2025/08/04
人材育成【質問項目付】メンター面談で何話す?聞くことの例や進め方のコツも解説

メンター面談は、若手社員や新入社員の成長支援や職場定着を促進するために欠かせない、コミュニケーションの場です。しかし、「何を質問すれば良いかわからない…」「面談が形だけになってしまう…」などの悩みも多く聞かれます。
本記事では、メンター面談をより有益な場にするためのポイントについてまとめました。メンター面談の本来の目的やおすすめの頻度、メンターが必ず聞くべき質問項目の例、効果的な進め方、成功のポイントについても解説しています。
これからメンター面談を始める方や、今までの運用に課題を感じていた方も、ぜひ本記事をお役立てください。
メンター面談とは?
メンター面談とは、メンター(先輩社員など経験豊富な指導者)とメンティー(新入社員や若手社員)が定期的に対話を行う場のことです。まずはメンター面談の目的や頻度、重要視される背景について、詳しく見ていきましょう。
- メンター面談の目的
- メンター面談を実施する頻度
- メンター面談が重要視される背景
メンター面談の目的
メンター面談の目的は、業務の進捗確認やスキルアップの支援だけでなく、メンティーの不安や悩みを早期に把握し、心理的なサポートを行うことにあります。上司とは異なる立場で相談に乗ることで、業務や人間関係の課題を気軽に共有でき、離職防止や成長支援にもつながるでしょう。
信頼関係の構築を通じて、メンティーが主体的にキャリアを描けるよう導く役割がメンターには求められます。
メンター面談を実施する頻度
メンター面談の実施頻度は、一般的には月1回程度が推奨されます。ただし、配属直後や業務に慣れていない時期には、週1回や隔週などやや高頻度で行うことも効果的です。
メンター面談の間隔が空きすぎると、悩みや不安の早期発見が難しくなるため、継続的かつ定期的な対話が重要です。時間は30分〜1時間程度を目安に、無理なく継続できるスケジュールを設けましょう。
メンター面談が重要視される背景
近年、若手社員の早期離職やメンタル不調が社会問題化する中で、職場におけるサポート体制の強化が求められています。こうした背景から、単なる業務指導だけでなく、心理的な安全性やキャリア支援を提供できるメンター制度の重要性が増しています。
また、多様な価値観を持つ人材が活躍する現代では、個別に寄り添った支援の場として、メンター面談の役割が注目されつつあるのです。
メンター面談でよくある課題
メンター面談は効果的な支援の手段ですが、実際にはさまざまな課題も存在します。適切な対策を講じて面談の質を高めるためにも、代表的な課題についてしっかり把握しておきましょう。
- 話す内容が定まらず、面談が形骸化する
- メンティーが本音を話してくれない
- メンター側に面談スキルや知識が不足している
- 業務が忙しく、継続的な実施が難しい
話す内容が定まらず、面談が形骸化する
メンター面談でよくある課題の一つが、明確な目的やテーマがないまま面談を実施してしまい、雑談で終わってしまうケースです。話す内容が決まっていないと、時間だけが過ぎて実質的な効果を感じられず、メンティーの成長支援や問題解決につながりません。
メンター面談を有意義にするには、事前に話すテーマや質問項目を設定し、振り返りを行うなど、継続的な目的意識を持つことが重要です。
メンティーが本音を話してくれない
信頼関係が十分に構築されていないと、メンティーが遠慮して本音を話せず、表面的な会話で終わってしまうことがあります。特に不安や不満といったネガティブな話題は、相手を選んで話す傾向があるため、メンターに対して心理的な安全性を感じられなければ本音を引き出すことは難しいでしょう。
定期的な対話や共感的な姿勢を通じて、メンティーが安心して話せる関係づくりが必要です。
メンター側に面談スキルや知識が不足している
メンターが面談の経験に乏しい場合、適切な質問の仕方や傾聴の姿勢を取れず、メンティーとのコミュニケーションがうまくいかないことがあります。メンタリングは単なるアドバイスにとどまらず、相手の考えを引き出す力が求められるのです。
企業としても、メンター向けの研修やサポート体制を整えることが成功の鍵となります。
業務が忙しく、継続的な実施が難しい
日常業務に追われてメンター面談の時間を確保できず、つい後回しにされるのもよくある課題です。
一度や二度の面談だけでは信頼関係の構築や成長支援には不十分であり、継続的な実施が不可欠です。しかし現場の忙しさを理由にメンター面談が途切れてしまうと、メンティーのモチベーション低下や早期離職にもつながりかねません。
スケジュールに組み込むなど、面談の優先度を高める工夫が求められます。
メンター面談で何話す?メンターが聞くべき質問例
メンター面談は適切な質問を用意することで、メンティーの業務状況や悩み、キャリアの希望まで幅広く把握できます。効果的に話を引き出すための質問例をご紹介しますので、メンター面談における話題にお困りの際は参考にしてください。
- 業務内容に関する質問項目
- 人間関係に関する質問項目
- キャリアや目標に関する質問項目
- モチベーションに関する質問項目
- 困りごとに関する質問項目
業務内容に関する質問項目
まずは、メンティーの現在の業務状況を把握するための質問項目です。
何を担当しているか、どの程度の負荷があるのか、困っていることはないかを聞くことで、具体的な支援につなげられます。漠然と「大丈夫?」と聞くのではなく、業務の内容やプロセスに踏み込んだ質問が効果的です。
人間関係に関する質問項目
仕事の満足度や継続意欲には、チーム内の人間関係が大きく影響します。しかし、人間関係の悩みは言い出しづらいものであるため、信頼関係を前提にさりげなく聞き出すことが重要です。
特定の人物についてではなく「チーム全体」といった聞き方にすると、メンティーも答えやすくなります。
キャリアや目標に関する質問項目
短期・長期に関わらず、将来に向けた考えや希望を聞くことは、メンティーの動機づけにつながります。具体的な目標がまだ定まっていない場合も、価値観や興味の方向性を話すことで気づきが生まれるでしょう。
目先の仕事だけでなく、将来に向けた視点を持ってもらうことが、成長支援として重要です。
モチベーションに関する質問項目
気持ちの面での変化やストレスの有無を把握することも、メンターの大切な役割です。業務量や人間関係などさまざまな要因がメンタルに影響を及ぼします。
無理に深掘りしすぎず、日々のモチベーションや仕事への向き合い方について、自然な流れで聞いてみましょう。気づかぬうちに抱えている負担が見えてくることもあります。
困りごとに関する質問項目
メンティーが抱える課題や悩みを具体的に把握し、解決の糸口を一緒に探ることもメンター面談の大きな目的です。ただし、いきなり問題点を聞くのではなく、業務や人間関係、成長に関して「困っていることはないか」と広く尋ねると話しやすくなります。
解決の助言だけでなく、寄り添う姿勢も信頼感を深めるポイントです。
メンター面談の効果的な進め方
ただメンター面談を行うだけではなく、効果的に進めるためのポイントを押さえることも欠かせません。目的設定から雰囲気づくり、質問の仕方やフィードバックの方法まで、メンター面談を価値あるものにする具体的なステップについて解説します。
- 目的とゴールを明確にする
- メンティーが話しやすい雰囲気をつくる
- 質問を通じて本音を引き出す
- 気づきや行動につながるフィードバックを行う
- 次回につながる振り返りと目標設定をする
1.目的とゴールを明確にする
メンター面談を効果的に進めるには、まず「何のためにこの面談を行うのか」という目的を明確にすることが重要です。業務の振り返り、成長支援、悩みの共有など、テーマによって面談の内容や進め方は変わります。
また、あらかじめ面談のゴールを設定しておくことで、対話の方向性が定まり、時間を有意義に使うことができます。事前にメンティーと面談の目的を共有しておくと、相手も心の準備ができ、より建設的な会話が可能になるでしょう。
2.メンティーが話しやすい雰囲気をつくる
メンター面談では、メンティーが安心して本音を話せる環境づくりが大切です。いきなり業務の話に入るのではなく、雑談やアイスブレイクを交えることで緊張を和らげましょう。
表情や姿勢、うなずきなど、非言語的なコミュニケーションも意識しながら、相手の話に共感を示すことが信頼関係の土台です。「評価される場」ではなく「相談できる場」であると伝えることで、メンティーは心を開きやすくなります。
3.質問を通じて本音を引き出す
本音を引き出すには、ただ話を聞くだけでなく、適切な質問を通じて対話を深めることがポイントです。オープンクエスチョン(Yes/Noで答えられない質問)を使うと、メンティーが自分の考えを言語化しやすくなります。
また、過去の出来事だけでなく、感情や考え、今後どうしたいかといった未来に関する質問も交えると、より本質的な話に踏み込めます。相手のペースに合わせて、焦らず丁寧に進めましょう。
4.気づきや行動につながるフィードバックを行う
メンター面談の中で得られた情報に対して、適切なフィードバックを返すことは、メンティーの気づきや前向きな行動につながります。
フィードバックは「否定」ではなく「支援」の姿勢で行うことが大切です。良い点を具体的に伝えることで自己肯定感を高め、課題がある場合も建設的に伝える工夫をしましょう。
また、本人の考えを尊重しながら「次にどうするか」を一緒に考えることで、面談の効果を実感してもらえます。
5.次回につながる振り返りと目標設定をする
メンター面談の最後には、今回の対話を振り返り、次回につながる目標やアクションを確認しましょう。
振り返りを行うことで、メンティー自身の気づきを整理でき、成長の実感につながります。さらに、「次回までにこれをやってみよう」といった小さな目標を設定しておくと、継続的なフォローアップが可能になります。
メンター面談が単発で終わらず、長期的な支援の場となるよう、次のステップを意識して終えることが大切です。
メンター面談を成功させるためのポイント
メンター面談の成功には、単なるテクニックだけでなく、信頼関係の構築や継続的な取り組み、組織としての支援体制も欠かせません。より面談の質を高めるための実践的なポイントについて、詳しく見ていきましょう。
- 信頼関係の構築を最優先にする
- メンター面談を単発で終わらせない
- メンター自身の学びと成長も意識する
- 組織としての支援体制を整える
信頼関係の構築を最優先にする
メンター面談の成功には、まずメンターとメンティーの間に強固な信頼関係を築くことが欠かせません。信頼がなければ、メンティーは本音を話しにくく、面談の効果も限定的になってしまいます。
信頼関係の構築には、日頃からの丁寧なコミュニケーションや、相手の話を否定せず受け止める姿勢が重要です。また、面談の場だけでなく、普段から関心を持って接することで、心理的安全性が高まります。
信頼を土台にすることで、メンティーの成長や課題解決をより効果的に支援できるでしょう。
メンター面談を単発で終わらせない
メンター面談は単発で行うだけではなく、継続的に実施することが成功のポイントです。一度の面談で得られる情報や成果は限定的であり、継続的な対話を通じて徐々に信頼関係が深まり、メンティーの変化や成長をしっかり把握できます。
定期的な面談スケジュールを組むほか、面談後のフォローアップや振り返りも欠かさず行いましょう。これにより、面談が形だけのものにならず、実際の課題解決やキャリア支援に役立てられます。
メンター自身の学びと成長も意識する
メンター役は教えるだけでなく、自身も学び成長し続ける姿勢が求められます。メンター面談を通じて多様な価値観や考え方に触れ、新たな気づきを得ることが多いからです。
また、面談スキルや傾聴力を磨くための研修や自己学習も重要です。メンターが成長し続ける姿を見せることで、メンティーのモチベーション向上やロールモデルとしての役割を果たせます。
組織としての支援体制を整える
メンター面談を成功させるには、個々のメンター任せにせず、組織として支援体制を整えることが重要です。具体的な支援としては、以下のようなものが挙げられます。
こうした体制づくりがあることで、メンター自身の負担軽減と継続的な活動促進が可能となります。
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まとめ
本記事では、メンター面談の本来の目的やおすすめの頻度、メンターが必ず聞くべき質問項目の例、効果的な進め方、成功のポイントについてまとめました。
メンター面談は単なる業務確認の場ではなく、メンティーの成長や悩みを深く理解し、寄り添う貴重な機会です。効果的に進めるためには、目的の明確化や信頼関係の構築が欠かせません。
また、継続的に面談を行い、フィードバックや目標設定を通じて成長を促すことが重要です。メンター自身も学びを続け、組織全体で支援体制を整えることで、より良い成果につながります。
本記事のポイントを参考に、実りあるメンター面談を実施してください。