2024/04/15
離職対策【原因別】離職防止アイデア12選!定着率が改善した成功事例も紹介
「去年より早期離職率が高くなっている…」「定着率改善にはどんな施策が有効なんだろう…」
社員の早期離職が問題視される昨今。自社の定着率を改善したいと思うものの、どのような施策を講じるべきなのか、良いアイデアが浮かばなくてお困りの方も多いことでしょう。
本記事では、離職防止の施策に繋がるアイデアを原因別でまとめました。離職防止が重要な理由、定着率改善に成功した企業の施策事例も紹介しています。
離職防止のためのアイデアが思い浮かばなかった方、具体的な施策を決めかねていた方も、ぜひ参考にしてください。
企業が離職防止に注力すべき理由
終身雇用が崩壊した現代において、適度な離職は企業の新陳代謝の一環という考え方が主流になりつつあります。しかし、離職率が高く過剰な新陳代謝が起きている場合は、何かしらの施策を講じて離職防止に注力する必要があるのです。
まずは、なぜ企業が離職防止に注力すべきなのかを見ていきましょう。
人的リソースの確保が難しい
日本では少子高齢化に伴う労働人口が減少に伴い、人材確保は年々困難になっています。
特に新卒の就職後3年以内の離職率が高く、厚生労働省の資料では2020年3月に卒業した新卒者のうち、大卒が32.3%(前年比+1.1%)、高卒は37.0%(前年比+0.8%)と約3人に1人が離職していることが確認されました。
また、近年では転職に対するハードルが下がり、人材の流出は年々増加傾向にあるため、企業を存続させるには離職防止が不可欠です。
採用・育成コストの損失が大きい
新入社員の採用コストは1人あたり平均100万円近くかかると言われ、さらには研修や資格取得支援などの教育コストもかかります。せっかく採用や教育にコストをかけても、早期離職が続くと損失となってしまう上に人材補填でさらなるコストが必要になります。
採用・育成にかけたコストを着実に回収し、企業利益の向上を図るためにも離職防止に注力すべきと言えるでしょう。
社内のモチベーション低下を招く
離職が増えると既存従業員への業務負担が増え、過度な疲労やストレスがかかってしまいます。結果的にモチベーションの低下を招き、生産性や品質の低下へと繋がるのです。
業務負担を軽減しようと人材を補填しても、既存の従業員は研修や教育に時間を割く必要があるほか、新たな人間関係の構築でさらなるストレスが生まれる可能性もあります。既存従業員の負担が増加し続けると、連鎖退職が発生して悪循環に陥ることも懸念されます。
従業員のモチベーションを高く維持すると共に、慢性的な人手不足を避けるためにも離職防止は重要です。
企業のイメージダウンに繋がる
新卒・中途採用において、定着率の高さは大きなアピールポイントになります。魅力的な労働条件を提示していても、離職率が高いと求職者から「何か裏があるのかな?」「もしかしてブラック企業?」とネガティブなイメージを持たれてしまう可能性があります。
また、離職率が高い企業のイメージが定着してしまうと、業種・業界によっては業績にも影響を及ぼす恐れもあるため、離職防止が急務となる場合もあるでしょう。
離職防止のアイデアを考えるには離職原因の分析が重要
有効な離職防止のアイデアを考えるには、離職原因を分析することが重要になります。
従業員が離職を考えるきっかけは多岐に渡るため、どのような対策が有効なのか判断するのは非常に困難です。離職防止のアイデアが思い浮かばないからと言って、やみくもに施策を講じても期待していた結果は得られない可能性があります。
そのため、離職防止に有効なアイデアが浮かばない場合は、退職者への面談や従業員へのアンケートを実施して現場の声を集め、離職原因となっている組織課題を分析することが大切です。
人間関係が原因の離職防止アイデア
上司からのハラスメント、コミュニケーション不足による孤独感など、職場での人間関係に悩んで離職する人は非常に多いものです。特に人間関係で悩んでいた人は離職理由を明確にせず辞める傾向にあるため、表面上の数値よりも多いことがあります。
特にハラスメントへの対策は企業の義務でもあるため、人間関係を良好にするだけでなく、明確な防止策も含めたアイデアを考える必要があります。
離職防止アイデア①:コミュニケーションの活性化
社内イベントの開催やランチミーティングの導入、気軽に話せるコミュニケーションツールの導入などでコミュニケーションの活性化を図りましょう。直属の上司・部下だけでなく、他部署の従業員同士が交流できるものが望ましいです。
コミュニケーションの活性化を図ることで、従業員の孤立化防止やモチベーションアップが期待できます。
離職防止アイデア②:管理職向けの研修の実施
管理職向けの研修を実施して、マネジメントスキルの向上やハラスメントの防止を図りましょう。社内での研修が業務負担となる場合は、外部の専門家に委託するのも一手です。
従業員にとって頼れる上司がいて、相談しやすい環境を整っていることは大きな安心感があります。
離職防止アイデア③:相談窓口の設置
ハラスメントや職場環境が起因するメンタルの不調など、従業員が抱える悩みに対応する相談窓口を設けましょう。
既に社内相談窓口を設けていたとしても、従業員が存在を認知していなかったり、「どうせ相談しても解決しない…」と思われている可能性があります。そのため、第三者である外部に相談窓口を設けるのも有効です。
業務へのモチベーションが原因の離職防止アイデア
従業員が担当業務への適性がないと感じたり、仕事内容を正当に評価されていないと感じると、モチベーションの低下に繋がります。モチベーションが低いままだと生産性が上がらない上に、より良い環境を求めて離職を選択してしまうことも考えられるでしょう。
業務へのモチベーションを上げるには、従業員のスキルに応じた明確な目標設定や環境整備を盛り込んだアイデアが必要になります。
離職防止アイデア④:1on1ミーティングの実施
1on1ミーティングとは、上司による部下の育成を目的とした個人面談です。週1回〜月1回の短いスパンで定期的に開催して部下の現状をヒアリングし、フィードバックを行うことでモチベーションの向上を図ります。
1on1ミーティングのメリットはモチベーションの向上だけでなく、信頼関係の構築やキャリア形成など多岐にわたります。
離職防止アイデア⑤:評価制度の整備
自身の能力に対する評価が不適切だと感じている従業員が多い場合は、人事評価制度を整備しましょう。年齢や勤続年数だけを重視するのではなく、個々の能力に対しても評価することが大切です。
上司だけでなく、同僚や部下からのフィードバックも取り入れたり、成果だけでなく過程も評価対象とすることで、今まで気付けなかった面での貢献が見つかるかもしれません。
離職防止アイデア⑥:配置転換
本人のスキルを最大限活かすことができ、より成果に繋がるポジションを用意できる場合は配置転換も有効です。適性がないポジションに配置された従業員は業務へのモチベーションが下がり、長時間労働や人間関係の悪化を招いてしまう可能性があります。
従業員本人の希望が反映される制度を導入するなど、適材適所を目指しましょう。
労働環境・条件が原因の離職防止アイデア
給与や労働時間、休日などの労働環境・条件に不満を持つ従業員が多いと、どうしても離職が多くなってしまいがちです。単純に給与のベースアップや労働時間の短縮を図ろうとしても、その他のトラブルや不満が募る恐れもあるため慎重な対応が求められます。
労働環境・条件が原因である場合の離職防止には、ワークライフバランスを考慮したアイデアが求められるでしょう。
離職防止アイデア⑦:インセンティブの導入
給与や報酬に対する不満を持つ従業員が多い場合は、インセンティブ制度の導入を検討してみましょう。努力した成果が適切に給与に反映されることで、モチベーションの向上だけでなく従業員自身のスキルアップも期待できます。
インセンティブは金銭だけでなく、昇進や昇格による評価インセンティブ、人間関係によってモチベーションの向上を図る人的インセンティブなどもあります。
離職防止アイデア⑧:柔軟な働き方の導入
従業員にとってより働きやすい環境を目指して、柔軟な働き方を導入するのも一手です。リモートワークやフレックス制度など、自社に合った働き方を検討してみましょう。
唐突に働き方を変えてしまうと現場の混乱を招く恐れもありますので、週に数回など段階を踏んで様子を見ながら導入することも大切です。
離職防止アイデア⑨:休暇制度の整備
休会制度を整備して、ワークライフバランスを整えることも効果的です。有給消化の推奨日を設けるほか、リフレッシュ休暇や病気休暇、ボランティア休暇などの法定外休暇を設けても良いかもしれません。
法定外休暇を導入する際は、管理職のポジションにある従業員が積極的に活用することで、誰もが休暇を取得しやすい雰囲気を作り出せます。
将来性が原因の離職防止アイデア
従業員に長く定着してもらうには、企業や自身のキャリアに将来性を感じてもらうことが大切です。もしも従業員が企業の将来性に不安を感じたり、キャリアプランを思い描けない場合は離職を招いてしまいます。
企業やキャリアの将来性が原因の離職防止には、それらの不安や違和感を払拭できるようなアイデアが求められるでしょう。
離職防止アイデア⑩:企業ビジョンの共有
企業の将来性に対して不安を抱える従業員が多い場合は、企業ビジョンを共有することが有効です。中長期的なビジョンや事業プランに加えて、現在の状況も明確に共有するようにしましょう。
上場企業でない限り決算開示の義務はありませんが、不安を払拭するために従業員向けの説明を行うことは重要です。
離職防止アイデア⑪:資格取得支援/研修制度の導入
資格取得支援や研修制度を導入して、従業員が成長できる環境を整えましょう。従業員が「この会社なら成長し続けられる」と感じられれば、キャリアの将来性に関する不安を払拭することができます。
個々の業務に関わる資格取得支援や研修を導入することで、離職防止だけでなく生産性の向上も期待できるでしょう。
離職防止アイデア⑫:キャリアパスの明確化
キャリアパスが不透明なままだと従業員は不安を抱えてしまうため、明確化しましょう。
どのような基準・条件で昇進するのか具体的な目的が見えれば、モチベーションの向上や主体的な行動を促進する作用も期待できます。主体的で能力のある人材の確保は、事業の成長にも繋がります。
離職率計算エクセルテンプレート
従業員人数、離職者数などを入力することで年間の離職率を簡易に計算することができます。
無料ダウンロード定着率改善に成功した企業の施策事例
自社の離職防止に繋がるアイデアがなかなか思い浮かばない時は、他社の取り組みを参考にするのも一手です。どのようなアイデアで離職を防止できたのか見ていきましょう。
株式会社鳥貴族
1年以内の離職率は20%と言われる飲食業界において、常に低い離職率を維持しているのが株式会社鳥貴族です。鳥貴族では以下の取り組みを行うことで、2021年には入社後半年間の離職率8.1%と業界屈指の低さを実現しています。
株式会社レオパレス21
一般的に離職率が高いと言われている不動産業界の中で、離職防止を成功させたのが株式会社レオパレス21です。レオパレス21では以下の取り組みによって業界平均を超える離職率から、わずか9%弱までの改善を3年間で実現しました。
株式会社ビースタイル
総合人材サービスを提供している株式会社ビースタイルでは、リーマンショックの影響で27%までに達していた離職率を、コミュニケーションの活性化を中心とした取り組みを行うことで、3年間で8%まで改善することに成功しました。
参考:ビルディンググループ
アイデアが浮かばない時はツールを導入するのも一手
前述の通り、ジャストアイデアで離職防止の施策を講じても、期待した結果を得られる可能性は低いものです。自社の従業員がどのような不安や不満を抱えていて、離職に至るのかを適切に分析することが重要になります。
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離職防止アイデアのまとめ
本記事では、離職防止の施策に繋がるアイデアを原因別でご紹介しました。
人間関係や業務へのモチベーション、労働環境・条件、将来性といった代表的な離職原因に対するアイデアをご紹介しましたが、従業員が離職を考えるきっかけは多岐に渡ります。そのため、有効な離職防止のアイデアを考えるには、まず離職原因を分析することが重要です。
また、有効なアイデアが思い浮かばない時は、離職防止ツールを導入してみるのもおすすめです。
離職防止アイデアに行き詰まった時は、ぜひ本記事をお役立てください。