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コンピテンシーモデルとは?作り方や種類、具体例も解説

組織の成果を高めるためには、社員一人ひとりが持つ能力や行動特性を正しく理解し、適切に活用することが欠かせません。そのための指標として注目されているのが、コンピテンシーモデルです。

本記事では、コンピテンシーモデルの意味や種類といった基本的な概念から、活用シーンの例や作り方、職種別の具体例も解説しています。コンピテンシーモデルの活用のポイントを押さえて、組織全体のパフォーマンス向上に役立てましょう。

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コンピテンシーモデルとは?意味について

コンピテンシーモデルとは、組織や職種において成果を上げるために必要な知識・スキル・行動特性を体系化したフレームワークのことです。

単なる業務マニュアルやスキルリストとは異なり、「どのように行動すれば成果につながるか」を明確に示す点が特徴です。コンピテンシーモデルを導入することで、採用・育成・評価など人材マネジメントのあらゆる場面で基準を統一でき、組織全体のパフォーマンス向上につながります。

近年は働き方の多様化や人材不足が進む中で、個々の能力を最大限に引き出し、組織戦略と人材戦略を連動させるツールとして注目されています。組織の成果と人材育成を両立させる重要な指標として、多くの企業で導入が進んでいます。

コンピテンシーモデルの種類

コンピテンシーモデルには主に3つの種類があります。それぞれの特徴や目的を理解することで、自社の人材戦略に最適なモデルを選ぶことが可能です。

まずは、各タイプの違いや活用シーンを押さえ、モデル選定の判断基準を知っておきましょう。

  • 理想型コンピテンシーモデル
  • 実在型コンピテンシーモデル
  • ハイブリッド型コンピテンシーモデル

理想型コンピテンシーモデル

理想型コンピテンシーモデルは、組織が目指すべき理想の行動や能力を基準に設計されるモデルです。現在の社員の能力に左右されず、将来的に組織が求める人材像を明確に示す点が特徴です。採用や育成において「こうあるべき行動」を指標として活用できるため、組織戦略と人材戦略を連動させやすくなります。

ただし、理想像が現実とかけ離れている場合、実務での評価や指導に活用しづらい点には注意が必要です。

実在型コンピテンシーモデル

実在型コンピテンシーモデルは、現状の社員や職務で実際に高い成果を上げている人の行動や特性を分析して作成されるモデルです。現場での成功パターンに基づくため、評価や育成の基準として現実的で理解しやすいのがメリットでしょう。

実務に直結するため、新人教育や目標設定に活用しやすい一方で、組織の将来的な理想像を反映しづらいことがデメリットとなる場合があります。

ハイブリッド型コンピテンシーモデル

ハイブリッド型コンピテンシーモデルは、理想型と実在型の要素を組み合わせたモデルです。現状の高パフォーマーの特性を踏まえつつ、将来的に組織が目指す人材像も取り入れることで、現実性と戦略性を両立させます。

育成や評価の現場で使いやすく、組織の長期的な成長を支える指標として活用可能な反面、設計には理想と現実のバランスを慎重に検討する必要があります。

コンピテンシーモデルの活用例

コンピテンシーモデルは幅広い場面で活用できます。具体的にどのように使われ、どんな効果が期待できるのかを知ることで、コンピテンシーモデルの価値がより実感できます。

現場での具体的な活用方法を押さえて、組織のパフォーマンス向上に役立てましょう。

  • 採用での活用例:適材適所の人材配置に役立つ
  • 育成での活用例:能力開発の指標として活用
  • 人事評価での活用例:公正な人事評価を実現
  • キャリアパス設計での活用例:社員の成長を可視化

採用での活用例:適材適所の人材配置に役立つ

コンピテンシーモデルを採用に活用すると、職務で成果を上げるために必要な能力や行動特性が明確になり、適材適所の人材選びが可能になります。面接や適性検査でコンピテンシーモデルに基づく評価基準を設定すれば、経験や学歴だけでなく、行動特性や潜在能力を正しく評価できます。

結果として、早期離職の防止や組織への定着率向上にもつながり、採用活動の質を高める効果が期待されるでしょう。

育成での活用例:能力開発の指標として活用

社員育成や研修においては、コンピテンシーモデルが能力開発の指標として機能します。現状のスキルや行動特性と理想像を比較することで、個々の成長課題を明確化でき、研修プログラムやOJTの設計に活用可能です。

また、社員自身が必要な能力を理解することで、自主的な学習や目標設定が促され、教育効果の最大化や組織全体のパフォーマンス向上にもつながります。

人事評価での活用例:公正な人事評価を実現

評価や昇進の場面では、コンピテンシーモデルを基準にすることで、公正で透明性の高い人事評価が可能になります。単に成果や経験に依存せず、日常の行動や意思決定の質を評価軸に加えることで、社員の強みや改善点を明確にできるでしょう。

適切な昇進・異動が行われ、組織全体のモチベーション向上や長期的な人材育成戦略の実現に貢献します。

キャリアパス設計での活用例:社員の成長を可視化

コンピテンシーモデルは、社員のキャリアパス設計にも活用可能です。各職務で求められるスキルや行動特性を明確にすることで、将来的な成長ルートを可視化できます。

社員は自分が身につけるべき能力や経験を理解できるため、目標設定や自己啓発がしやすくなります。結果として、社員のモチベーション向上や定着率改善、組織の中長期的な人材戦略の推進に役立つでしょう。

コンピテンシーモデルの基本的な作り方

「コンピテンシーモデルを作りたいけれど、何から手を付ければいいか分からない」という企業も多いはずです。基本的な作り方のステップを順を追って解説しますので、実務向けの手順を押さえましょう。

  1. 職務と成果を明確にする
  2. 必要な能力や行動特性を洗い出す
  3. モデルを体系化する
  4. 評価基準や指標を設定する
  5. 現場で活用し、定期的に見直す

1.職務と成果を明確にする

コンピテンシーモデルを作る第一歩は、対象となる職務と期待される成果を明確にすることです。

具体的には、職務内容や業務プロセス、達成すべき成果指標を整理します。これにより、モデルが「何のために必要なのか」を明確にでき、後続の能力や行動特性の抽出がスムーズになるのです。

また、組織目標や戦略と職務成果をリンクさせることで、モデルの実務適用性を高めることができます。

2.必要な能力や行動特性を洗い出す

次に、職務で成果を出すために必要な知識・スキル・行動特性を洗い出します。

現状の高パフォーマーの行動観察やインタビュー、業務分析を通じて成果に直結する要素を特定しましょう。理想型や実在型の考え方を組み合わせることで、現実的かつ将来的な成長を見据えた能力を整理できます。

このステップでの精度が、コンピテンシーモデルの実効性を左右します。

3.モデルを体系化する

洗い出した能力や行動特性を整理し、分類・体系化する段階です。

大カテゴリ・中カテゴリ・小カテゴリのように階層化すると理解しやすく、評価や育成に活用しやすくなります。また、関連性のある行動をグルーピングすることで、職務ごとの重要な行動特性が一目で分かるコンピテンシーモデルになります。

4.評価基準や指標を設定する

体系化したコンピテンシーモデルに基づき、各行動特性や能力の評価基準を設定します。

例えば、初級・中級・上級といったレベルを設けることで、社員の現状や成長段階を可視化できます。また、評価基準は採用、育成、昇進など複数の場面で一貫して使用できるよう設計することが重要です。

明確な指標があることで、公正で透明性の高い人事管理が可能になります。

5.現場で活用し、定期的に見直す

完成したコンピテンシーモデルは、現場での採用、育成、評価、キャリア開発に活用します。

ただし、組織の戦略や環境変化に合わせて定期的に見直すことが重要です。現場からのフィードバックや業績データを反映させることで、モデルの実効性を維持し、社員の成長や組織パフォーマンスの向上につなげられます。

【職種別】コンピテンシーモデルの具体例

職種ごとに求められる能力や行動特性は、大きく異なるものです。どのようなスキルや行動が成果に直結するのかをイメージできるようにするため、コンピテンシーモデルの具体例を職種別でご紹介します。

  • 営業職における具体例
  • 管理職における具体例
  • 事務職における具体例
  • 看護職における具体例

営業職における具体例

営業職のコンピテンシーモデルでは、成果を上げるために必要な行動特性やスキルを明確化します。顧客のニーズを正確に把握し、最適な提案を行う提案力や交渉力、課題解決力が重要です。

また、目標達成に向けた計画性や自己管理能力も求められます。新人教育や評価基準として活用することで、組織全体の営業力向上に寄与します。

項目例
  • 顧客ニーズの把握力
  • 提案・交渉力
  • 課題解決力
  • 目標管理能力
  • コミュニケーション力

管理職における具体例

管理職のコンピテンシーモデルでは、チームの成果を最大化する行動特性や能力が中心です。成果を出す管理職は、チームメンバーの強みを引き出し、目標達成に向けて指示や支援を適切に行います。

評価や育成に活用することで、組織のマネジメント力向上につながります。

項目例
  • 部下育成力
  • 意思決定力
  • 戦略的思考力
  • コミュニケーション力
  • 問題解決力

事務職における具体例

高い成果を出す事務職員は、ミスを防ぎつつ効率的に作業を進め、必要な情報を適切に関係者へ伝達します。コンピテンシーモデルにすることで、業務標準化や評価基準が明確になり、組織全体の事務効率向上やチーム運営の安定化に役立つでしょう。

項目例
  • 正確性・注意力
  • 業務効率化
  • 報連相(報告・連絡・相談)
  • 対応力
  • IT・システム操作能力

看護職における具体例

看護職のコンピテンシーモデルでは、患者対応力、医療知識、判断力、チームワークが重要です。優れた看護職は、患者の状態を的確に把握し、迅速かつ適切に対応できます。

また、医師や他職種と連携し、チーム医療を円滑に進める能力も求められるでしょう。教育や評価の指標として活用することで、質の高い医療サービス提供につながります。

項目例
  • 患者対応力
  • 医療知識
  • 判断力
  • 協調性
  • コミュニケーション力

コンピテンシーモデルを作る際の注意点

コンピテンシーモデルを作る際には、いくつかの注意点があります。失敗を避け、実効性のあるコンピテンシーモデルを作るためのポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

  • 理想と現実のバランスを意識する
  • 関係者の理解と協力を得る
  • 定期的な見直しと改善を行う

理想と現実のバランスを意識する

コンピテンシーモデルを作成する際は、理想像と現実のバランスを意識することが重要です。理想型だけに偏ると現場で活用しづらく、実在型だけに偏ると将来的な成長戦略に沿わなくなります。

組織が求める行動やスキルを反映させつつ、現場で達成可能な水準を設定することで、モデルの実効性を高められます。

関係者の理解と協力を得る

コンピテンシーモデルを現場で活用するには、経営層や管理職、社員など関係者の理解と協力が不可欠です。目的や活用方法を共有し、導入後の運用体制を整備することで、コンピテンシーモデルが形骸化せず効果的に機能します。

関係者のフィードバックを取り入れることも、現実に即した運用につながります。

定期的な見直しと改善を行う

コンピテンシーモデルは一度作ったら終わりではなく、定期的な見直しが必要です。組織戦略や業務環境の変化に応じて、モデルの内容を更新することで、常に現実に即した指標として活用できます。

定期的な評価や現場からのフィードバックを反映させることで、モデルの精度と効果を維持できます。

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まとめ

本記事では、コンピテンシーモデルの意味や種類といった基本的な概念から、活用シーンの例や作り方、職種別の具体例も解説しました。

コンピテンシーモデルは、組織が求める成果を達成するための行動特性や能力を体系化した強力なツールです。理想型・実在型・ハイブリッド型など種類を理解し、職務や職種に応じて作成・活用することで、採用、育成、評価、キャリア設計などあらゆる人材マネジメントに応用できます。

作成時には理想と現実のバランスや関係者の理解、定期的な見直しを意識することが成功の鍵です。組織の成長と社員の能力向上を両立させるために、ぜひ本記事のポイントを参考にコンピテンシーモデルを活用してください。

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この記事を書いた人

AME&Company編集部

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AME&Company編集部では、人事労務やマネジメントに関するお役立ち情報を発信しています。

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