2024/11/29
離職対策Z世代がすぐ辞める…早期離職の対策と離職率、退職理由も解説
「Z世代は採用してもすぐ辞めてしまう…」「Z世代の入社3年以内の離職率が高い…」
労働人口が減少する近年、Z世代をはじめとする若手社員の定着が課題となっている企業は珍しくありません。
本記事では、Z世代社員の早期離職を防止する対策について解説しています。Z世代社員の離職率やよくある離職理由、離職の兆候・前兆についても紹介していますので、ぜひ自社の離職防止に役立ててください。
Z世代社員の特徴とは?
まずはZ世代社員についておさらいしておきましょう。Z世代の意味やミレニアル世代との違いを踏まえて、解説していきます。
- Z世代とは?
- Z世代とミレニアル世代の違い
- Z世代社員の特徴
Z世代とは?
Z世代とは、主に1990年代半ばから2010年代初頭に生まれた世代を指す言葉です。英語圏では「Generation Z」と呼ばれます。
Z世代はインターネットやスマートフォンが当たり前の環境で育ち、デジタルネイティブと呼ばれることが特徴です。幼少期から情報技術に触れる機会が多かったため、新しいテクノロジーに対する適応力が高く、オンラインを活用したコミュニケーションや学習に慣れ親しんでいます。
また、グローバルな視点を持つ一方で、環境問題や社会課題にも関心を寄せる傾向があります。
Z世代とミレニアル世代の違い
Z世代とミレニアル世代(主に1980年代から1990年代半ばに生まれた世代)にはいくつかの違いがあります。主な違いとしては、以下のようなものが挙げられるでしょう。
デジタル環境への慣れ
ミレニアル世代はインターネットの普及期を経験して育った「デジタル移行世代」といえますが、Z世代は生まれた時からインターネットやスマートフォンが存在していた「デジタルネイティブ世代」です。
仕事への姿勢
ミレニアル世代は「仕事とプライベートのバランス」を重視しますが、Z世代は「仕事の意義」や「成長機会」をより重要視します。また、Z世代は安定よりも柔軟性や自己実現を求める傾向があります。
価値観と消費行動
Z世代は社会的意義や環境への影響を重視する傾向があります。ミレニアル世代が「体験価値」にお金を使う傾向が強いのに対し、Z世代は「倫理的な商品やサービス」を選ぶことにこだわりを持ちます。
Z世代社員の特徴
Z世代社員は、他の世代と比べて以下のような特徴を持つと考えられます。
Z世代社員の離職率について
令和6年に厚生労働省が発表した調査によると、新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率は大卒で34.9%、高卒は38.4%という結果が出ています。つまり、Z世代にあたる新卒社員の約3人に1人が、早期離職しているのが現状です。
また、産業別で見ていくと特に離職率が高い業界では、3年以内で約2人に1人が早期離職していることがわかります。以下は、新規学卒就職者の産業別就職後3年以内離職率のうち、離職率の高い上位5産業です。
産業 | 離職率 |
---|---|
宿泊業/飲食サービス業 | 56.6% |
生活関連サービス業/娯楽業 | 53.7% |
教育/学習支援業 | 46.6% |
小売業 | 41.9% |
医療/福祉 | 41.5% |
離職率計算エクセルテンプレート
従業員人数、離職者数などを入力することで年間の離職率を簡易に計算することができます。
無料ダウンロードなぜすぐ辞める?Z世代社員の早期離職に多い退職理由
Z世代社員の早期離職を対策するには、まず理由・原因を把握しておく必要があります。Z世代社員の早期離職の理由には、主に以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 配属先や仕事内容への不満
- 社内で良好な人間関係を築けなかった
- キャリアへの不安
- 過度な業務負荷や高すぎる期待
- 給料や待遇への不満
配属先や仕事内容への不満
Z世代社員の早期離職理由の1つに、配属先や仕事内容への不満が挙げられるでしょう。
多くのZ世代は、自分が興味を持つ分野やスキルを活かせる仕事を求めており、入社時に期待していた役割と実際の仕事内容が異なる場合、不満を抱きやすい傾向があります。特に、単調な作業や意義を感じられない業務に長時間事させられると、モチベーションを失い退職を検討するケースが増えます。
社内で良好な人間関係を築けなかった
職場での人間関係の悪化や孤立感も、Z世代が早期に辞める理由の1つです。
Z世代はコミュニケーションを重視する一方で、上下関係よりもフラットな関係を求める傾向があります。そのため、厳しい上下関係や一方的な指導スタイルがストレスとなりやすいのです。
また、職場での友人や相談できる相手がいないと感じると、孤独感から離職を選ぶことがありますので要注意です。
キャリアへの不安
Z世代社員が早期離職してしまう理由として、自身のキャリアへの不安も挙げられます。
Z世代の多くは、将来的な成長やキャリアの方向性を明確にしたいと考えているものです。しかし、キャリアパスが不透明な場合や、将来的な昇進やスキルアップの機会がないと感じると、離職を決断することがあります。
特にZ世代は自己成長を重視するため、挑戦できる環境や明確な目標設定がない職場に対して不満を抱きやすいのです。
過度な業務負荷や高すぎる期待
業務量が多すぎたり、スキルに見合わない高い期待が課された場合、Z世代は早期に離職を考えがちです。
Z世代はワークライフバランスを重視する傾向が強く、過度な業務負荷や長時間労働が続くと精神的なストレスが増大します。また、入社直後から即戦力として過剰なプレッシャーを与えられると、自信を失って早期退職につながるケースも少なくありません。
給料や待遇への不満
給料や福利厚生などの待遇に対する不満も、Z世代が離職を選ぶ理由の1つです。
Z世代は給与額そのものだけでなく、透明性や公平性も重視します。他の社員との格差が大きい場合や、自分の努力が正当に評価されていないと感じると、退職や転職を検討する傾向があります。
また、福利厚生の充実や働きやすい環境も重要な要素です。
Z世代社員が早期離職する前兆
早期離職はその前兆に気付き、適切な対策を講じることで未然に防止できる可能性がぐっと上がります。離職率を改善するためにも、Z世代社員が早期離職してしまう前兆について詳しく見ていきましょう。
- 業務への集中力やモチベーションが低下する
- コミュニケーションの頻度や質が変化する
- 遅刻や欠勤、体調不良が増加する
業務への集中力やモチベーションが低下する
Z世代社員が早期離職を考え始めた際に最初に現れる兆候の一つが、業務への集中力やモチベーションの低下です。具体的な前兆としては、以下のようなものが挙げられます。
これらの兆候を見逃さず、モチベーション低下の原因を早期に探ることが重要です。
コミュニケーションの頻度や質が変化する
職場でのコミュニケーションの頻度や質の変化も、早期離職の前兆としてよく見られる兆候です。
以前は積極的に上司や同僚と話していた社員が急に発言を控えたり、会話が表面的になったりする場合、職場環境への不満や孤立感を抱えている可能性があります。また、メールやチャットなどのレスポンスが遅くなったり、必要最低限のやり取りしかしなくなることも、職場に対する興味や関心が薄れているサインといえます。
コミュニケーションの変化に気づいた場合は、早めに声をかけて現状を聞き取り、適切なサポートを行うことが重要です。
遅刻や欠勤、体調不良が増加する
遅刻や欠勤、体調不良が増えることも、早期離職を考え始めた社員に見られる典型的な兆候です。
Z世代は仕事とプライベートのバランスを大切にする傾向が強いため、業務へのストレスや不満が体調や出勤状況に表れることが少なくありません。また、出勤していても疲れた様子やエネルギー不足が見られる場合、精神的な負担が蓄積している可能性があります。
このような場合は、休暇の取得を促すなどの配慮を行い、業務量や職場環境を再評価することが重要です。
Z世代社員の早期離職を防止する6つの対策
Z世代社員の離職率を改善するには、離職要因へアプローチする根本的な対策が必要です。しかし、いざ自社で離職防止の取り組みを始めようと思っても、なかなか具体的な対策が思い浮かばずお困りの方も多いでしょう。
Z世代社員の離職防止に有効な対策を6つご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- 定期的なフィードバックと面談を実施する
- フラットなコミュニケーション環境を整える
- 柔軟な働き方を導入する
- 配属前に明確なキャリアプランを共有する
- 評価制度を整備し、透明性を高める
- 離職防止ツールやサービスを導入する
1.定期的なフィードバックと面談を実施する
Z世代社員の早期離職を防ぐためには、定期的なフィードバックと面談が欠かせません。
Z世代社員は、自分の仕事がどのように評価されているか、また今後の改善点について具体的なアドバイスを求める傾向があります。上司が適切なタイミングでポジティブなフィードバックを与え、課題があれば建設的な指導を行うことで、社員の安心感や信頼感を高めることができるでしょう。
また、面談を通じて業務や職場環境に関する意見を聞き取ることで、潜在的な不満や問題を早期に把握し、対策を講じることが可能になります。
2.フラットなコミュニケーション環境を整える
Z世代社員は、フラットでオープンなコミュニケーションを好む傾向があります。そのため、上下関係の厳しさや堅苦しい雰囲気は離職理由となることがあります。
上司や同僚との関係を良好に保つためには、意見を自由に言いやすい職場環境を作ることが重要です。例えば、定期的なチームミーティングやカジュアルな交流イベントを企画することで、社員同士の絆を深めることができます。
また、悩みや意見を気軽に相談できる窓口を設けることで、社員が孤立感を抱えずに働ける環境を構築できます。
3.柔軟な働き方を導入する
Z世代社員は、仕事とプライベートのバランスを重視する傾向が強く、柔軟な働き方を求める声が多いです。
リモートワークやフレックス制度などを導入することで、社員が自分のライフスタイルに合わせた働き方を選べるようにすることが有効です。また、働き方の選択肢を広げることで、業務効率の向上やストレスの軽減にもつながります。
さらに、柔軟な働き方を実現するためのルールを整備し、社員全員が公平に利用できる仕組みを整えることが重要です。
4.配属前に明確なキャリアプランを共有する
Z世代社員は、自分の成長やキャリアの方向性を重要視するため、配属前に明確なキャリアプランを共有することが早期離職防止に効果的です。
具体的には、入社時のオリエンテーションでキャリアパスの選択肢や成長機会について説明することが有効です。また、個々の社員のスキルや興味に合った業務を割り当て、適切な目標設定を行うことも重要でしょう。
社員の期待値を調整し、組織内での将来像を描きやすくすることで、長期的な雇用につなげることができます。
5.評価制度を整備し、透明性を高める
Z世代社員は、公平で透明性の高い評価制度を求める傾向があります。不明瞭な評価基準や不公平な待遇が見られると、不満を抱きやすくなり、離職のリスクが高まります。
評価制度を整備する際は、具体的な評価基準を明示し、社員に適切に説明することが重要です。また、評価プロセスをオープンにし、フィードバックを定期的に行うことで、社員の納得感を高めることができます。
さらに、努力が正当に報われる仕組みを構築することで、モチベーションの向上にも寄与します。
6.離職防止ツールやサービスを導入する
離職防止のためには、適切なツールやサービスを活用することも効果的です。
近年では、従業員エンゲージメントを可視化するサーベイツールや、離職リスクをデータ分析で予測するサービスが登場しています。ツールやサービスを利用することで、社員の満足度や不満点を定量的に把握し、早期の対応が可能になります。
また、従業員の声を収集しやすくする匿名のアンケートや、メンタルヘルスをサポートする相談サービスも効果的でしょう。
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まとめ
本記事では、Z世代社員の早期離職を防止する対策や離職率、よくある離職理由、離職の兆候・前兆について解説しました。
Z世代社員の早期離職を防ぐためには、彼らの特徴を理解し、個々のニーズに合わせた職場環境を整えることが重要です。配属前のキャリアプランの明確化や柔軟な働き方の導入、透明性の高い評価制度の構築など、具体的な取り組みが効果を発揮します。
また、定期的なフィードバックやコミュニケーションの改善に加え、離職防止ツールの活用も欠かせません。Z世代が安心して長く働ける職場を目指し、企業全体で取り組むことが、組織の成長と安定的な人材確保に繋がります。