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【成功事例から学ぶ】組織改革の進め方指南!施策アイデアと失敗を防ぐコツ

企業が持続的な成長を実現するためには、時代の流れに適応した組織改革が欠かせません。しかし、組織改革は簡単なものではなく、成功させるためには戦略的な取り組みと共感の醸成が必要です。

本記事では、組織改革の効果的な進め方についてまとめました。企業の成功事例や組織改革の施策に関するアイデア、失敗してしまうケースについても解説しています。

組織改革に乗り出したいものの「何から手を付けるべきかわからない…」とお困りだった方も、ぜひ本記事を参考にしてください。

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組織改革とは?

組織改革とは、企業や団体が直面する課題や環境の変化に対応するために、内部の仕組みや文化を見直し、改善を図る取り組みを指します。業務フローの再設計や組織構造の再編成、人材育成の強化なども組織改革の一環として挙げられるでしょう。

組織改革は単なる変化を超えて、より効率的で柔軟な運営体制を構築することを目指します。そのためには、経営陣だけでなく従業員全体が一丸となり、積極的に関与することが欠かせません。

まずは組織改革について、以下の3点からより詳しく見ていきましょう。

  • 組織改革の目的
  • 組織改革の成功で得られるメリット
  • 組織改革が必要なタイミング

組織改革の目的

組織改革の主な目的は、競争力の強化と持続的な成長を実現することです。具体的には、業務の効率化や顧客満足度の向上、新しい市場やビジネスチャンスへの対応力の向上などが挙げられます。

また、企業文化の改善や働きやすい環境の整備を通じて、従業員のモチベーションやエンゲージメントを高めることも重要です。さらに、急速に変化する社会や技術に対応するため、柔軟性やイノベーションを組織全体で促進することが必要不可欠となっています。

組織改革の成功で得られるメリット

組織改革の成功は以下のような多くのメリットをもたらし、組織全体のパフォーマンスが向上とともに、持続可能な成長の基盤が築かれます。

競争力の強化市場変化に柔軟に対応できる体制を構築し、競争力を持続的に向上
業務効率の向上無駄なプロセスの削減や明確な役割分担により、生産性を大幅に向上
従業員の満足度向上職場環境の改善や公正な評価制度の導入により、従業員のモチベーションを向上
イノベーションの促進新しいアイデアや技術を取り入れる風土が醸成され、成長の基盤を構築
顧客満足度の向上サービス品質向上を通じて、顧客との信頼関係を醸成

組織改革が必要なタイミング

組織改革が必要なタイミングを見極めることは、成功への第一歩です。例えば以下のような状況が見られる場合、組織改革に向けたアクションを取り始めるのが望ましいでしょう。

  • 市場環境の変化
  • 業績の低迷
  • 従業員の不満の増加
  • 意思決定の遅れ
  • 成長の停滞

組織改革に成功した企業の事例4選

組織改革の進め方や取り組みを検討する際、他社の成功事例を参考にすることも重要です。他社がどのような課題を抱えていて、どのようなアイデアで改革を進めたのか見ていきましょう。

  • パナソニック インダストリー株式会社
  • セブン&アイ・ホールディングス
  • キリンホールディングス株式会社
  • オリンパス株式会社

1.パナソニック インダストリー株式会社

パナソニック インダストリー株式会社は、人材を中核に据えた職場環境づくりを推進し、2018年から風土活性化『MAKE HAPPY プロジェクト』を実施しました。このプロジェクトは「社員がHAPPYで創造性に満ちた会社」を目指し、成長や挑戦の機会を提供する取り組みです。

活動は社員主体で進められ、兼任メンバーが加わることで多様性を活かしつつ全社的な活性化を図っています。2022年にはeNPS値が2020年比で36ポイント向上し、製造業平均を上回る従業員エンゲージメントを実現しました。また、HRテクノロジー大賞の受賞や雑誌掲載など、社外からも高い評価を受けています。

プロジェクトでは年20回以上のイベントを開催し、大きなムーブメントを創出。社員が学び合い挑戦する風土が醸成され、『人を活かす経営』を具現化しています。

参考:組織風土改革 – パナソニック インダストリー – Panasonic

2.セブン&アイ・ホールディングス

セブン&アイ・ホールディングスは2006年に「将来的に幹部の20%以上を女性にする」という方針を打ち出し、ダイバーシティ推進プロジェクトを発足しました。

ダイバーシティ推進プロジェクトは、『働きやすく、働きがいのある職場づくり』を目指し、女性活躍推進からスタート。社内ヒアリングで育児との両立への不安が多いことが判明したため、子育て中の女性従業員向け『ママ’sコミュニティ』を企画しました。初期の育児相談からキャリアプラン作成など、幅広いテーマに発展しています。

さらに、男性の育児参加や介護との両立も対象に含め、管理職の意識改革を重視。2014年から始めた『ダイバーシティ・マネジメントセミナー』には延べ3000名以上が参加し、99%が行動変化を実感。管理職が率先して育児休暇を取得する事例も増加しました。

参考:産業能率大学 総合研究所

3.キリンホールディングス株式会社

キリンホールディングス株式会社(キリンビール)は、2001年にビール売上1位から転落したことを機に『お客様本位』『品質本位』を掲げ、組織風土改革を進めてきました。

しかし、2015年まで目立った成果が出ず、さらなる変革が求められました。そこで、社長自らが若手社員や労働組合と議論を重ね、『お客様第一』の姿勢を繰り返し伝えました。

延べ900人以上と対話を行い、全社的な意識改革を推進。この取り組みが功を奏し、2019年には過去10年で最高の売上高を記録。2020年も市場を上回る成果を出し、ビールやノンアルコール飲料での成長につながりました。

トップ主導の対話と一貫したメッセージが、組織の意識と成果を大きく変えた事例です。

参考:キリンビール お客様主語のマーケティング改革

4.オリンパス株式会社

オリンパス株式会社は2011年、不祥事による混乱から2012年に新体制で再スタートしました。

社員の経営不信や活力低下を受け、『Our Purpose(私たちの存在意義)』と『Our Core Values(私たちの価値観)』という理念を掲げ、組織風土改革に着手しました。主な取り組みは以下のとおりです。

  • 経営トップの対話集会
    3年間で200回開催され約2,000人が参加。経営陣との直接対話で信頼回復を図る。
  • 全社イベントの開催
    部門を超えた連携を強化し一体感を醸成。
  • コンプライアンス強化
    内部通報制度の整備などを実施。

これらの取り組みにより、社員一体となった改革が進みました。2019年には社内報をリニューアルし、社員が自社の「ファン」になるよう、組織の目指す姿を共有。持続的成長への基盤を築きました。

参考:企業変革プラン「Transform Olympus」について

組織改革の進め方とポイント

組織改革を成功させるには、効果的な進め方を抑えておくことが重要です。先にご紹介した企業の成功事例を踏まえて、進め方とポイントを見ていきましょう。

  • 明確なビジョンと目標の設定
  • 組織改革を取り仕切るチームを編成
  • 現場の声を反映した柔軟な計画
  • 進捗の可視化と継続的なフォローアップ

明確なビジョンと目標の設定

組織改革を成功させるには、まず組織全体で目指すべきゴールを明確に設定することが不可欠です。

ビジョンは組織全体の方向性を示し、従業員の意識を統一する役割を果たします。また、目標を具体的かつ測定可能な形で設定することで、進捗状況を把握しやすくなります。

例えば、売上増加率や顧客満足度向上といった定量的な目標を掲げることで、達成への道筋を明確化することが可能です。

組織改革を取り仕切るチームを編成

改革を円滑に進めるためには、プロジェクトをリードする専任チームの編成が必要です。

このチームには、経営陣から現場のリーダーまで、さまざまな階層や部門のメンバーを含めることで、広範な視点と実行力を確保します。また、チームには明確な権限とリソースを与え、迅速な意思決定を可能にすることが重要です。

多様なバックグラウンドを持つメンバーを選ぶことで、創造性や柔軟性も向上します。

現場の声を反映した柔軟な計画

改革の計画を立案する際には、現場の意見やニーズを取り入れることが成功の鍵となります。

従業員の声を反映させることで、計画に対する納得感が高まり、実行段階での抵抗を最小限に抑えられます。また、環境の変化や新たな課題に対応できるよう、計画は柔軟性を持たせることも欠かせません。

定期的なヒアリングやフィードバックを通じて、改善点を洗い出す仕組みを構築しましょう。

進捗の可視化と継続的なフォローアップ

改革の進行状況を把握し、組織全体で共有することもプロジェクトの成功に欠かせません。

進捗を可視化するためにはKPI(重要業績評価指標)を設定し、定期的に進捗状況を確認する仕組みを導入しましょう。また、達成度や課題を分析し、必要に応じて計画を修正することも重要です。

フォローアップミーティングや報告会を定期的に開催し、継続的な改善を促進します。

組織改革を成功に導く施策のアイデア

組織改革を進めるうえで、具体的にどのような施策を講じようか迷ってしまうこともあるかと思います。効果的なアイデアが思い浮かばない際は、以下の施策を参考にしてみてください。

  • 階層を超えた双方向コミュニケーションの促進
  • イノベーションを引き出すアイデア公募制度の導入
  • 改革状況を共有する社内報の活用

階層を超えた双方向コミュニケーションの促進

組織改革を成功させるためには、経営陣から現場まで階層を超えた双方向のコミュニケーションが重要です。

経営陣がビジョンや方針を一方的に伝えるだけでなく、現場の意見や課題を経営にフィードバックする仕組みを構築しましょう。対話集会やタウンホールミーティングを定期的に開催し、経営トップが直接現場の声を聞く場を設けるのも有効です。

また、従業員サーベイを活用して、匿名で意見を投稿できるプラットフォームを整備するのも効果的です。このような取り組みにより、現場の従業員が組織改革に主体的に関与できるようになり、全社的な連帯感を育むことができます。

イノベーションを引き出すアイデア公募制度の導入

従業員の創造力を最大限に活用するために、アイデア公募制度を導入しましょう。

業務改善や新製品開発、新規事業創出など様々なテーマでアイデアを募り、採用された提案には報酬や実現支援を提供します。可能な限り応募プロセスを簡素化し、誰もが気軽に参加できるよう工夫することが重要です。

優秀なアイデアは社内で広く共有し、表彰イベントを開催することで、組織全体にイノベーションの文化を浸透させます。この取り組みは、従業員一人ひとりのモチベーション向上にもつながります。

改革状況を共有する社内報の活用

組織改革の進捗状況を従業員全体に伝えるために、社内報を効果的に活用しましょう。

組織改革の目的や成果を定期的に共有することで、従業員の理解と共感を得ることができます。社内報は紙媒体だけでなく、デジタル版や動画コンテンツを取り入れることで、幅広い層にリーチ可能です。

さらに、成功事例や現場での工夫を特集することで、改革への関与意識を高めることができます。従業員が投稿できるコーナーを設けると双方向性も強化され、改革に向けた一体感が生まれるでしょう。

組織改革が失敗してしまうケース

試行錯誤を繰り返して組織改革を進めたものの、想定していたような成果が得られず失敗となるケースもあります。どのような課題が失敗に直結してしまうのか、具体例を見ていきましょう。

  • 組織改革の目的や方向性が不明確
  • 組織改革の必要性が現場に浸透していない
  • 短期的な成果に固執してしまう

組織改革の目的や方向性が不明確

組織改革が失敗する主要な要因の一つは、目的や方向性が明確でないことです。

組織改革の具体的なゴールや成果を共有せずに進めると、関係者全員が同じ目標に向かうことが難しくなります。例えば、「効率化を図る」といった曖昧な目標では、実際にどの業務をどのように変えるべきかが分からず、結果的に中途半端な改革に終わることもあるでしょう。

また、目的が組織全体で共有されていない場合、改革への抵抗感や不安が生じやすく、モチベーションの低下を引き起こします。成功させるためには、目的と方向性を具体的に示し、それを全従業員に伝えることが重要です。

組織改革の必要性が現場に浸透していない

改革が現場に受け入れられない場合、変化の実現は困難です。

現場の従業員が、なぜ改革が必要なのかを理解していないと、「なぜ変えなければならないのか?」という疑問や抵抗感が生まれます。また、改革の意義が理解されていない場合、従業員は新たな取り組みに対して消極的になり、非協力的な態度を取ることもあります。

これを防ぐためには、従業員一人ひとりに改革の背景や必要性を丁寧に説明し、納得感を得ることが不可欠です。さらに、現場の声を積極的に吸い上げ、共感を得ながら改革を進めることで、従業員が主体的に参加する姿勢を育むことができます。

短期的な成果に固執してしまう

組織改革には一定の時間が必要ですが、短期的な成果に固執するあまり、長期的な視点を見失うケースもあります。

例えば、即効性のある施策ばかりに注力し、根本的な問題解決を先送りにする場合、改革の効果が持続せずに元の状態に戻ってしまうことがあります。また、短期的な結果を優先するプレッシャーが強いと従業員の負担が増え、士気や信頼が低下する可能性もあるでしょう。

持続可能な改革を実現するためには、短期と長期のバランスを取りながら計画を立て、段階的に進めていくことが重要です。改革の成果が徐々に現れることを理解し、現場をサポートし続ける姿勢が求められます。

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まとめ

本記事では、組織改革の効果的な進め方や企業の成功事例、施策のアイデア、失敗してしまうケースについて解説しました。

組織改革は、企業が持続的な成長を遂げ、変化する社会で競争力を維持するための不可欠なプロセスです。成功の鍵は、明確なビジョンの共有、現場との協力、継続的な進捗確認、そして社員一人ひとりの共感と参加にあります。

また、階層を超えたコミュニケーションや創造的なアイデアを引き出す仕組みの導入など、具体的な施策も有効です。一方で、目的や方向性が不明確であったり、現場の理解を得られなかったりすると、改革が失敗するリスクが高まります。

成功と失敗のポイントを押さえ、全員が共に未来を切り拓ける組織を目指して、今こそ一歩を踏み出しましょう。

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この記事を書いた人

AME&Company編集部

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編集部

AME&Company編集部では、人事労務やマネジメントに関するお役立ち情報を発信しています。

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