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従業員満足度調査アンケートの作り方は?質問項目やテンプレート化のメリット

従業員満足度調査は、従業員のモチベーションや職場への満足度を把握し、適切な施策を講じるための基盤作りに欠かせない調査です。しかし、調査を効果的に行うには、目的に沿った設問設計や、回答しやすいフォーマットの作成が求められます。

本記事では、従業員満足度調査のアンケートの作り方・実施の流れについて解説します。アンケート項目や質問の例文、テンプレート化するメリットも紹介していますので、ぜひお役立てください。

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従業員満足度調査とは?

従業員満足度調査とは、社員が現在の職場環境や業務内容、待遇、上司や同僚との関係性などに対してどの程度満足しているかを把握するためのアンケート調査です。

企業にとって、従業員の意識や感じている課題を定量的に把握することは、組織改善や離職防止、生産性向上の重要な手がかりです。調査結果から、社員の不満ポイントやモチベーションの源泉を可視化できるため、課題に応じた具体的な施策を打ち出すことが可能になります。

また、従業員満足度はエンゲージメントや企業のブランドイメージにも直結するため、定期的な実施が求められます。適切な設計と分析により、企業は社員との信頼関係を深め、働きやすい職場づくりに繋げることができるでしょう。

従業員満足度調査のアンケートをテンプレート化するメリット

定期的に実施すべき従業員満足度調査は、質問項目をテンプレート化することで効率化を図ることができます。テンプレート活用で得られる具体的なメリットについて、詳しく見ていきましょう。

  • 作成時間と工数を大幅に削減できる
  • 設問の抜け漏れや偏りを防止できる
  • 調査の標準化により結果を比較しやすくなる
  • 継続的な改善サイクルを回しやすくなる

作成時間と工数を大幅に削減できる

従業員満足度調査のアンケートをテンプレート化することで、毎回ゼロから設問を考える手間を省くことができます。作成にかかる時間と工数を大幅に削減できるため、限られたリソースでも効率的に調査を実施できる点が大きなメリットです。

特に、複数部署やグループ会社にまたがる大規模な組織では、テンプレートを使うことで作成・配布・回収までのプロセスをスムーズに統一でき、担当者の負担を軽減できます。その結果、調査の実施頻度を高めることも可能になり、組織の実態をよりタイムリーに把握できるようになるでしょう。

設問の抜け漏れや偏りを防止できる

従業員満足度調査でテンプレートを活用することで、重要な視点が抜け落ちたり、特定の領域に偏った設問構成になるリスクを防ぐことができます。

従業員満足度調査では、業務内容、職場環境、人間関係、待遇、経営方針など多角的な観点からの評価が求められます。テンプレートにあらかじめ網羅的な設問を組み込んでおけば、バランスの取れたアンケートが作成でき、回答者の負担も軽減することが可能です。

また、設問の内容に一貫性を持たせることで、結果の信頼性や分析の精度も向上します。漏れのない調査を実施することが、正確な課題抽出と的確な施策立案に繋がるでしょう。

調査の標準化により結果を比較しやすくなる

アンケートをテンプレート化して標準化することで、年度ごとや部門ごと、拠点ごとの調査結果を比較しやすくなります。設問内容や回答形式が統一されていれば、データを横並びで分析できるため、変化の傾向や施策の効果を正確に把握できます。

また、標準化されたデータはレポート作成や経営層への報告にも活用しやすく、組織全体での共通認識を持つ上でも有効です。ばらばらな設問設計では得られない、組織横断的な視点を持った改善活動が可能になるため、長期的な組織強化に繋がるでしょう。

継続的な改善サイクルを回しやすくなる

テンプレート化されたアンケートを使うことで、調査・分析・改善のサイクルを継続的に回しやすくなります。

毎回同じ設問で調査を行えば、前回との比較が容易になり、施策の効果検証や新たな課題の発見がスムーズです。改善施策の効果を測定し、次回に反映するPDCAサイクルを確立できれば、組織の成長に向けた取り組みが加速します。

また、定期的に調査を実施することで、従業員自身も「意見が反映されている」という実感を持ちやすくなり、エンゲージメント向上にも寄与するでしょう。

従業員満足度調査のアンケートの質問項目例

従業員満足度調査を成功させるには、アンケートの設問設計が重要です。どのような質問項目を用意すべきか迷った際は、以下の例文を参考にしてください。

  • 従業員の基本情報に関する項目
  • 業務内容や役割に関する項目
  • 職場環境・人間関係に関する項目
  • 処遇・福利厚生に関する項目
  • 組織への信頼・エンゲージメントに関する項目

従業員の基本情報に関する項目

従業員満足度調査では、結果を詳細に分析するために、回答者の基本的な属性情報を把握することが重要です。性別や年齢、所属部署などの情報を収集しておくことで、属性別の傾向や課題を明確にし、より精度の高い改善施策に繋げることができます。

なお、個人が特定されないよう、設問の設計には配慮が必要です。

質問項目の例文
  • 性別
  • 年齢(または年代)
  • 所属部署
  • 現在の役職
  • 勤続年数

業務内容や役割に関する項目

従業員が担当している業務内容や役割に対して、どれだけ満足しているかを把握するためのアンケート項目です。自身の仕事内容に対する適性や、やりがいの有無を把握することで、職務満足度やモチベーションの向上施策に繋げることができます。

質問項目の例文
  • 現在の業務内容に満足していますか?
  • 自身の役割や責任は明確に理解できていますか?
  • 業務の難易度は自身のスキルに合っていますか?
  • 日々の業務にやりがいを感じていますか?
  • 自身の業務が会社の目標達成に貢献していると感じますか?

職場環境・人間関係に関する項目

働く上で重要な職場環境や、同僚・上司との関係性についての満足度を把握するためのアンケート項目です。人間関係や環境に関する課題は、離職リスクに直結するため注意が必要でしょう。

質問項目の例文
  • 職場の雰囲気は良好だと感じますか?
  • 上司と円滑なコミュニケーションが取れていますか?
  • 同僚と協力して業務に取り組めていますか?
  • ハラスメントが起きにくい職場環境が整っていると感じますか?
  • 自分の意見を安心して発信できる風土がありますか?

処遇・福利厚生に関する項目

給与や福利厚生など、会社から提供される待遇に対する満足度を測るアンケート項目です。金銭的・制度的な待遇に不満が蓄積すると、従業員満足度だけでなく定着率の悪化にも直結するため注意が必要です。

質問項目の例文
  • 現在の給与に満足していますか?
  • 福利厚生制度は充実していると感じますか?
  • 働き方に柔軟性があると感じますか?
  • 人事評価制度は公正だと思いますか?
  • キャリア支援や研修制度が整っていると感じますか?

組織への信頼・エンゲージメントに関する項目

会社の経営方針や理念、将来性に対する信頼感、愛着を測るためのアンケート項目です。エンゲージメントの高さは、生産性や定着率に大きく影響します。

質問項目の例文
  • 会社のビジョンに共感していますか?
  • 経営層の方針に信頼を持てますか?
  • 自分の仕事に誇りを持っていますか?
  • 長期的にこの会社で働きたいと思いますか?
  • 会社の成長性に期待を持っていますか?

従業員満足度調査のアンケートを作る際の注意点

従業員満足度調査を実施する際、いくつかの注意点があります。どのような点に注意してアンケートを作成すべきか、具体的に見ていきましょう。

  • 調査の目的を明確にする
  • 回答者の負担を最小限に抑える
  • 誘導的な質問を避ける
  • 回答者の匿名性を確保する

調査の目的を明確にする

従業員満足度調査を実施する際は、まず「何のために調査を行うのか」という目的を明確にすることが重要です。

たとえば、離職率の改善を目指すのか、職場環境の課題を洗い出したいのかによって、質問項目の内容や重点が大きく変わります。目的が曖昧なまま設計されたアンケートでは、必要なデータが得られず、結果の活用も難しくなります。

経営層や人事部門で事前に目的を共有し、それに沿った設問設計を心がけることで、実効性のある調査が実現できるでしょう。

回答者の負担を最小限に抑える

アンケートの設問が多すぎたり、選択肢が煩雑だったりすると、回答者にとって大きな負担となります。その結果、途中で回答をやめてしまったり、適当に記入されるケースも増えてしまいます。

従業員満足度調査の精度を高めるためにも、質問数は必要最低限に絞り、所要時間は5〜10分程度に収めるのが理想です。また、質問の表現も簡潔かつ具体的にし、直感的に回答しやすい形式(5段階評価など)を採用することで、回答者のストレスを軽減できます。

誘導的な質問を避ける

従業員満足度調査の結果を正しく分析するためには、公平で中立な設問が欠かせません。

たとえば、「上司の指導は的確だと思いますか?」という質問には、すでに肯定的な前提が含まれており、回答者に無意識のうちに特定の回答を促してしまう可能性があります。こうした誘導的な表現は、回答の信頼性を損なう原因となります。

意図しないバイアスを避けるためにも、「上司の指導についてどのように感じていますか?」のような、客観性のある質問文に配慮しましょう。

回答者の匿名性を確保する

従業員が率直な意見を述べるには、「誰が回答したか」が特定されないことが前提となります。特に上司や経営層への不満など、センシティブな内容を含む場合はなおさらです。

個人が特定されるような項目(部署名、役職、年齢など)は必要最低限にとどめ、集計結果は匿名化して扱うことを明示しましょう。また、回答の活用目的やデータの保管方法を事前に説明することで、従業員の安心感と信頼を得ることができます。

従業員満足度調査のアンケートの流れ

従業員満足度調査を初めて実施する際、どのような手順で進めるべきか迷ってしまうケースは珍しくありません。一般的な流れをご紹介しますので、ぜひ自社の取り組みの参考にしてください。

  • アンケートを実施する目的の明確化
  • アンケートのテンプレート作成
  • アンケートの実施
  • 回答結果の分析と継続的な改善

アンケートを実施する目的の明確化

まず最初に行うべきは、アンケートの実施目的を明確にすることです。

従業員満足度を調べたい理由は、離職率の低下、モチベーションの向上、組織風土の改善など企業ごとに異なります。目的を明確にすることで、質問項目に優先順位をつけやすくなり、集めたデータも実務に直結した形で活用しやすくなります。

関係部門とすり合わせを行い、「なぜこの調査が必要なのか」「得られた結果をどう活用するのか」をあらかじめ整理しておくことが、成功の第一歩です。

アンケートのテンプレート作成

目的が定まったら、それに基づいてアンケートのテンプレートを作成します。

テンプレート化のメリットは、調査の標準化・効率化だけでなく、過去との比較を容易にする点にもあります。設問は、職場環境、人間関係、業務内容、評価制度など多岐にわたりますが、目的に合ったものを厳選することが大切です。

また、選択式・自由記述式など設問形式のバランスも意識しましょう。テンプレートは一度作成して終わりではなく、実施後のフィードバックを反映して改善していくこともポイントです。

アンケートの実施

テンプレートが完成したら、実際にアンケートを配布・実施します。

オンライン形式であれば、Googleフォームや社内システムなどを活用すると集計作業がスムーズになります。実施前には、全社員に目的や回答所要時間、回答期限、匿名性の担保などを丁寧に説明し、安心して参加してもらう環境を整えましょう。

また、回答率を高めるためには、上司や人事部門からの声かけ、回答期間中のリマインドなどの工夫も効果的です。

回答結果の分析と継続的な改善

アンケート実施後は、回収したデータの集計と分析を行い、傾向や課題を明らかにします。

結果は経営層や関係部門と共有し、必要な改善施策へとつなげていきましょう。この際、従業員にも結果の概要と今後の方針をフィードバックすることで、調査への信頼感が高まり、次回以降の回答意欲も向上します。

また、アンケートの設問や形式についても毎回見直しを行い、より実態に即した内容へとブラッシュアップしていくことが継続的な改善の鍵です。

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まとめ

本記事では、従業員満足度調査のアンケートの作り方・実施の流れ、項目、質問の例文、テンプレート化するメリットについて解説しました。

従業員満足度調査は、組織の現状を客観的に把握し、職場改善につなげるための重要な取り組みです。調査を成功させるためには、まず目的を明確にし、回答しやすいアンケートを作成することが不可欠でしょう。

また、テンプレート化することで運用効率を高め、継続的な実施と比較分析が可能になります。調査結果を活用して具体的な改善策を打ち出すことで、従業員の信頼を得られ、エンゲージメントの向上にもつながるでしょう。

本記事で紹介したポイントを踏まえ、自社に合った満足度調査の実施を検討してみてください。

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この記事を書いた人

AME&Company編集部

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AME&Company編集部では、人事労務やマネジメントに関するお役立ち情報を発信しています。

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