2025/07/30
人材育成人事評価にAIを活用するメリット・デメリット集|導入事例や活用例も紹介

AIの活用は人事分野にも広がりを見せており、中でも人事評価の領域で注目を集めています。人事評価にAIを取り入れることで様々なメリットが得られる反面、いくつかのデメリットが存在することも事実です。
本記事では、人事評価にAIを活用するメリット・デメリットについて解説しています。人事評価でAIが活用されるシーンの例や導入した企業の事例、注意点についても紹介していますので、ぜひお役立てください。
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人事評価でAIが重要視される背景
近年、企業における人事評価の在り方が見直される中で、AIの活用が注目を集めています。
従来の人事評価は、上司の主観や曖昧な基準に左右されやすく、社員のモチベーション低下や評価の不公平感といった課題を抱えていました。これに対してAIは、蓄積された人事データや業務実績をもとに、客観的かつ一貫性のある評価を可能にします。
また、働き方の多様化やリモートワークの普及により、従業員の成果や貢献度を可視化する必要性が高まっており、定量的なデータ分析ができるAIの活用はその解決策として期待されています。こうした背景から、AIは人事評価の質を向上させる有力なツールとして注目されているのです。
人事評価でAIが活躍するシーンの例
AIが人事評価のどのような場面で活躍しているのか、具体的なシーンや活用方法について詳しく見ていきましょう。
- 評価データの自動集計と分析による客観的な評価支援
- 360度評価やフィードバックのテキスト解析による傾向把握
- 評価基準と成果のマッチングによるパフォーマンスの可視化
- 過去の評価履歴からの昇進・昇格予測と適正判断
評価データの自動集計と分析による客観的な評価支援
AIは勤怠データや業務実績、目標達成度などの定量情報を自動で集計・分析し、人事評価の基盤を構築することができます。従来は担当者が手作業で集めていた情報も、AIを活用すればリアルタイムで収集・整理され、評価時の参考資料としてすぐに活用できるでしょう。
また、同様の業務に対する評価の傾向を比較・分析することで、評価のばらつきや主観的な判断を是正し、より公平性のある評価が可能になります。
360度評価やフィードバックのテキスト解析による傾向把握
AIの自然言語処理技術を用いれば、360度評価や日々のフィードバックなどの自由記述テキストから、傾向を自動で読み取ることが可能です。
例えば、部下からの評価コメントに含まれるキーワードや表現のトーンを解析することで、対象社員のリーダーシップや協調性、課題意識などを客観的に評価する手がかりになります。表面的な数値評価だけでは見落とされがちなソフトスキルも可視化でき、人事評価の多面的な判断に貢献します。
膨大なコメントをAIが短時間で処理できるため、業務の効率化にもつながるでしょう。
評価基準と成果のマッチングによるパフォーマンスの可視化
AIはあらかじめ設定された評価基準と従業員の業務成果を照合し、どの程度基準を満たしているかをスコア化することができます。
例えば、営業職であれば売上目標の達成率や顧客満足度の指標をもとに、パフォーマンスを定量的に評価できます。また、職種ごとに異なるKPIに基づいたデータを集計・分析することで、個々の役割に応じた評価が実現しやすくなります。
AIによって属人的な評価を排除し、誰が見ても納得できる「見える化された成果評価」が可能になるのです。
過去の評価履歴からの昇進・昇格予測と適正判断
AIは過去の人事評価や昇進履歴、業務データをもとに、今後のキャリアパスや昇進の可能性を予測することができます。これにより、組織内の将来のリーダー候補を早期に特定したり、本人の適性に応じた成長機会を提供したりすることが可能です。
また、昇進後に活躍できるかどうかの予測も行えるため、従来の「年功序列型」の昇進ではなく、「適正重視型」の人材登用が進みます。
人事評価にAIを活用する4つのメリット
人事評価にAIを取り入れることで、属人的な判断を排除し、より公平かつ客観的な評価が可能になると言われています。ここでは、AI活用によって期待できる具体的なメリットについて代表的なものをご紹介します。
- 評価業務の負担を軽減
- 評価の公平性と一貫性が向上
- データに基づいた客観的な意思決定を実現
- 人的リソースの最適化
評価業務の負担を軽減
人事評価は多くの情報を集約・分析しなければならず、担当者にとって大きな負担となる業務です。AIを導入することで、業務実績や勤怠データなどの自動集計が可能となり、手作業の工数を大幅に削減できます。
また、評価項目の分析や傾向の可視化もスムーズになり、評価作業の効率が向上します。人事担当者は、より重要な戦略的業務に集中できるようになるでしょう。
評価の公平性と一貫性が向上
AIはあらかじめ設定された評価基準に沿ってデータを処理するため、評価のばらつきや担当者の主観に左右されにくくなります。同じ条件・基準で従業員を評価することで、一貫性と公平性のある評価が可能になります。
また、評価理由の根拠もデータとして残るため、社員に対して納得感のあるフィードバックを提供でき、信頼性の高い評価体制を築くことができます。
データに基づいた客観的な意思決定を実現
AIは人事評価に関連する膨大なデータをリアルタイムで処理・分析し、客観的な判断材料を提供します。昇進や配置転換、育成方針などの意思決定を感覚や印象に頼らず、根拠あるデータに基づいて行うことが可能です。
客観性が担保されることで、経営層や他部署からの信頼も高まり、組織全体の透明性向上にもつながります。
人的リソースの最適化
AIが従業員一人ひとりのスキルや成果、適性を分析することで、最適な人材配置や育成方針を導き出すことが可能になります。組織内のリソースを最大限に活用でき、過剰な人員配置や適性に合わない業務からくるパフォーマンス低下を防げます。
また、タレントマネジメントにも役立ち、戦略的な人材活用を実現する土台となります。
人事評価にAIを活用する3つのデメリット
様々なメリットが得られる一方で、AIによる人事評価には慎重な運用が求められます。AI活用に潜むデメリットやリスクについてもしっかり把握しておきましょう。
- 評価結果への過度な依存が生じる可能性
- AI導入に対する現場からの反発が生まれるリスク
- 従業員の感情面への配慮が不足しやすい
評価結果への過度な依存が生じる可能性
AIは膨大なデータをもとに正確な分析を行えますが、すべての評価をAIに委ねることで、人間的な判断が軽視される懸念があります。特に、日々の努力やチームへの貢献など、数値化が難しい側面はAIだけでは正しく評価できません。
AIの出す結果を「絶対」として扱ってしまうと、柔軟で多面的な評価が失われる可能性があり、従業員のやる気を損ねる要因にもなりかねません。
AI導入に対する現場からの反発が生まれるリスク
AIを活用した人事評価に対して、現場からは「機械に評価されるのは納得できない」といった不安や抵抗感が生じることがあります。特に、長年の経験や直感を重視してきた評価文化が根付いている企業では、AI導入が人間関係や信頼構築に悪影響を及ぼすこともあります。
導入にあたっては、AIの役割や限界を明確にし、社内への丁寧な説明と合意形成が欠かせません。
従業員の感情面への配慮が不足しやすい
AIは論理的で定量的な分析には優れていますが、従業員の感情や人間関係といった「非数値的な要素」を汲み取るのは難しい側面があります。その結果、評価結果が冷たく機械的に感じられ、従業員が「理解されていない」と感じる原因にもなり得るため注意が必要です。
感情面への配慮が欠けると、評価に対する不信感が生まれ、離職やモチベーション低下につながる恐れもあります。
人事評価にAIを活用する際の注意点
AIの導入によって人事評価が効率化される一方で、制度設計や運用方法を誤ると従業員の不信感を招く可能性もあります。AIを適切に運用するために押さえておくべき、注意点について詳しく見ていきましょう。
- 評価基準やアルゴリズムの透明性を確保する
- 人間の判断とのバランスを保って運用する
- 従業員への丁寧な説明と納得感の醸成
評価基準やアルゴリズムの透明性を確保する
AIによる評価は客観性が期待される一方で、どのような基準やロジックで判断されているのかが不明瞭だと、従業員の不信感を招く可能性があります。
そのため、AIが用いる評価基準やアルゴリズムの内容はできる限りオープンにし、どのデータがどのように活用されているのかを明示することが重要です。透明性を確保することで、社員が評価プロセスに納得し、AIに対する信頼も高まります。
人間の判断とのバランスを保って運用する
AIは大量のデータを処理し、評価の効率化や精度向上に寄与しますが、人間の感情や職場内での関係性といった「数値化できない要素」までカバーすることは困難です。
そのため、AIの評価結果は参考情報として活用し、最終的な判断は人間が下すというバランスが求められます。定量と定性の両面から評価を行うことで、公正かつ柔軟な人事評価が可能になります。
従業員への丁寧な説明と納得感の醸成
AIを人事評価に導入する際は、従業員に対してその目的や運用方法を丁寧に説明することが欠かせません。
「なぜAIを使うのか」「どのように評価に反映されるのか」といった疑問に明確に答えることで、不安や誤解を防ぎます。また、定期的なフィードバックの場を設け、社員の声を反映する運用体制を整えることで、納得感を高め、AI活用への理解と受容が進みます。
人事評価にAIを導入した企業の事例
実際にAIを人事評価に導入している企業の取り組みを知ることで、導入後の運用イメージや成果を具体的に掴むことができます。AI導入による成功事例や実際の効果について、複数の企業のケースをご紹介します。
- 事例1:KDDI株式会社
- 事例2:松屋フーズホールディングス
- 事例3:IBM
事例1:KDDI株式会社
KDDI株式会社では、等級や職能の混在による評価の曖昧さや、ダイバーシティ指標の未整備といった課題に対し、AIと面談ログのNLP解析を活用。30専門領域ごとの評価ロジックを可視化し、評価ばらつきを最大38%抑制しました。
ダイバーシティのKPIも週次で取締役会に報告され、評価サイクルも年2回から四半期に短縮。15か月で全社展開を完了し、人材育成の迅速化を実現しています。
事例2:松屋フーズホールディングス
松屋フーズホールディングスでは、店長昇格試験の評価基準の不統一により、納得感の欠如や評価のばらつきが課題でした。
AI面接システムを導入したことで、全受験者を同一基準で可視化・評価できるようになり、人事部の業務負担も軽減。評価のバラつき抑制、面接エビデンスの記録、的確なフィードバック、人事業務の効率向上など、複数の改善効果が得られています。
事例3:IBM
IBMでは約37万人の従業員に対して、AIを人事全般に活用しています。報酬決定時には、成果だけでなくスキルの市場価値や需要など複合的な情報をAIが瞬時に分析し、マネージャーに助言。
AIはあくまで補助役であり、マネージャーが判断を上書きすると、その内容を学習してモデルに反映。人間の判断力とAIのスピードを融合させた実用的な仕組みが構築されています。
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まとめ
本記事では、人事評価にAIを活用するメリット・デメリットについて解説しました。
AIによる人事評価は、評価の透明性向上や業務負荷の軽減など、多くのメリットがある一方で、運用方法を誤ると信頼性の低下や従業員の不満を招く恐れもあります。導入にあたっては、自社の評価制度との整合性や、AIのアルゴリズムの適正を慎重に見極めることが重要です。
事例を参考にしながら、自社にとって最適な活用方法を検討することが、AI導入の成功につながります。