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営業職の離職率が高い原因は?よくある退職理由や対策の施策例も解説

営業職は企業の成長にとって欠かせない重要な職種ですが、離職率が高いというイメージを持つ方も多いでしょう。実際に「営業部の定着率が低い…」「優秀な営業マンがどんどん辞めてしまう…」と悩む企業は少なくありません。

本記事では、営業職の離職率が高くなる原因と対策について解説します。営業マンに多い退職理由や離職防止の施策例、特に営業の離職率が高い業界についても紹介しています。

自社の人材流出に課題感を抱えていた方も、ぜひ本記事を営業職の離職率改善に役立ててください。

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営業職の離職率は高い?人手不足の現状について

厚生労働省が2023年に発表した『令和5年雇用動向調査結果の概況』によると、就業者全体の平均離職率は15.4%でした。それに対して営業職の離職率は高いのか、人手不足の現状やよくある退職理由も踏まえて見ていきましょう。

  • 営業職は他の職種と比較して離職率が高い
  • 営業職の人手不足の現状
  • 営業職に多い退職理由

営業職は他の職種と比較して離職率が高い

日本労働調査組合が2021年に発表した調査結果によると、全国20〜49歳の営業職の男女543名のうち「最近退職を検討した」と回答した人は全体の69.6%となっています。約7割が離職を検討した経験があることに加え、エン・ジャパンが2022年に発表した調査結果では、最も人材が不足している職種は「営業職」であることが判明しました。

これらのデータから、営業職の離職率は他の職種と比較すると高いことが推測されます。

営業職の人手不足の現状

厚生労働省が2023年に発表した調査結果によると、職種全体の有効求人倍率が1.19%だったことに対して、「営業職業従事者」の有効求人倍率は2.14%でした。つまり、求職者よりも求人数が多く、営業職の現状は売り手市場の人手不足であることがわかります。

さらに、少子高齢化に伴う労働人口の減少も重なり、営業職の人手不足は今後も深刻化すると考えられるでしょう。

営業職に多い退職理由

日本労働調査組合が全国20〜49歳の営業職の男女543名を対象に行った2021年の調査では、「営業職を辞めたくなった理由」の上位10位は以下のような結果になっていました。

順位離職理由割合
1位給与が安い32.4%
2位長時間労働30.1%
3位モチベーション維持29.4%
4位上司や会社のプレッシャー26.7%
5位将来が不安26.7%
6位成果が上がらない23.0%
7位営業が苦手22.2%
8位商品やサービスに自身が持てない21.1%
9位休みが休みにならない20.7%
10位コミュニケーションが苦手20.2%

営業職の離職が企業に与える影響と対策の重要性

営業職の離職が企業に与える影響は様々で、対策を怠ると様々なリスクを伴います。代表的な影響としては、以下のようなものが考えられるでしょう。

  • 売上の低下と顧客関係の悪化
  • 採用コストの増加と労働力の不足
  • チームのモチベーションと生産性への影響

売上の低下と顧客関係の悪化

営業職の離職は、直接的に売上の低下を引き起こします。特に、顧客との信頼関係を築くことが重要な営業マンの急な退職は、担当者が離職することで顧客が不安を抱き、取引が減少するリスクが高まるでしょう。

また、顧客との長期的な関係を築いていた担当者がいなくなることで、新たな担当者への信頼構築に時間がかかり、結果として売上が低下することがあります。顧客の信頼が揺らぐと、競合他社に顧客を奪われる可能性もあるため、企業にとって大きな痛手です。

採用コストの増加と労働力の不足

営業職が離職すると新たな人材の補填が必要となり、そのためのコストが発生します。求人広告費用や採用担当者の時間、面接などにかかるコストが増加する上、新人が業務に慣れるまでの間は生産性が低下するものです。

さらに、優秀な営業職員の離職が続くと、社内に十分な人材がいなくなり労働力不足に陥ることもあります。これにより、既存の社員に過度な負担がかかり、生産性がより一層低下するリスクも伴います。

チームのモチベーションと生産性への影響

営業職の離職は、残された社員のモチベーションやチーム全体の生産性にも悪影響を与えることがあります。仲間が次々と退職することで、社内に不安や不信感が広がり、仕事への意欲が低下することが考えられるでしょう。

特に、優秀な営業社員が辞めた場合、他のメンバーがプレッシャーを感じ、ストレスが増大することがあります。その結果チームの結束が弱まり、連鎖退職を引き起こすことも少なくありません。

営業職の離職率が高くなる原因・理由

営業職はキツイと言われる

  • プレッシャーの大きさと厳しいノルマ
  • コミュニケーションの負担と対人ストレス
  • ワークライフバランスの悪化と長時間労働
  • 成果に対する評価や報酬への不満

プレッシャーの大きさと厳しいノルマ

営業職は売上目標を達成するための厳しいノルマが課されることが多く、そのプレッシャーは他の職種に比べても大きいです。ノルマ未達成時の上司からの叱責や、数字に追われる日々が精神的な負担となり、次第にストレスが蓄積し離職を余儀なくされることは珍しくありません。

また、常に結果が求められる環境では、個人の努力やプロセスが評価されにくく、達成感ややりがいを感じにくいこともあります。このようなプレッシャーは、モチベーションの低下やバーンアウトの要因となり、離職へと繋がる原因の一つです。

コミュニケーションの負担と対人ストレス

営業職は顧客との密なコミュニケーションが求められるため、対人ストレスが多い職種です。顧客との折衝や交渉、クレーム対応など、日々のやり取りで精神的な負担を感じることが多くなります。

特に、新規開拓に向けたテレアポや飛び込み営業を伴う場合、難易度の高い営業職特有のストレスを引き起こし、最終的に離職を考える要因となるでしょう。また、上司や同僚とのやり取りでも競争意識が働くことがあり、人間関係のトラブルが生じやすい環境です。

ワークライフバランスの悪化と長時間労働

営業職は顧客の都合に合わせた柔軟な対応が求められるため、勤務時間が不規則になることが多いです。

特に顧客訪問や出張が頻繁な場合、長時間労働が常態化し、プライベートの時間が削られることになります。これにより、心身の疲労が蓄積し、ワークライフバランスが悪化。家族や自分自身の時間を大切にしたいと考える社員は、こうした労働環境に限界を感じて退職を検討するケースが増えます。

成果に対する評価や報酬への不満

営業職は成果が数値で明確に表れるため、評価制度や報酬体系が適正でないと不満が生まれやすいです。例えば、達成した目標に見合った報酬が得られない、評価基準が曖昧で努力が正当に評価されないと感じる社員は、仕事へのモチベーションを失いがちです。

また、短期間での成果が重視されすぎる場合、長期的な顧客関係の構築や自己成長が軽視されることもあり、不満を抱く社員が離職を選ぶケースも見受けられます。

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営業職の離職率が高い業界は?

一口に「営業職は離職率が高い」と言っても、業界によって離職率の平均にはばらつきがあります。特に離職率が高いと言われている業界について、詳しく見ていきましょう。

  • 不動産業界の営業職
  • 保険業界の営業職
  • 人材業界の営業職
  • 金融業界の営業職

不動産業界の営業職

不動産業界の営業職は、特に成果主義の厳しさから離職率が高くなる傾向にあります。不動産営業は多くの場合、契約数や売上に応じたインセンティブ制が採用されており、成果を上げられないと収入が大幅に減少するリスクがあります。

また、顧客との交渉や契約締結には長時間の労働が必要で、休日も返上することが少なくありません。このような過酷な労働環境が長続きせず、精神的・肉体的な負担から離職を選ぶケースが多く見られます。

保険業界の営業職

保険業界の営業職も離職率が高い業界の一つです。特に、個人向け保険の営業では新規顧客の開拓が難しく、既存顧客との長期的な関係構築が求められます。

また、営業成績に基づいた厳しいノルマが課されるため、プレッシャーを感じる社員が多いです。さらに、保険商品の複雑さや顧客との信頼関係を築く難しさが原因でストレスを抱えることが多く、結果的に離職を選ぶケースが増えています。特に、入社初期の離職が顕著です。

人材業界の営業職

人材業界における営業職は、企業の採用ニーズに応じて迅速に対応しなければならないため、スピード感が求められます。採用市場の変動が激しく、常に最新の情報に基づいた提案が必要です。

また、営業活動に加えてクライアントや求職者のマネジメント業務が発生するため、業務範囲が広がりがちです。これに伴う多忙な日々と業績へのプレッシャーから、過労やストレスを理由に離職するケースが少なくありません。

金融業界の営業職

金融業界の営業職は、顧客の資産管理や投資のアドバイスなど、高度な専門知識が求められるため、離職率が高いです。特に、顧客との信頼関係が重要であり、適切な提案ができない場合は信頼を損ねるリスクが高まります。

また、市場の変動により成果が左右されやすく、成果を出し続けるプレッシャーが大きいため、精神的負担が増します。結果として、厳しいノルマや成果主義に耐えられず離職を決断するケースが多いのが特徴です。

営業職の離職防止の施策例

先述の通り、営業職の離職防止を怠ると企業にとって様々なリスクを招きます。具体的な離職防止の施策例をご紹介しますので、ぜひ自社の取り組みの参考にしてください。

  • ワークライフバランスを重視した柔軟な勤務体系の導入
  • 目標管理制度と評価システムの透明化
  • メンタルヘルスケアの強化と働きやすい職場環境作り
  • 研修プログラムとキャリアパスの整備で成長を支援
  • 離職防止ツールの導入

ワークライフバランスを重視した柔軟な勤務体系の導入

営業職の離職率を改善するには、柔軟な勤務体系を導入してプライベートとのバランスを保ちながら働ける環境を整えることが重要です。具体的には、以下のような勤務体系を導入することで、各個人のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能になるでしょう。

柔軟な勤務体系の具体例
  • フレックス制度
  • リモートワーク
  • ノー残業デー

ライフスタイルに合った働き方を実現することができれば、ストレスの軽減とともに従業員の満足度が向上するため、長期的な定着が期待されます。

目標管理制度と評価システムの透明化

営業職では成果が重視されるため、目標設定と評価基準が曖昧だと不満や不公平感が生じ、モチベーションの低下や離職につながります。目標管理制度と評価システムの透明化は、社員が自身の目標達成に向けて努力しやすい環境を作り、評価が正当に行われることで信頼感が向上します。

具体的には、定期的なフィードバックや達成度に応じた報酬制度を明確にし、誰もが納得できる仕組みを整えることが大切です。評価の透明性が高まることで、社員の働きがいと企業への帰属意識も強まります。

メンタルヘルスケアの強化と働きやすい職場環境作り

営業職はプレッシャーや目標達成のプレッシャーが大きく、メンタルヘルスの問題が深刻化しやすい職種です。メンタルヘルスケアを強化することで、社員が安心して働ける環境の構築に寄与し、離職防止効果が期待できるでしょう。

働きやすい職場環境作りの例
  • 専門家によるカウンセリング
  • 従業員のストレスチェック
  • オフタイムを大切にする文化の醸成

これらの取り組みで従業員の心身の健康が守られることで、社員の生産性の向上とともに離職率改善に繋がります。

研修プログラムとキャリアパスの整備で成長を支援

営業職は継続的なスキルアップが求められる職種です。そのため、研修プログラムの整備や明確なキャリアパスを提示し、社員が自身の成長を実感できる環境を提供することが求められます。

例えば、定期的なスキル研修やロールプレイングを通じて営業スキルの向上を図り、次のステップとなるキャリアビジョンを描けるようサポートします。また、リーダーシップ研修や社内での昇進機会を設けることで、社員が長期的に企業で活躍できる道筋を示すことが、モチベーションの向上と定着に繋がるでしょう。

離職防止ツールの導入

離職防止のためには、従業員の満足度や問題点を定期的に把握することが重要です。そのため、近年では離職防止に特化したツールの導入が注目されています。

例えば、従業員エンゲージメントを測定するアンケートや、匿名で意見を集めるフィードバックシステムは、従業員のリアルな声を集め、改善点を把握するのに役立ちます。これらのデータを活用することで、企業は早期に問題を発見し、適切な対策を講じることが可能になるでしょう。

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まとめ

本記事では、営業職の離職率が高くなる原因や営業マンに多い退職理由、離職防止の施策例、特に営業の離職率が高い業界について解説しました。

営業職の離職率が高い理由には、厳しいノルマや長時間労働、コミュニケーションの負担など、複数の要因が絡み合っています。これらの問題は、企業にとって売上や顧客関係の悪化、採用コストの増加といった深刻な影響を及ぼし、人手不足の現状をさらに悪化させる原因となります。

そのため、ワークライフバランスを重視した柔軟な勤務体系の導入や、目標管理制度の透明化、メンタルヘルスケアの強化といった施策が重要です。また、成長支援のための研修プログラムやキャリアパスの整備、離職防止ツールの活用など、従業員が安心して長く働ける環境づくりも欠かせません。

これらの取り組みを企業が積極的に導入することで、営業マンの定着率向上だけでなく、チーム全体の生産性向上や持続的な企業成長にも繋がるでしょう。

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この記事を書いた人

AME&Company編集部

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