2025/10/28
人材育成【テンプレート付】面談記録の上手な書き方は?残し方のコツと注意点も解説
面談の内容をただ記録するだけでは、後から振り返っても役立たないことがあります。組織改善やマネジメントに活用するためには、面談記録を上手にまとめる工夫が必要です。
本記事では、面談記録を効率的に整理する方法や押さえておくべき基本項目、書き方のコツ、注意点を分かりやすく解説します。すぐに使える基本項目と記入例のテンプレートも掲載していますので、ぜひお役立てください。
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面談記録が必要になるシーン例
人事やマネジメントの現場では、面談の内容を「どのように残すか」が重要なポイントになります。どんな場面で記録が求められるのかを理解することで、適切な対応や活用がしやすくなります。
- 人事面談
- 採用面談
- 営業面談
人事面談
人事面談は、評価・キャリア・育成など社員の成長に関わる重要な場面です。面談記録を残すことで、上司間の評価基準のばらつきを防ぎ、次回評価や昇進判断の根拠としても活用できます。
また、本人の目標設定や課題認識を明確にし、フォローアップの質を高めることにもつながります。特に、1on1や定期面談では「いつ・何を話したか」を記録しておくことで、継続的な支援や組織全体の育成戦略に生かすことができるでしょう。
採用面談
採用面談では、応募者の評価内容や面接官の所感を記録することが欠かせません。面談記録を残すことで、複数の面接官が関与する場合でも一貫した評価を行いやすくなり、採用判断の透明性が向上します。
また、採用後に「期待値と実際のギャップ」を検証する際のデータとしても活用可能です。特に、選考過程での質問内容や応募者の反応を記録しておくことで、今後の採用プロセス改善や人材要件の見直しにも役立ちます。
営業面談
営業面談では、個々の営業担当者の進捗確認や課題共有、案件戦略の立て直しなどが中心となります。面談記録を残すことで、上司と部下が合意したアクションプランを明確化し、次回の面談で成果を追跡しやすくなります。
また、チーム全体の営業活動を可視化する資料としても役立ち、マネージャー間での情報共有にも有効です。特に、成績不振や顧客トラブルが発生した際には、過去の面談記録が改善経過や判断の根拠として重要な役割を果たします。
面談記録を残しておく目的
ただ面談記録を書くだけではなく、「なぜ残すのか」を明確にすることで、面談の質や後の活用度が大きく変わります。記録の目的を整理し、戦略的に活かすための視点を確認しましょう。
- 人事判断の根拠を明確にするため
- 社員のフォローアップに活用するため
- トラブルや労務リスクの防止するため
- 組織全体のマネジメント品質を高めるため
人事判断の根拠を明確にするため
面談記録は、昇進・評価・配置転換などの人事判断を行う際に、客観的な根拠を示す重要な資料です。
口頭だけのやり取りでは記憶の曖昧さや主観が入りやすく、後から説明責任を果たすことが難しくなります。面談時に交わした事実や発言内容を記録しておくことで、「なぜこの評価・判断に至ったのか」を明確にし、公正な人事運営につなげられます。
また、上司間での評価基準の統一にも役立ち、組織全体の透明性を高めることができるでしょう。
社員のフォローアップに活用するため
面談記録は、社員一人ひとりの目標達成や成長支援を継続的に行うための重要なツールです。
過去の面談内容を振り返ることで、課題や改善点の進捗を確認でき、的確なフィードバックや支援が可能になります。また、異動や上司交代があっても、記録が残っていれば育成の方向性を引き継ぎやすく、継続的なサポートが途切れません。
社員本人にとっても、自身の成長や課題を客観的に把握できる機会となり、モチベーション向上にもつながります。
トラブルや労務リスクの防止するため
面談記録は、トラブルや労務リスクを未然に防ぐための「証拠」としての機能も持ちます。
特に、勤務態度の指導やパフォーマンス改善、ハラスメント相談など、後に紛争につながる可能性のある場面では、やり取りを正確に残しておくことが欠かせません。記録があれば、会社として適切な対応を取っていたことを証明でき、法的トラブルの際にも有効です。
また、過去の記録を振り返ることで、問題の再発防止や組織的なリスクマネジメントにもつながります。
組織全体のマネジメント品質を高めるため
面談記録は、個人対応の積み重ねを組織的な知見へと変えるための基盤です。
面談記録を定期的に共有・分析することで、マネージャー間の対応のばらつきを減らし、組織全体のマネジメント品質を高めることができます。また、共通のフォーマットで記録を残すことで、面談内容の可視化が進み、課題の傾向や人材育成の方向性を組織単位で把握できるようになります。
面談記録に掲載する基本項目について
面談記録は、必要な情報を整理しておくことで初めて役立ちます。何をどのように書くべきか、基本構成を押さえておきましょう。
- 基本情報
- 面談の目的・テーマ
- 発言の要点
- 今後のアクション内容
- 面談者の所感
基本情報
面談記録の冒頭には、以下の基本情報を必ず記載します。これらの情報があることで、面談の経緯を正確に追跡でき、後から別の上司や人事が確認する際にも状況を把握しやすくなります。
また、複数の面談記録を比較する際にも、時系列の整理や進捗の把握に役立ちます。特に人事評価やトラブル対応に関わる面談では、記録の「証拠性」を担保するためにも、形式的な部分を省略せず、正確に残すことが重要です。
面談の目的・テーマ
面談記録を残す際は、「この面談は何を目的として行ったのか」を明確にすることが大切です。目的が曖昧なままでは、記録の意味が薄れ、次回以降のフォローも困難になります。
例えば「業績評価」「目標設定」「行動改善」「キャリア相談」など、テーマを一言で整理しておくと、記録の整理や後日参照が容易になります。また、複数の目的がある場合は、主目的と副目的を分けて記載しておくと、判断のブレを防ぎ、組織内の情報共有にも有効です。
発言の要点
面談内容の中心となるのが、上司と本人の発言や合意事項の記録です。すべてを逐語的に書く必要はありませんが、重要な発言や事実関係、認識の違いなどは簡潔にまとめておくことが求められます。
特に、課題に対する本人の考え方や、上司のフィードバック、今後の取り組み方針などは明確に記録しましょう。ポイントは、「誰が何を言ったか」を曖昧にせず、客観的な表現で残すことです。
今後のアクション内容
面談後の行動計画やフォロー方針を明記しておくことで、記録は「振り返り」だけでなく「実行管理」のツールにもなります。具体的な改善点や目標、期限、担当者を設定し、「次回までに何を実行するのか」を明確にしましょう。
また、上司側が行うサポート内容(同行、教育、面談の再設定など)も併せて記載しておくと効果的です。アクションが具体的に記録されていれば、後日成果を検証しやすく、面談の継続性と実効性を高めることができます。
面談者の所感
面談記録の最後には、面談者としての印象や評価を簡潔に残しておくとよいでしょう。たとえば、「前回よりも主体的な発言が増えた」「課題意識はあるが行動に移せていない」など、観察に基づいたコメントを添えることで、次回の面談時に振り返りやすくなります。
また、所感は上司の主観が反映される部分でもあるため、感情的な評価ではなく、事実を踏まえた冷静な記述を心がけることが重要です。
面談記録シートのテンプレート
以下の面談記録テンプレートは、どの部門・職種でも活用できる汎用的な面談記録フォーマットです。会話内容を長文で残す必要はなく、要点とアクションを簡潔にまとめることがポイントです。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 面談日時/面談者/対象者 | 2025年10月25日 面談者:人事部〇〇 対象者:営業部△△ |
| 面談の目的・テーマ | 半期評価に向けた目標達成度の確認と課題整理 |
| 発言の要点 | 本人:売上目標の達成率は85%。課題は新規開拓の時間確保 上司:優先順位を明確にし、週次で進捗確認を実施 |
| 今後のアクション内容 | 週1回の営業進捗ミーティングを実施。次回面談は11月末予定。 |
| 面談者の所感 | 自主性が高まり、課題意識も明確。次回は具体的な成果の確認を重視。 |
ExcelやWord、Googleフォームなど、既存の管理ツールにも簡単に転用できます。記録を統一することで、面談の質を均一化し、組織的なマネジメントの一貫性を高めることができるでしょう。
面談記録の上手な書き方のコツ
「面談内容をどうまとめるか」で記録の質は大きく変わります。客観性や具体性を保ちながら、読み返しやすく再利用しやすい記録を作るためのポイントを紹介しますので、参考にしてください。
- 客観的な事実と主観的な印象を分けて書く
- 具体的なエピソードや数値で記録する
- 記録フォーマットを統一する
客観的な事実と主観的な印象を分けて書く
面談記録では、事実と印象を明確に区別することが重要です。
たとえば、「遅刻が3回あった」という客観的事実と、「仕事への意欲が低いように感じた」という主観的印象を混同して書くと、後から読み返した際に誤解を生む恐れがあります。面談者の感情や印象は参考情報として別欄に記載するなど、フォーマット上でも整理しておくと良いでしょう。
客観性を保つことで、評価や次回面談時の対話の質を高めることができます。
具体的なエピソードや数値で記録する
抽象的な表現ではなく、具体的な事例や数値を記録することで、面談の内容がより再現性のあるデータになります。
たとえば「最近成果が上がっていない」ではなく、「今月の売上が先月比で20%減少した」と書くことで、問題の背景を正確に把握できます。また、「報連相の頻度が週1回から週3回に増えた」といった行動変化も重要な記録です。
具体性のある記述は、次回の面談や上司・人事部との共有にも役立ちます。
記録フォーマットを統一する
面談記録の価値を最大化するには、個人任せにせず、チーム全体でフォーマットを統一することが不可欠です。
記入項目や記載ルールをそろえることで、誰が見ても理解しやすく、評価やフォロー体制にも一貫性が生まれます。たとえば「課題」「行動目標」「上司コメント」などを統一すれば、比較・分析もしやすくなります。
面談担当者同士で共有・振り返りを行う仕組みを整えることで、組織としての人材育成の質が向上するでしょう。
面談記録を残しておく際の注意点
個人情報や組織運営に関わる面談記録には、慎重な取り扱いが求められます。トラブルや誤解を防ぎながら、信頼性の高い記録を運用するための注意点を押さえておきましょう。
- 個人情報の取り扱いに十分配慮する
- 面談記録の共有範囲を明確にする
- 定期的に記録内容を見直し、更新する
個人情報の取り扱いに十分配慮する
面談記録には、社員の評価や健康状態、家族状況など、センシティブな情報が含まれることがあります。そのため、記録の保管や共有には厳重な注意が必要です。
アクセス権限を限定し、閲覧可能者を最小限にすることが基本です。また、クラウドや共有フォルダを利用する場合は、パスワード管理や暗号化の徹底も欠かせません。
面談記録の共有範囲を明確にする
面談記録は、必要な人だけが閲覧できるように範囲を明確にしておくことが大切です。人事担当者や直属の上司など、業務上の判断やフォローに必要な範囲に限定することで、社員の安心感を保ちつつ、情報の悪用を防げます。
また、共有の目的や利用範囲を明確にしないまま記録を扱うと、「監視されている」といった不信感を生むおそれがあるため、透明性のある運用が重要です。
定期的に記録内容を見直し、更新する
面談記録は作成して終わりではなく、定期的な見直しと更新が不可欠です。古い情報や状況が変化した内容を放置すると、誤った判断や対応につながるリスクがあります。
特に異動や昇進、体制変更のタイミングでは、最新の状態に合わせて内容を整理しましょう。また、不要になった記録は適切な時期に破棄し、情報の肥大化や管理ミスを防ぐことも大切です。
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まとめ
本記事では、面談記録を効率的に整理する方法や押さえておくべき基本項目、書き方のコツ、注意点を分かりやすく解説しました。
面談記録は、組織の透明性や社員育成の質を高めるための重要なツールです。適切な内容と形式で記録し、活用目的を意識することで、評価やフォローの精度が向上します。
本記事で紹介したポイントを押さえて、日々の面談記録をより効果的に残す習慣を身につけましょう。

