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【人事向け】社内公募面接で必ず聞くべきことは?質問例や進め方も解説

社内公募制度は、社員のキャリア形成を支援し、組織の活性化を促進する重要な仕組みです。その中心となる社内公募面接は、適材適所の人材配置を実現する上で欠かせないプロセスですが、公平性や運用方法において人事の役割が非常に大きく問われます。

本記事では人事担当者向けに、社内公募面接の基本的な流れや必ず聞くべき質問例をまとめています。社内公募面接を成功させるためのポイントや目的、注意点についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

公正かつ効果的な社内公募面接を実施するための実践的なポイントを押さえましょう。

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社内公募面接とは?

社内公募面接とは、社内で募集されるポジションに対して、社員が自ら応募する制度において実施される面接のことです。社内でのキャリアアップやキャリアチェンジを支援する制度の一環であり、人材の活性化や適材適所の配置を目的としています。

社内公募面接では、応募者のスキルや志望動機、将来のキャリアプランなどを把握し、募集ポジションとのマッチ度を見極めることが求められます。外部採用とは異なり、応募者の社内での実績や人柄が既にある程度把握されているため、より具体的かつ踏み込んだ質問や評価が可能です。

公正かつ透明性のある運用が求められる点も、社内公募面接の特徴の一つです。

社内公募面接を実施する目的

企業が社内公募面接を実施する目的を、改めて明確にしておきましょう。主な目的は以下の3つですので、それぞれ詳しくいていきましょう。

  • 適材適所の実現による組織力の最大化
  • 社員のキャリア形成とモチベーション向上
  • 人材の流動性を高める公正な機会提供

適材適所の実現による組織力の最大化

社内公募面接は、社員のスキルや経験を的確に把握し、最適な部署や職務に配置するための重要なプロセスです。

従来の上司推薦や異動とは異なり、社員自らが希望するポジションへ応募するため、主体性の高い人材を新たなポジションに迎えることができます。これにより、業務に対する意欲や責任感が高まり、結果として部署間の連携や組織全体のパフォーマンス向上につながります。

適材適所を実現することで、ミスマッチを防ぎ、生産性の高い組織運営が可能になるでしょう。

社員のキャリア形成とモチベーション向上

社内公募制度は、社員が自身のキャリアを主体的に考え、成長の機会を自らつかむための仕組みです。

社内公募面接ではこれまでの経験や強み、今後のキャリアビジョンを明確に語ることが求められます。このプロセスを通じて、社員は自己理解を深め、自分に合ったキャリアパスを描くことができます。また、自ら手を挙げて選考に臨むことで、モチベーションが向上し、日々の業務への取り組み姿勢にも好影響を及ぼすのです。

人事にとっても、社員のキャリア支援を通じた定着率の向上というメリットがあります。

人材の流動性を高める公正な機会提供

社内公募面接は、社員に対して公平で開かれたキャリア機会を提供する手段でもあります。

部署や上司に関係なく、誰でも応募できる環境を整えることで、組織内の透明性が高まり、風通しのよい職場文化の醸成につながります。また、固定化された人員配置から脱却し、人材の流動性を高めることで、組織の柔軟性や対応力も向上するのです。

人事としては、面接を通じて多様な人材を見極めることで、従来見逃されていた才能やリーダー候補を発掘するチャンスにもなり得るでしょう。

社内公募面接の基本的な流れ

社内公募面接を実施する際の、基本的な流れについて解説します。自社の組織体制や社員数に合わせて、カスタマイズして実施してください。

  • 応募書類の確認と面接準備
  • 面接の実施と評価項目の確認
  • 合否の決定と関係部署との調整
  • 結果通知と今後のフォローアップ

応募書類の確認と面接準備

まずは応募者から提出された書類を確認しましょう。社内での実績やスキル、応募理由を把握することで、面接での質問内容や評価ポイントが明確になります。

加えて、面接日程の調整や候補者への通知もこの段階で行います。人事としては、事前に評価基準や面接の進め方を関係部署とすり合わせておくことが重要です。

面接の実施と評価項目の確認

社内公募面接では、応募者の志望動機やスキルの具体的な活用方法、将来のキャリアビジョンなどを深掘りして確認します。また、現職での業務パフォーマンスやチームとの関係性なども重要な評価対象です。

評価基準は事前に明確にしておき、複数の面接官で客観的な視点から判断することが望まれます。質問の一貫性と評価の公平性を意識しましょう。

合否の決定と関係部署との調整

面接結果を基に、関係部署と連携して最終的な選考結果を決定します。合格と判断した場合でも、異動後の受け入れ体制や業務引き継ぎのタイミングなど、現場との調整が必要です。

人事は双方の部門と連携し、スムーズな移行が行えるようサポートすることが求められます。また、不合格の場合でも本人が納得できるよう、理由を整理しておくと良いでしょう。

結果通知と今後のフォローアップ

最終結果を応募者に通知し、必要に応じてフィードバックを提供します。不合格となった社員に対しては、今後のキャリア支援やスキルアップの機会を提示するなど、モチベーション低下を防ぐ対応が重要です。

また、異動が決定した場合は、受け入れ先の部署と連携し、オンボーディング支援や定着サポートを行うことで、新しい環境での活躍を後押しできます。

【人事向け】社内公募面接で必ず聞くべき質問例

応募者の適性を見極めるには、あらかじめどのような質問をするかまとめておくことが重要です。社内公募面接で必ず聞いておくべき質問例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

  • 志望動機を確認する質問例
  • 現職での実績やスキルを把握する質問例
  • 異動後の業務適応力を見極める質問例
  • チームワークやコミュニケーションに関する質問例
  • キャリアビジョンを問う質問例

志望動機を確認する質問例

面接の初期段階で志望動機を確認することは、応募者の本気度や目的意識を把握するうえで非常に重要です。なぜこのポジションに応募したのか、どのような課題意識や期待を持っているのかを聞くことで、業務への適性や熱意を見極める手がかりとなります。

曖昧な理由での応募や一時的な動機でないかを見極め、公平な判断につなげましょう。

具体的な質問例
  • なぜこのポジションに応募しようと思ったのですか?
  • 応募に至ったきっかけや背景を教えてください。
  • 現在の職務と比べて、このポジションに魅力を感じた点は何ですか?
  • この異動を通じてどのような成長を期待していますか?
  • 応募前に不安だった点や懸念はありましたか?

現職での実績やスキルを把握する質問例

応募者が現職でどのような成果を上げてきたのか、どのようなスキルや知識を培ってきたのかを明確にすることで、新しいポジションへの適性を判断できます。単なる業務内容だけでなく、問題解決力や改善提案など、主体的な取り組みの有無を確認することが重要です。

具体的な質問例
  • 現在の職務で最も誇れる成果は何ですか?
  • これまでに取り組んだ業務で、特に印象に残っているプロジェクトは?
  • 現職で培ったスキルのうち、異動先で活かせると思うものは?
  • チームや他部署との連携で工夫した点を教えてください。
  • 課題に直面したとき、どのように解決に取り組みましたか?

異動後の業務適応力を見極める質問例

新しい職場での早期活躍には、環境への適応力や柔軟性が欠かせません。過去の異動経験や新しい業務への対応姿勢を確認することで、変化に対する耐性や自走力を見極めることができます。

また、自ら学ぶ意欲があるかどうかも評価のポイントです。

具体的な質問例
  • 新しい業務に取り組む際、どのように知識を身につけますか?
  • 未経験の業務に対して不安はありますか?それをどう乗り越えますか?
  • これまでに異動や新しい業務に直面した経験はありますか?
  • 異動先で成果を出すために、どのような行動を意識したいですか?
  • 新しい人間関係やチームに早く馴染むための工夫はありますか?

チームワークやコミュニケーションに関する質問例

社内異動では、新たなチームとの協働が前提となるため、チームワークやコミュニケーション力の有無は重要な評価項目です。これまでの人間関係構築の経験や、対立や意見の違いにどう対処してきたかを尋ねることで、協調性を測ることができます。

具体的な質問例
  • チームで業務を進めるうえで意識していることは何ですか?
  • これまでにチーム内で意見が対立した際、どのように対応しましたか?
  • 他部署と連携したプロジェクトの経験はありますか?
  • 職場で信頼関係を築くために大切にしていることは何ですか?
  • 苦手なタイプの人と協働する際に工夫している点はありますか?

キャリアビジョンを問う質問例

将来的なキャリアの方向性を明確にすることで、本人の成長意欲や会社との方向性の一致を確認できます。短期的な動機だけでなく、長期的にどのような役割を担いたいのかを聞くことで、本人と組織双方にとって良いマッチングが図れます。

具体的な質問例
  • 今後3年〜5年で目指しているキャリア像を教えてください。
  • 長期的にどのような業務や役割を担いたいと考えていますか?
  • 今回の応募は、あなたのキャリア形成にどうつながると考えていますか?
  • 現在の職務からどのようにキャリアを広げていきたいですか?
  • 将来的にリーダーや管理職を目指す意欲はありますか?

社内公募面接を実施する際の注意点

社内公募面接を実施する際の、注意点をいくつかご紹介します。これから社内公募面接を実施する際は、次の点を意識してみてください。

  • 事前準備と評価基準の明確化
  • 応募者への公平・中立な対応
  • 現在の上司との連携と配慮
  • 面接結果のフィードバック対応
  • 異動後の受け入れ体制とフォローアップ

事前準備と評価基準の明確化

社内公募面接を公正に実施するためには、事前の準備が不可欠です。

評価基準や選考フローを明確にし、面接官間で共有しておくことで、主観的な判断や部署間のばらつきを防ぐことができます。また、評価項目が不明確なままだと、応募者への説明が不十分となり、不信感を招く恐れもあります。

採用の可否を決める根拠を明文化し、関係者全員が共通認識を持つ体制づくりが重要です。

応募者への公平・中立な対応

社内の人間関係が影響しやすい社内公募面接では、公平性と中立性が特に重要です。

応募者の過去の評価や人事評価に引きずられることなく、あくまで今回のポジションへの適性に基づいて判断する必要があります。応募者間での情報格差や特定人物へのえこひいきが生じないよう、選考プロセスや評価方法の透明性を確保することが求められるでしょう。

現在の上司との連携と配慮

公募制度では、現所属の上司にとって突然の人員流出につながる可能性があるため、事前の調整や配慮が重要です。

応募者の選考状況を適切なタイミングで共有し、業務引き継ぎや人員補充についても早めに相談することで、部署間の信頼関係を保つことができます。また、上司が応募を妨げるような雰囲気にならないよう、人事が制度の意義を丁寧に説明しておくことも必要です。

面接結果のフィードバック対応

面接結果は、合否にかかわらず応募者にフィードバックを行うことが望まれます。

不合格となった場合には、その理由を具体的に伝えることで、応募者が納得感を持ち、今後の成長に活かすことができます。フィードバックの内容は配慮が必要ですが、建設的な助言と本人の強みにも触れることで、社内のモチベーション低下を防ぐことができます。

異動後の受け入れ体制とフォローアップ

面接が終わり異動が決定した後も、人事の役割は続きます。新しい部署でのスムーズな業務開始を支援するためには、受け入れ側との調整やオンボーディング支援が必要です。

また、異動後の定着状況や悩みをフォローアップすることで、早期離職やミスマッチを防ぐことができます。異動はゴールではなく、スタートであるという視点を持って対応することが大切です。

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まとめ

本記事では、社内公募面接の基本的な流れや必ず聞くべき質問例についてまとめました。

社内公募面接は、社員の成長を支援し、組織全体の人材活用を最適化するための重要な施策です。面接の目的や流れを正しく理解し、適切な質問と公平な評価を行うことで、制度への信頼性を高めることができます。

また、実施にあたっては、応募者や現場への配慮、フィードバックや異動後のフォローなど、面接後の対応も人事の重要な責務です。社内公募を単なる制度にとどめず、組織と社員双方の成長につなげる運用を心がけましょう。

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この記事を書いた人

AME&Company編集部

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