は、単なるスキルの向上だけでなく、問題解決能力や戦略的思考の養成も含まれます。

次世代リーダーを育てることで、組織の継続性が保たれ、事業の安定成長が期待できるでしょう。

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タレントマネジメントを導入するメリット・効果

タレントマネジメントの導入は企業・従業員双方に様々なメリットをもたらします。具体的にどのようなメリットや効果が期待できるのか、詳しく見ていきましょう。

企業にとってのメリット

企業がタレントマネジメントを導入するメリットには、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 従業員エンゲージメントの向上
  • 従業員の定着率向上
  • 採用や教育にかかるコストの削減
  • 生産性の向上と競争力の強化

これらの効果を通じて、企業は市場の変化や競争に対して迅速に対応できる体制を整えることが可能になります。

従業員にとってのメリット

タレントマネジメントで従業員が得られるメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 仕事に対する満足度やモチベーションの向上
  • 成長やスキルの向上機会の増加
  • キャリアパスの明確化

これらのメリットを得ることで従業員は企業への信頼感が増し、長期間にわたって企業に貢献したいという意識が高まるでしょう。

タレントマネジメントの導入手順

企業がタレントマネジメントを導入する、大まかな流れについて解説します。

  1. 現状の人材管理状況の分析と課題の洗い出し
  2. タレントマネジメント戦略の立案と目標設定
  3. 人材の採用・育成・配置
  4. 検証と運用体制の整備

1.現状の分析と課題の洗い出し

タレントマネジメントを導入する第一歩は、現状の人材管理状況を正確に把握し、課題を明確化することです。

まず現在の人材配置や採用プロセス、育成プログラムがどの程度効果的であるかを分析します。離職率や従業員満足度、パフォーマンス評価などのデータを活用し、どの部分に改善が必要かを洗い出しましょう。

この分析を基に、タレントマネジメントが必要な領域を特定し、導入による効果を最大限に引き出すための具体的な課題を整理します。

2.タレントマネジメント戦略の立案と目標設定

現状の分析結果に基づき、タレントマネジメントの戦略を立案し、目標を設定します。

この段階では、企業の経営戦略や長期的なビジョンに沿った形で、人材管理の目標を明確にしましょう。具体的には、採用するべき人材の要件や育成プラン、リーダーシップ開発の方向性を決定します。

また、これらの目標を達成するためのKPI(重要業績評価指標)を設定し、進捗状況を効果的にモニタリングできる仕組みを整えることも重要です。

3.人材の採用・育成・配置

タレントマネジメント戦略に基づき、人材の採用・育成・配置を行うステップです。

採用では、企業の成長に必要なスキルや能力を持つ人材を見極め、適切なプロセスを通じて獲得します。次に、既存の従業員に対しては、個々の才能を最大限に引き出すためのトレーニングやキャリア開発の機会を提供しましょう。

さらに、適材適所の配置を行い、従業員がその能力を発揮できる環境を整えることで、組織全体のパフォーマンスを向上させます。

4.検証と運用体制の整備

タレントマネジメントの導入後は定期的な検証が必要です。戦略が適切に機能しているか、設定したKPIが達成されているかを評価し、必要に応じて調整を行います。

また、効果を持続させるためには、運用体制の整備が不可欠です。担当者の役割分担やデータの活用方法を明確にし、従業員全体にタレントマネジメントの意義を浸透させることも重要でしょう。

運用を継続しながら改善点を取り入れることで、企業の成長を支える持続的な体制を構築します。

タレントマネジメントに成功した企業の事例

タレントマネジメントを導入している企業3社の事例をご紹介します。

  • サントリーホールディングス株式会社
  • ソニー株式会社
  • 伊藤忠商事

実際にタレントマネジメントを導入している企業が、どのように取り組んでいるのかを参考にしてみましょう。

サントリーホールディングス株式会社

サントリーホールディングス株式会社は「人本主義」の考えの下、従業員の成長とキャリアビジョンを重視した”全社員型タレントマネジメント”を実践しています。

総合人事システムを導入し、人事給与からタレントマネジメント領域までの情報を一元管理し、適材適所の配置や組織改革を推進。さらに、従業員が自身のキャリアを自律的に形成できるよう、成長ノートを活用し、研修管理などを通じて成長を支援しています。

参考:PEOPLE & CAREER 教育研修・人事制度|新卒採用情報|サントリーホールディングス株式会社

ソニー株式会社

国内で早くからタレントマネジメントを導入していたソニー株式会社では、”レバレッジ・タレント”という仕組みを構築していました。

特に40~50代のミドル層に対しては、タレント・ダイレクターと呼ばれる担当者が優秀な人材の発掘と適切な人材配置に取り組み、世界7ヶ所で年に数回情報交換を行っています。これにより、3年間で120~130人が異動しました。

トップ層やジュニア層にも適切な配置を行うための取り組みが進められています。

参考:Vol.12 岸本 治氏 ソニー|2020の人事シナリオ|リクルートワークス研究所

伊藤忠商事

伊藤忠商事では、グローバルベースでの人材戦略としてタレントマネジメントを導入し、優秀な人材の採用・育成・活用を行ってきました。

リーダーに必要な行動要件を基に、採用や評価基準を設定し、選択型オンライン研修で多様なキャリア形成を支援しています。また、国籍を問わず本社駐在の機会を提供し、グローバルな知識・経験を積む場を提供しているのも特徴的です。

これらを”人的資本投資”として全社でレビューし、持続的な企業価値向上を目指しています。

参考:人材育成|伊藤忠商事株式会社

タレントマネジメントを導入する際の注意点

企業がタレントマネジメントを導入する際、より効果的に行うためにも以下の3つのポイントに注意してください。

  • 経営層と従業員間のコミュニケーションの徹底
  • 短期的な成果を求めず、長期的な視点を持つ
  • 導入後のデータ分析と効果測定を欠かさない

経営層と従業員間のコミュニケーションの徹底

タレントマネジメントを導入する際、経営層と従業員の間で十分なコミュニケーションを行うことが非常に重要です。

タレントマネジメントは企業の人材戦略全体を見直すプロセスであり、従業員のキャリア開発や評価にも影響を与えます。そのため、経営層がタレントマネジメントの目的やメリットを明確に伝え、従業員に対して透明性を持って取り組むことが不可欠です。

従業員がその意義を理解し、納得したうえで積極的に参加できる環境を作ることが、成功への鍵となります。特に、トップダウンではなく従業員のフィードバックを積極的に取り入れることで、現場のニーズに合った施策が実行され、組織全体の一体感が生まれます。

短期的な成果を求めず長期的な視点を持つ

タレントマネジメントの効果は、短期間で劇的に現れるものではありません。そのため、導入する際には長期的な視点を持ち、持続的な改善を目指すことが重要です。

例えば、リーダーシップ育成や従業員のキャリア開発などの取り組みは、時間をかけて成長を促すものであり、即座に結果が出ないこともあります。短期的な成果ばかりを求めると、導入自体が形骸化し、真の効果を発揮しない可能性があります。

企業は長期的な成長戦略を持ち、その中でタレントマネジメントがどのように寄与するのかを理解し、効果が見えるまで粘り強く実施し続ける姿勢が必要です。

導入後のデータ分析と効果測定を欠かさない

タレントマネジメントの導入後、その効果を測定し、戦略が適切に機能しているかどうかを確認するためのデータ分析が欠かせません。

採用・育成・配置の各プロセスが期待通りに機能しているか、KPIを通じて定期的にチェックする必要があります。効果測定に基づき、必要な部分は適宜改善し、柔軟に対応していくことが成功のポイントです。

また、データは従業員のパフォーマンスや満足度の向上だけでなく、組織全体の成長にもつながります。そのため、適切なツール・システムを活用して継続的にモニタリングを行い、タレントマネジメントが常に最大限の効果を発揮できるようにすることが重要でしょう。

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実際にHR pentestを導入した企業様の事例は、以下の記事を参考にしてください。

まとめ

本記事では、タレントマネジメントの意味や目的、導入手順やメリットについて解説しました。

タレントマネジメントは、企業が持続的な成長を実現するために不可欠な手法です。従業員一人ひとりのスキルやキャリアビジョンを理解し、戦略的に活用することで、企業全体の生産性や従業員のエンゲージメントを向上させることが可能となるでしょう。

従業員の定着率やエンゲージメントに課題感を抱えていた方も、ぜひ本記事を役立ててください。

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この記事を書いた人

AME&Company編集部

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編集部

AME&Company編集部では、人事労務やマネジメントに関するお役立ち情報を発信しています。

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