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中小企業の平均離職率は?大企業より高い原因と離職防止の対策も解説

従業員が定着せずに次々と退職してしまうと、企業の成長が妨げられ業務の効率も低下します。特に、限られた人材資源を抱える中小企業では、離職による影響は大企業よりも大きいため早急な対策が求められます。

本記事では、中小企業の平均離職率について解説しています。離職率が高い中小企業に共通する特徴やよくある離職理由、離職率を改善するための施策例についてもまとめました。

高い離職率でお困りの際は、ぜひ本記事を参考に離職対策に役立ててください。

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中小企業の離職・人手不足の現状

中小企業において、離職率が高いことは深刻な問題です。特に人手不足が深刻化している現代では、優秀な人材を確保し続けることがますます困難になっています。

日本商工会議所の調査によると、日本全国6,013社の中小企業のうち65.6%が人手不足に悩まされているとのことです。

中小企業は大企業に比べて給与や福利厚生が劣ることが多く、従業員のキャリアアップの機会も限られているため、離職率が高くなる傾向があります。また、労働環境の改善や働きやすさの向上が遅れると、さらに離職が加速して人手不足の悪循環に陥ることもあるでしょう。

この現状に対処するためには企業独自の魅力を強化し、従業員の定着を図ることが重要です。

中小企業の平均離職率

中小企業の平均離職率を把握しておくことで、自社の離職率が低いのか高いのかの判断がつきます。どの程度の数値なのか目安を確認しておきましょう。

中小企業の平均離職率は約16.1〜19.0%

厚生労働省が2023年8月に公開した「雇用動向調査」によると、中小企業(従業員数100〜999人)の平均離職率は16.1〜19.0%です。それに対し、大企業(従業員数1,000人以上)の離職率は14.2%でした。

規模計(男女)離職率(令和5年)
1,000人以上14.2%
300~999人16.1%
100~299人19.0%
30~99人16.0%
5~29人15.6%

参考:雇用動向調査「性、企業規模別入職・離職率」

この調査結果によると、大企業と比較して中小企業の離職率は高い傾向にあることがわかります。

業界別の平均離職率

離職率の平均は企業の規模だけでなく、業界によっても大きく異なります。以下は厚生労働省が2024年8月に公開した「雇用動向調査」の結果です。

産業離職率(令和5年)
鉱業,採石業,砂利採取業9.2%
建設業10.1%
製造業9.7%
電気・ガス・熱供給・水道業10.4%
情報通信業12.8%
運輸業,郵便業10.3%
卸売業,小売業14.1%
金融業,保険業10.5%
不動産業,物品賃貸業16.3%
学術研究,専門・技術サービス業11.5%
宿泊業,飲食サービス業26.6%
生活関連サービス業,娯楽業28.1%
教育,学習支援業14.8%
医療,福祉14.6%
複合サービス事業7.8%
サービス業(他に分類されないもの)23.1%

参考:雇用動向調査「産業別入職・離職状況」

離職率が高い中小企業に共通する3つの特徴

離職率が高い中小企業には共通点が存在します。代表的な特徴としては以下のようなものが挙げられます。

  1. ワークライフバランスが欠如している
  2. 研修/教育体制が整っていない
  3. 経営戦略やビジョンが不透明

1.ワークライフバランスが欠如している

ワークライフバランスが欠如していることは、離職率が高い中小企業に共通する特徴の一つです。長時間労働や休日出勤が常態化している職場では従業員が心身ともに疲弊し、家プライベートな時間が犠牲になりがちです。

特に中小企業では、少ない人員で多くの業務をこなす必要があり、結果としてワークライフバランスが崩れやすくなります。このような状況が続くと、従業員は働き続けることが困難と感じ、転職を選ぶことが多くなります。

企業が従業員の健康や生活の質を重視しない限り、離職率を改善することは困難でしょう。

2.研修/教育体制が整っていない

研修や教育体制が十分に整っていないことも、離職率が高い中小企業の特徴です。従業員が新しいスキルを身につける機会が限られていると自己成長の実感が得られず、仕事へのモチベーションが低下します。

また、十分な研修を受けられないことで業務に対する不安が増し、結果的にストレスやプレッシャーが高まります。このような環境では、従業員が他の企業に移り、自分のキャリアを積極的に築きたいと考えることが増えます。

企業が持続的な成長を目指すなら、教育投資は避けて通れない課題です。

3.経営戦略やビジョンが不透明

経営戦略やビジョンが不透明な中小企業も、離職率が高い傾向にあります。企業がどの方向に進んでいるのか、従業員にとっての将来の展望が見えない場合、仕事に対する不安や不信感が募ります。

特に中小企業では経営資源が限られているため、戦略が不明確だと業績の安定性にも疑問が生じやすくなるでしょう。従業員は自分のキャリアがこの不透明な環境でどうなるかを懸念し、より明確なビジョンを持つ企業への転職を検討します。

企業が従業員の信頼を得るためには、経営方針や目標を明確に示すことが重要です。

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中小企業でよくある離職理由

従業員の離職理由は様々ですが、中小企業においては特に以下のようなものが代表的に挙げられます。

  • キャリアアップの機会不足
  • 給与や待遇への不満
  • 職場内での人間関係の悪化
  • 企業の将来性への不安

それぞれの離職理由について詳しく見ていきましょう。

キャリアアップの機会不足

中小企業では、キャリアアップの機会が限られていることが離職理由の一因となります。多くの従業員は自身のスキルアップや管理職への昇進を望んでいますが、大企業と比較すると中小企業は役職やポジションが少ないため、昇進の機会が限られます。

キャリアアップの機会が不足していると、従業員は自分の将来に不安を感じ、より多くの成長機会がある大企業や他の職場を求めて転職を考えることが増えるでしょう。

給与や待遇への不満

給与や待遇に対する不満は、中小企業での離職理由として非常に一般的です。大企業に比べて給与水準が低い場合が多く、昇給やボーナスの機会も限られているため、従業員は不満を感じやすくなります。

また、福利厚生や労働条件が大企業ほど整備されていないことも、待遇への不満を増幅させる要因となります。同じ仕事量や責任でより良い待遇を求めて、他の企業へ転職するケースが後を絶ちません。

職場内での人間関係の悪化

職場内での人間関係が悪化すると、従業員のモチベーションや仕事への満足度が大きく低下します。特に中小企業は社員数が少ないため一人ひとりの役割が大きく、人間関係の問題が全体の業務効率に直結します。

上司とのコミュニケーション不足や、同僚とのトラブルが原因で職場環境が悪化すると、ストレスが増えて離職を選ぶ従業員が増加します。小規模な組織では問題の解決が難しく、悪化した人間関係が改善されないまま放置されることも少なくありません。

企業の将来性への不安

中小企業においては、経営の不安定さや市場の変化によるリスクが大企業に比べて大きいことから、企業の将来性に不安を感じる従業員が少なくありません。特に、経営戦略が明確でない場合や業績が低迷している状況では、従業員は自身の雇用が安定していないと感じやすくなります。

このような不安が長期間続くと、従業員はより安定した企業への転職を検討し始めてしまうのです。また、企業の成長性が見込めない場合、自分のキャリアも停滞すると考え、将来に向けた新たな職場を探すことが増えます。

中小企業の離職率を改善するには?対策に向けた施策例

離職率を改善するために必要な施策は企業によって異なりますが、中小企業が取り組むべき施策には以下のようなものが挙げられます。

  • キャリアパスを明確にして成長の機会を提供
  • 福利厚生を充実化
  • 柔軟な働き方の導入
  • 社内コミュニケーションの活性化
  • 企業ビジョンを共有し、信頼関係を築く

これらの対策を参考にして、自社の離職率改善にお役立てください。

キャリアパスを明確にして成長の機会を提供

従業員が長期的に働き続けるためには、明確なキャリアパスと成長の機会が不可欠です。具体的には、定期的なキャリア面談やスキルアップのための研修プログラムを導入し、昇進や異動の機会を提供します。

また、定期的な研修やスキルアップの機会を提供することで、従業員のモチベーションと専門性を高めることができるでしょう。キャリアパスが明確になると従業員は自己成長を実感し、企業への忠誠心や働きがいが向上し、離職率の低下につながります。

福利厚生を充実化

充実した福利厚生は従業員満足度を高め、離職率を下げる重要な要素です。健康保険や年金制度だけでなく、従業員の多様なニーズに合わせた福利厚生を導入することで、離職率の改善が期待できます。

福利厚生の例
  • 育児休暇/介護休暇/リフレッシュ休暇などの休暇制度
  • 住宅手当や食事手当などの生活面をサポートする制度
  • 成果に応じたインセンティブ制度

柔軟な働き方の導入

柔軟な働き方の導入は、従業員のワークライフバランスを改善し、離職率を低減する有効な施策です。従業員は家庭やプライベートの時間を確保しやすくなり、仕事への満足度が向上します。

また、通勤時間の削減や働く場所の選択肢が増えることで、従業員のストレス軽減や生産性向上にもつながります

柔軟な働き方の例
  • フレックスタイム制度
  • リモートワーク/テレワーク制度
  • 時短勤務制度

社内コミュニケーションの活性化

社内コミュニケーションの活性化は、従業員のエンゲージメントを高め、離職を防ぐ重要な要素です。定期的なミーティングやチームビルディング活動を通じて、従業員同士の信頼関係を築きます。

また、オープンなコミュニケーション文化を醸成し、意見やアイデアが自由に交換できる環境を整えることが重要です。

企業ビジョンを共有し、信頼関係を築く

企業ビジョンを従業員と共有し、信頼関係を築くことは離職率の低減に大きく寄与します。経営陣は、企業の目指す方向性や目標を明確に伝え、従業員がそのビジョンに共感できるよう努めることが重要です。

また、ビジョン達成に向けた具体的な戦略や成果を共有することで、従業員は自分の役割と貢献度を実感しやすくなります。このような透明性と共有感は、企業と従業員の信頼関係を強化し、離職率の低減に直結します。

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実際にHR pentestを導入した企業様の事例は、以下の記事を参考にしてください。

まとめ

本記事では、中小企業の平均離職率やよくある離職理由、離職率が高い中小企業に共通する特徴、離職対策の施策例についてご紹介しました。

中小企業が直面する高い離職率は多くの場合、ワークライフバランスの欠如や給与・待遇への不満、そして不透明な経営戦略などに起因しています。これらの問題を解決するためには、柔軟な働き方の導入やキャリアパスの明確化、福利厚生の充実、さらには社内コミュニケーションの活性化が重要です。

また、企業ビジョンを共有して従業員との信頼関係を築くことで、従業員の定着率を高めることができます。持続的な成長を目指す中小企業はこれらの施策を積極的に取り入れ、魅力的な職場環境を整えることが求められます。

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