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オフボーディングとは?意味やオンボーディングとの違い、施策例も解説

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近年、オフボーディングが企業の信頼維持や情報管理の観点から注目され、戦略的に取り組む企業が増えています。適切なオフボーディングを実施することで、退職者との良好な関係を保ちつつ、組織の健全な成長や人材活用の可能性を広げることが可能です。

本記事では、オフボーディングの意味や基本的な概念について、わかりやすく解説しています。オフボーディングに取り組むメリットや具体的な施策例、進め方、オンボーディングとの違いについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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オフボーディングとは?意味や違いについて

企業におけるオフボーディングは、従業員が退職する際の重要なプロセスとして注目されています。まずはオフボーディングの意味やオンボーディングとの違いについて、詳しく見ていきましょう。

オフボーディングの意味をわかりやすく

オフボーディングとは、従業員が退職する際に行われる一連の対応やプロセスを指します。具体的には、以下のようなプロセスがオフボーディングに含まれます。

オフボーディングのプロセス例
  • 業務の引き継ぎ
  • 社内アカウントの停止
  • 退職手続き
  • 備品の返却
  • 送別会の開催
  • 退職面談

近年では、これらのプロセスが単なる事務手続きにとどまらず、退職者との良好な関係を保ち、企業の評判や再雇用の可能性にまで配慮した対応が求められつつあるのです。特にSNSなどで社員の声が広まりやすい現代では、オフボーディングの質が企業イメージに直結することもあります。

そのため、最後まで誠実に向き合い、感謝の気持ちを伝えることが重要です。オフボーディングは「退職する社員の最終体験」であり、企業文化を映す鏡とも言えるでしょう。

オフボーディングとオンボーディングの違い

オフボーディングと対になる概念が、オンボーディングです。

オンボーディングは、新入社員がスムーズに職場に適応し、早期に戦力化するための支援プロセスを指します。入社初日から数週間〜数か月にわたり、業務指導や人間関係の構築、企業文化への適応支援などが行われます。

これに対してオフボーディングは、退職する社員に対して行うサポートです。円滑な退職のための手続きや、企業の知的資産の保護、社内外への情報共有などが主な内容となります。

つまり、オンボーディングが「入り口の支援」であるのに対し、オフボーディングは「出口の支援」です。両者をバランスよく整えることで、従業員のエンゲージメント向上や企業の信頼性強化につながります。

オフボーディングが重要視される背景

オフボーディングが重要視される背景には、労働市場の流動性の高まりと企業のブランド価値への意識の変化があります。終身雇用が当たり前ではなくなり、人材が入れ替わることが常態化する中で、退職者との良好な関係を保つことが、将来的な再雇用やリファラル採用、口コミによる企業評価に直結します。

また、退職者が顧客や取引先になるケースも多く、退職後も良好な関係を維持することがビジネスチャンスにつながることもあるでしょう。さらに、知的財産や業務ノウハウの流出リスクを抑える意味でも、計画的で丁寧なオフボーディングが欠かせません。

組織の健全な循環と、持続的な成長のために、オフボーディングは重要な戦略の一部となっているのです。

オフボーディングが企業にもたらすメリット

オフボーディングは単なる退職手続きにとどまらず、企業に多くのメリットをもたらします。円満な退職を通じて、組織の信頼性や生産性の維持、将来の人材活用につなげることが可能です。

企業側にとっての具体的なメリットについて、詳しく見ていきましょう。

  • 円満退職による企業イメージの向上
  • 退職者ネットワークを活用した雇用の促進
  • 業務の引き継ぎ精度向上による生産性の維持
  • 退職理由の分析による組織改善へのヒント獲得
  • 情報漏洩リスクの軽減とコンプライアンス強化

円満退職による企業イメージの向上

オフボーディングを丁寧に行い、円満な退職を実現することで、企業に対する信頼感や好印象を醸成できます。

退職者が自社を「良い会社だった」と感じることで、SNSや口コミなどでポジティブな評価が広がり、企業イメージの向上につながります。これにより、将来の採用活動にも良い影響を与え、求職者から選ばれる企業としての競争力も高までしょう

退職者ネットワークを活用した雇用の促進

オフボーディングを通じて良好な関係を築いた退職者は、企業にとって「卒業生ネットワーク」として貴重な存在です。

再雇用の可能性(アルムナイ制度)や、知人の紹介によるリファラル採用にもつながりやすくなります。退職後も企業の動向に関心を持ち続けてくれる人材がいることで、必要なタイミングでのスムーズな採用が可能になります。

業務の引き継ぎ精度向上による生産性の維持

退職時にしっかりとしたオフボーディングプロセスを設けることで、業務の引き継ぎがスムーズに行われ、組織全体の生産性を維持することができます。

属人化された業務内容を明文化し、後任やチームに確実に共有することで、業務の停滞やトラブルを未然に防げます。突然の退職がチーム全体の混乱につながらないようにするためにも、引き継ぎの質を高めるオフボーディングの設計が重要です。

退職理由の分析による組織改善へのヒント獲得

オフボーディングの一環として行う退職面談やイグジットサーベイは、社員が辞める理由を把握し、組織の課題を明確にする貴重な機会です。

退職者は在職中には言いづらかった本音を話しやすく、リアルな課題を掘り下げやすくなります。収集した情報をもとに職場環境の改善やマネジメントの見直しに活用することで、将来的な離職率の低下や社員満足度の向上につながります。

情報漏洩リスクの軽減とコンプライアンス強化

退職に際しての情報管理を徹底することで、顧客情報や社内機密の漏洩リスクを軽減できます。

アカウントの停止やデバイスの回収、機密保持契約の確認といったオフボーディング施策を行うことで、万が一のトラブルを未然に防ぐ体制が整います。また、明確な手順を設けることで、コンプライアンス遵守の姿勢を社内に浸透させることにもつながり、企業全体の信頼性向上にも貢献するでしょう。

オフボーディングを成功させるポイント

退職者との信頼関係を保ちつつ、スムーズな業務引き継ぎを行うには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。オフボーディングを成功させるために、企業が意識すべき具体的な取り組みを解説します。

  • 退職者との丁寧なコミュニケーション
  • 計画的な引き継ぎと業務整理の実施
  • 退職後も関係を維持するフォロー体制の構築

退職者との丁寧なコミュニケーション

退職者との円滑なコミュニケーションは、オフボーディング成功の鍵です。一方的な事務処理で終わらせず、本人の気持ちや状況に配慮した対応を心がけることで、信頼関係を保ったまま円満な退職を実現できます。

また、退職理由やキャリアの希望を丁寧に聞くことで、今後の組織改善や人材育成にも活かせます。最後まで誠実に向き合う姿勢が、企業文化としての誠実さを示すことにもつながるでしょう。

具体的な取り組みの例
  • 退職理由を確認する面談の実施
  • 感謝を伝えるメッセージや送別会の実施
  • 退職時の手続きに関する丁寧な説明とサポート

計画的な引き継ぎと業務整理の実施

退職に伴う業務の引き継ぎを計画的に進めることで、現場の混乱を最小限に抑えられます。引き継ぎ内容を文書化し、担当者間で十分なコミュニケーションをとることが重要です。

特に属人化された業務は漏れが生じやすいため、退職者の協力を得ながら、整理・共有を徹底する必要があります。

具体的な取り組みの例
  • 引き継ぎ資料やマニュアルの共有
  • 後任者との同行やOJT期間の設定
  • 業務棚卸しシートによるタスクの可視化

退職後も関係を維持するフォロー体制の構築

退職した社員との関係を切らず、アルムナイ(卒業生)としてつながり続ける仕組みは、今後の人材確保や事業連携にも役立ちます。定期的な情報共有やイベント招待などを通じて、元社員が企業とのつながりを感じられる場を用意することが大切です。

こうした体制は、再雇用や人材紹介の可能性を高め、企業にとっての「人的資産」を活かす手段となります。

具体的な取り組みの例
  • アルムナイ専用のSNSグループの運営
  • 退職者向けの定期交流会の開催
  • 再雇用やリファラル採用の制度化と案内

オフボーディングの効果的な進め方

円滑なオフボーディングには、段階的な対応が欠かせません。退職の申し出から最終出社日まで、どのような流れで対応すればよいのかを整理することで混乱を防ぎ、関係者全員が安心して対応できます。

  1. 退職の申し出を受けた時点での初期対応
  2. 退職日までのスケジュールと業務整理の確認
  3. 引き継ぎ内容の明確化と後任者の選定
  4. 社内外への適切な情報共有と調整

退職の申し出を受けた時点での初期対応

退職の申し出を受けたら、まずは感情的にならず冷静に受け止めることが大切です。本人の意思や背景を丁寧に確認し、今後のスケジュールについて話し合いましょう。

この段階では、退職を引き止めるよりも、本人の意思を尊重しながら、円滑にプロセスを進める準備をすることが求められます。退職理由が建設的なものであれば、組織改善にも役立つ貴重な情報となります。

退職日までのスケジュールと業務整理の確認

退職が確定したら、退職日までの業務スケジュールを明確にし、優先順位を立てる必要があります。あわせて、本人が担当している業務の棚卸しを行い、未完了のタスクや重要なプロジェクトを整理しましょう。

スケジュールを共有することで、チーム全体の準備もスムーズになり、混乱を防ぐことができます。

引き継ぎ内容の明確化と後任者の選定

まずは引き継ぐ内容を文書化し、タスクごとに後任者や対応者を明確にします。可能であれば、OJT期間を設けて直接指導を行うと、引き継ぎの質が高まります。

属人化した業務は特に注意が必要で、組織全体で情報を共有できるようにしておきましょう。

社内外への適切な情報共有と調整

退職が確定したら、社内関係者や必要に応じて取引先などにも、タイミングを見て適切に情報共有しましょう。社内では業務上の調整がスムーズに行えるよう、関係部署への通知を行い、後任との連携を促進します。

社外向けには、後任の紹介や業務引き継ぎのスケジュールについて丁寧に伝えることで、信頼関係を損なわない対応が可能になります。

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まとめ

本記事では、オフボーディングの意味や基本的な概念について、わかりやすく解説しました。

オフボーディングは、従業員の退職を円滑に進めるだけでなく、企業にとっての長期的な資産形成にもつながる重要な取り組みです。丁寧な対応を行うことで、退職後の関係維持や組織改善、企業ブランドの強化といった多くのメリットが得られます。

単なる手続きにとどまらず、戦略的なプロセスとして位置づけることが、これからの企業経営においてますます求められていくでしょう。今回紹介したポイントを踏まえ、自社に合ったオフボーディング施策を検討してみてください。

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AME&Company編集部

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